今回のコロナ騒動でもし、何か一つ良かったことがあったとすれば9月入学実施が現実味を帯びてきた事かなぁと思っていました。
また、この議論自体が高校3年生の子供たちから声が上がり、署名運動となりその実現の是非が検討されるようになったというきっかけや背景を考えても、延期という事になり本当に残念に思っています。
『9月入学』という言葉だけが先行してしまっていましたが、別の言い方をすれば今学年の年度末が翌8月になるという事であり、子供たちにとっての学習の遅れや秋冬に可能性が高いと言われる第2波・3波が来て再度休校になったとしても8月が学年末なら十分な期間を確保できたはずです。
ただ、親御さん達は「9月入学」という言で少し混乱されたような気もします。
でも実質今学年が半年間追加になったとすれば、学習問題の解決だけではなく、学校行事の相次ぐ中止を延期に変更できたかもしれませんし、長い目で見ると日本にとって良いことも多かったはずなのに、非常に残念です。
文科省の実施案もニュースで知りましたが、現在幼稚園の年少の子供たちまでは『今学年末が8月』になるだけの事なので、3年間はお誕生日は現在の4月2日~翌4月1日までの子供たちでそのまま9月始業・8月終業にしておけばいいだけの事と思いますし、それだと翌小学校1年次に生徒が多くなるなんてことはなかったかと思います。
また、仮に3年後から6年かけて1年+1カ月お誕生日月の文科省作戦を取ったとしても、少子化傾向にあるため、4年後が小学校入学年度にあたる子供の数が現時点の数とさほど大差はありません。
もちろん、文科省がこれに気付いていない訳はなくて、おそらく本当の延期理由は他にあると考えます。
私立学校の財源問題、30以上の法律の変更、国家資格試験の日程変更、何より各省庁を横断しながら実施する事になるので、実行に移すのは文科省の思い通りに一筋縄ではいかない議論です。
それでも今回の9月入学制度の導入が実現すれば、子供たちの声が国の制度を動かした事になり、これは本当に歴史に残る出来事になったでしょうし、子供たちが政治に自分たちの声が届くという事を実感できる、ひいては政治に興味関心を持つ子供たちが増える事に繋がるきっかけにもなるのでは・・・と思っていました。
調整しなければならない要件を上げていくと莫大な量になりますし、大変かと思いますがせめて今学年に関しては入学4月の学年末8月、実際の9月入学は2021年度からのスタートをしてあげれないものでしょうか。。。
国体、甲子園、各種大会、修学旅行、友人との人間関係作り・・・・
オンラインで出来るもの、まかなえるものもありますが、オフラインでしか出来ないものが社会にも学校にもあります。
勉強はオンラインで出来ても、人間関係構築能力を育むことはオフラインでは出来ません。
学校教育にITを導入したところで、オフラインでしか育めない能力の存在も忘れずにいたいものです。
「学校」という場所に通う事の大切さ、「会社」という場所に通う事の大切さ・・・「人」に会う事でしか磨かれないものが存在します。