その男(?)、ヒルズ族につき(六本木) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

六本木といえば先端都市のイメージが強く、高層ビルも多いですが

同時に緑もまた街中に多いということをご存知でしょうか?

先日、書店開拓のために六本木界隈をリサーチしながら

目ぼしいスポットを歩いてみたので、ここに紹介いたします。

いずれも過去に本ブログで紹介したところではございますが

例の「まちみどりっぷ」発行後初めての訪問ということもあり

ちょっと感慨深いものがあります。

 

まずは東京ミッドタウンおよび隣接する檜町公園へ。

見ての通り、河川の上流を思わせる水景があります。

 

 

 

 

 

下流には大きな池が。

石灯籠など、日本庭園ならではのモニュメントもあります。

 

背後にビル群が見えることについては、不満の声を上げる方もいますが

(特に浜離宮がよく槍玉にあげられます)

「こういう風景こそが東京らしくていい」という方も間違いなく多く

実際私もそちら寄り。こういう借景は東京ならではですしね。

 

 

 

 

 

 

人工的に造成された池ではありますが、

かなりの広さと充実した周辺環境ゆえか、トンボも多数観察できます。

シオカラトンボ(左)やショウジョウトンボ(右)など

メジャーな種ばかりではありますが、都会のオープンスペースでは

例え水場を設けても何も飛んでこないスポットというのは結構あるので

こうして数多く確認できるだけでも恵まれていると言えます。

 

 

 

 

 

情緒ある和風庭園だけでなく、ファミリー受けの良い遊具広場も。

また、開放感ある芝生広場もあります。

多彩な年齢層が長時間滞在できる空間に設えられていますね。

 

 

 

 

 

 

キキョウ(左)などの山野草も植栽されているほか

アガパンサス(右)の群落もこの時期は見所です。

 

ちなみに晩夏になるとオミナエシが咲く区画があり

そこには結構な数の昆虫が訪れます。

ハチも来るので嫌われる可能性もありますが(汗)

逆に言うならお手軽に昆虫観察ができるスポットでもあります。

さて、今年も観察できるかな? 真夏に期待です。

 

 

 

 

 

移動しまして、こちらは六本木ヒルズです。

ミッドタウンと並んで六本木を代表する人気スポット。

こちらのオープンスペースも非常に華やかです。

写真の花壇は年に何度か植え替えを行っており、

これからのシーズンは、夏の暑さに強い品種で埋め尽くされます。

 

 

 

 

 

そんな大型花壇からちょいと裏手に歩けば、

バラと宿根草の混植されたナチュラルテイストなガーデンも。

東京とは多様性の街であり、六本木エリア内のスポットもまた多様

そして同じヒルズの敷地内でも、植物の魅せ方はやはり多様……。

このようなバリエーションの豊富さを楽しめるようになると

東京散策はもっともっと面白くなるんじゃないか?と思うのです。

 

 

 

 

 

 

六本木ヒルズのけやき坂通り

こちらにも多数の花が植栽され、道を彩っています。

やはり頻繁に植え替えを行い、季節の花が咲くようになっていますので

ヒルズに足を運んだ際にはその都度チェックしてみるといいでしょう。

ご自身でガーデニングをされている方には参考になるかも?

 

 

 

 

 

テレ朝の前の広場。テーブルの間隔が普段より空いています。

もちろん感染症対策の一環でしょう。

 

 

 

 

 

毛利庭園へ。ここもまた六本木ヒルズの敷地内です。

工事中につき、一部の散策路が立入禁止になっています。

 

 

 

 

 

そんな池の一角。岩の上に見えるこの青い背中は……?↓

 

 

 

 

 

なんと、カワセミが姿を現しました。

ここで撮影したのは私もこれが初めて。

しかも食事シーン(ドジョウ?)を押さえることができました。ニコニコ

実はこのあとうまく飲み込めずに落としてしまいました

 

特筆すべきは、この個体の色が妙に黒ずんでおり

まだ巣立って間もない幼鳥ではないかと考えられること。

これは即ち、ヒルズの敷地内または近隣のどこかで

カワセミが営巣・繁殖しているということなのではないかと推察できます。

このカワセミ、ヒルズ族?

 

ちなみにこのカワセミはくちばしの下側が黒色であるため

一見するとオスのように見えますが、幼鳥の間はこの色が判然とせず

性別の判断材料にはならないそうです。(つまりメスの可能性もある)

 

いずれにしても1つ確実に言えるのは

今の六本木にはカワセミが飛来する水場があるということ。

それを知っているだけでも、六本木惹いては東京に対する印象は

大きく変わるのではないかと思われます。

 

 

 

 

 

 

最後に、大分歩きましたがアークヒルズまで移動。

こちらも緑豊かで、隣接する仙石山森タワーと合わせて

大きな緑地を構成しています。

 

極端な言い方をするならば、

森林公園の中に高層マンションが建っているような感じ。

もちろん公開空地ですので自由に見学することができます。

(一部、入場時間制限などがある場所もありますので要注意)

 

 

 

 

 

白いカワラナデシコも開花しました。

 

ちなみにカワラナデシコ、キキョウ、オミナエシと

本記事に名前の出た植物はいずれも「秋の七草」に数えられていますが

七草の中で秋に見頃を迎えるのはハギ(萩)とススキくらいのもの。

オミナエシは若干開花期が遅れますが、キキョウとナデシコは実質夏の花です。

ただ、都心部の花壇であれば開花調整されている可能性があるため

長期間見られるかもしれません。こういうのもまた都心の花壇のメリット。

 

一方で手つかずの「自生地」では観察期間もかなり限られてしまいがち。

いや、そもそもナデシコもキキョウも自生地を探すこと自体が至難の業です。

東京都内に果たして残っているんだろうか……?