江戸中期、九州のとある藩で起きた叛乱を背景に、藩主の子息と身分なき娘の恋を烈しく哀切に描く。作・演出、新人公演担当は上田久美子。'15年雪組・東京宝塚劇場・新人公演。月城かなと、彩みちる 他。山々に囲まれた三日月藩藩主の次男、紀之介(月城/本役は早霧せいな。以下同じ)は、夜ごとに城を抜け出しては星の観測に夢中になる奔放な少年であった。ある夏の星逢<七夕>の夜、紀之介は村の少女、泉(彩/咲妃みゆ)と、その幼馴染の源太(永久輝せあ/望海風斗)と出会い、星観の櫓を一緒に組み上げる。その日以来、三人は夜ごと星探しに夢中になり、身分を超えて友情を育んでゆく。しかし、江戸藩邸に住む紀之介の兄が急死し、紀之介が嫡子として江戸に行くことが決まる。互いへの淡い思いを告げられぬまま、紀之介は旅立って行く。江戸に到着した紀之介は、名を晴興と改め、三日月藩の正統な後継者となる。少年の才覚を見抜いた将軍吉宗は、晴興を自分付きの御用取次に取り立てる。7年後の星逢の夜、晴興は帰藩した故郷で泉に再会する…。
宝塚スカイステージで、久しぶりに、雪組の「星逢一夜」の新人公演を観ることができました。
主演の月城かなとさんは、この時研7、相手役の彩みちるさんは研3、二番手の永久輝せあさんは研5でした。
今や、月組トップを終えて、卒業したばかりの月城さん、雪組から月組へ同じく組替えして、ベテラン娘役として活躍している彩さん、雪組から、花組に組替えして、トップになったばかりの永久輝さんの舞台です。
この新人公演には、月城さんの真剣な思いがはっきり表れていて、紀之介と源太が、藩主とその藩の村人の一揆の棟梁としての死闘の場面を、舞台の上で、真剣勝負で演じようと、二人で演じたと語っていたことを思い出します。
永久輝せあさんは、この時、本役が望海風斗さんでしたが、望海さんとは別の演技で若わかしかった記憶があります。今年、今から、永久輝さんは、望海さんが演じたドン・ジュアンを演ずるわけですが、またまた、剣の死闘を演じます。2016年の「ドン・ジュアン」では、その望海さんのジュアンと、ラファエルとして死闘を演じたわけでした。月城さんから、望海さんから、男役としての在り方をこうして学んだだなと思いました。
今回の公演で、将軍吉宗を演じた、真條まからさんが、新人公演らしからぬ迫力ある演技で印象的でした。
退団後、劇団四季の女優(村木佑衣)さんになっています。