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旅歩き&美味しいもの探し人 byちゅーぐ

街歩きして、ホテルに泊まって、美味しいものを食べる。
それが私の旅スタイルなんです。
鉄道と飛行機旅が特にいいですよね〜。

7.アセラエクスプレスとスミソニアン その1

  アメリカ版新幹線に乗る

 NYペンシルバニア駅(ペン駅)6時発のアセラエクスプレスに乗るために、4時半に起き、5時過ぎにホテルをチェックアウト。ペン駅までどうやって行くか迷ったが、行きの飛行機で隣だったエリック君の助言に従いウーバー(Uber)を利用する。スマホで行先を入力すると、料金、車種、ナンバー、ドライバー名、評価、到着まで5分程度と表示された。ウーバーアプリの地図で車の動きが表示され、近づいたところでホテルの外に出て待つ。行先入力してから7〜8分でシボレーSU Vが止まって20代前半の青年が、

 「Good morning Mr.@. My name is K」

と声を掛けてきた。

 車のナンバーと車種を確認すると間違いない。ユーザー評価も高いドライバーのK君だった。

 「Good morning. Can I ride your car.」

 「Sure.」

 夜明け前のミッドタウンをペン駅に向けて車を走らせながら、彼は気さくに話しかけて来た。次にニューヨークへ来る時は彼のオススメのコニーアイランドに行ってみよう。

 10分弱でペン駅に到着。i-padで料金を確認し、確認をタッチして終了。料金は登録したカードで決済されるので現金授受はない。彼は駅への入口を教え、

 「Have a good trip!」

と言い走り去っていった。いい対応をしてくれたK君にチップを渡すのを忘れてしまった事を今でも後悔している。

 ガラス張りビルが建っていて、そこが駅という感じが全くしないのは、マジソンスクエアガーデンの地下にペン駅があるという構造だからだ。東京で例えると日本武道館の地下に東京駅があるようなものだろう。

 地下に降り、列車を待つ間に朝食を買おうと思っていた。暖かいコーヒーがある事を期待し開いていたダンキンドーナツに入り、ベーグル、ハッシュブラウン、コーヒーの朝食セット($6.5)をテイクアウトにした。

 日本と違い欧米の鉄道駅では、乗車ホームが前もって決まっていないことが多い。ここでも同じで、LED発着ボードには時間、種別、目的地のみが表示されていた。出発時間の数分前にホームが12Aと表示され改札が始まる。改札はチケットのQRコードをスキャナーに読ませて完了。階段を降りて地下ホームに停車している銀色の列車に乗り込んだ。私が乗るビジネスクラスは座席指定されていない定員制の自由席で、車両の中央左側に席を取った。

 アメリカ版新幹線アセラエクスプレスはビジネスクラス(グリーン車)とファーストクラス(グランクラス)のみで運行され、車両の外観はフランスのTGVに良く似ている。

 それも道理でボンバルディア社とアルストム社が共同でTGVベースに製作した車両だという。アメリカ版新幹線とは言われるものの、従来の線路上を高速鉄道用車両が走っているので、一部区間で240キロ走行するだけで平均速度は135キロとあまり早くはない。私の乗るアセラエクスプレスはニューヨーク・ワシントンD.C.間約370キロを2時間50分で走り概ね平均130キロ(鉄道的には表定速度)である。8両編成の前後を電気機関車で挟んだTGVと同じスタイルで、ファースト1両、ビジネス4両、カフェカー1両の実質6両だ。ビジネスクラス車内は2列—2列に大きいライトブルーのレザーシートが並んで、座面はスウェードで滑り難くなっている。雰囲気は日本のグリーン車のような豪華な感じはなく実用本位に出来ている。上部に飛行機と同じようなハットラック(蓋付き荷物棚)が目に付いた。

 アセラエクスプレスは6時の定時にペン駅を静かに発射した。線路状態が良くなく、揺れが大きいと聞いていたが、そんなことはなく想像以上に快適な乗り心地だった。流れる車窓を見ながらベーグルとコーヒーの朝食は格別の気分だ。途中停車駅は、ニューアーク、メトロパーク、トレントン、フィラデルフィア30丁目、ウィルミントン、ボルチモアの6駅で、定刻8時50分にワシントンユニオン駅に到着した。行き止まりの終着駅スタイルで、そこはアセラ専用ホームらしかった。

 荷物を預けるためにホテルへ行くことにして、ワシントンメトロのユニオン駅に向かう。

 スマートリップ(Suicaと同じICカード)メトロ1日券を買い、これからバスに乗るのこともあり$10をチャージして準備をする。

 レッドラインをメトロセンター駅でオレンジラインに乗り換えて、2泊するホテルの近くのコートハウス駅で降りた。ここはポトマック川を渡ったワシントンD.C.隣りのバージニア州だ。

 ホテルは「ハイアットプレイス・アーリントン・コートハウスプラザ」と長い名前。どうやら開業して日が浅いようだった。チェックイン時間は16時だが、フロントマンの好意でアーリーチェックインさせてくれた。時計を見ると10時を過ぎたばかりだったのでとても有り難かった。

 2階の部屋に入ると客室内の設備は全てが新しく機能的に配置されていて居心地が良さそうだ。広さは25平米位と思うが、窓側にキングサイズベッド、内側にL形ソファーが置かれて、狭いがジュニアスイートルームの様だった。ソファーはエキストラベッドに転換できるようで、トリプルルームとして使うことも出来るようだ。

6.ヤンキースタジアムでシナトラを その3

  ニューヨーク夜景はトップオブロックから

 翌日早朝に列車でワシントンへ移動予定となっていて、ニューヨークで過ごせる時間はあと僅か。フィナーレはビル展望台からの夜景と思って、トップオブザロック展望台(ロックフェラーセンター)19時10分の予約をして支払いも済ませていた。

 ニューヨークでビル展望台と言うとエンパイアステートビルが最も有名だが、予約を受け付けておらず列に並ばないとならないという。当然だが待ち時間は全く分からない。対してワンワールドトレードセンターとトップオブザロックは時間指定して予約が可能だった。ワンWTCは新しいが、摩天楼から遠い夜景になる感じがしたので、トップオブザロックにした。

 19時過ぎに地下にある展望台入口に行き、プリント済みのチケットを見せると、予約者の列を案内される。10分程待ちエレベーターで68階にある開放式の展望台に上れた。

 このビルの正式名はコムキャスト(NBCユニバーサル)ビルで、1933年にRCAビルとして竣工した。80年以上前にこうした高層ビルが建設されていたという技術の差に驚いた。1986年にGEがRCAを買収しGEビルに名を変える。2014年屋上のGEロゴを外しNBCシンボルとコムキャストロゴに変えることをニューヨーク市歴史建造物委員会に認可されて現名称になった。

 上の69階で日が暮れて夜景が美しくなるのを待つ。人が段々と増えて来て、よく見えなくなったので68階に降りた。美しいニューヨクの景色は夕暮れのマジックタイムから完全に暮れるまで刻々とその姿を変えていく。一番美しいのは南側エンパイアステートビルからロウアーマンハッタンを望む方面だった。ビルの照明が色彩と光を放って、都市の夜景では最上級のものだと思う。

 意外なのは、西側ニュージャージー方面でハドソン川越しと落日の残照が美しさを倍加させたようだ。

 夜景を堪能しニューヨーク最後の夜としてはいい時間を過ごせたと満足した。下りは混んでいたのでエレベーター乗車に30分待った。待つ間に窓越しの夜景を見て過ごし、全く退屈しなかった。

 夕食は体も胃も疲れていたこともあり、2年前のハワイで気になった「ホールフーズ」のデリを買い、ホテルで食べることにした。

 量り売りのデリは1ポンド$10.99で、野菜類を中心に選び、小さいパンとマッシュルームスープも付けて$17.5だった。スタバでコーヒーも買い$20のディナーとなる。

 温かいクリーミーなスープと有機野菜中心のデリ惣菜は疲れた私にはピッタリの優しい美味しさで、食べ終わると心なしか元気を回復したような気がした。明朝は5時過ぎにチェックアウトして6時発の列車に乗る予定で、すぐ動けるように寝る前に荷造りを済ませた。

6.ヤンキースタジアムでシナトラを その2

  アーロンジャッジ3号ホームラン!

 

 

 72丁目からB号線でブロンクス方面へ向かい、145丁目でD号線に乗り換えて161丁目へ。161丁目駅に到着すると乗客が一斉に下車し始めた。「何事?」と思い、駅名標を見ると161 Avenue の下にYankee Stadiumと書かれていた。高架駅と思い込んでた私は慌てて席を立ち、他の乗客の後を追った。危ないところだった!心からホッとする。ヤンキースタジアムは治安の良くないマンハッタン北側のブロンクス地区にあり、乗り越した先にどんな危険な場所があるのか想像出来ない。

 駅から地上へ出ると、夢にまで見た憧れの「ヤンキースタジアム」の威容が目の前にあった。

 「遂にここまで来た!」とガッツポーズをしたい気持ちをグッと抑えながら入場の列に並ぶ。2009年4月に新ヤンキースタジアムが完成して8年経つが、未だに新築の美しさを保っていた。ヤンキースタジアムの入場券は、転売防止のためスマホでQRコードを表示させる電子チケットだった。私は列に並んでスマホアプリでQRコードを表示していたが、電波状態が良くないのか突然接続が切れ表示が消えた。慌てて再接続を図るが上手く繋がらない。焦りながらもアプリを起動させ、QRコードをスキャンして入場した。スタジアム周辺での電波状態を改善して欲しい。

 中に入るとスタンド脇のコンコースがゆったりと広く、天井もスタンドと同じ高さで気持ちの良い空間となっていた。壁面にはベーブルースやゲーリッグなどのレジェンド・プレイヤー達の大きな写真がバナーで飾られていて球団の長い歴史を感じた。

 少しコンコースを歩き、入口近くの公式ヤンキースショップに入る。スタジアムジャンパーが欲しかったが約3万円と高額なので諦めた。シカゴで公式カブスショップに入った時もパーカーが1万円超で高いなと感じたが、ここでも事情は同じだった。

 オペレーターが操作する大きなエレベーターに乗って300レベル(3階席)へ上がる。私の席は400レベルなので、更に階段を1フロア上がったところだった。席は最前列でスタンドの柵上部に厚い強化ガラスが入り観戦しやすい構造になっていた。

 12時過ぎで空腹を感じ、300フロアに並ぶ売店で昼食を選ぶ。やはり食べ飽きないホットドッグと思い、ネイサンズ(Nethans)で買い求めた($5.75)。ここはニュースで取り上げられる「国際ホットドッグ早食い選手権」を主催する有名店だ。

 フードファイター小林尊氏が2001年から6連覇したのが良く知られている。カウンターで受け取るとやはりここも牛肉ソーセージだった。刻んだピクルスを自由にトッピング出来たので、かなり多めに乗せる。飲み物は隣の店でレモネード($5.25)を買って、近くのピクニックテーブルでランチとした。

 ネイサンズのホットドッグは伊達に有名店ではなくて、パンとソーセージがバランス良くとても美味しい!今朝食べたシェイクシャックより一日の長があるように感じる。ホットドックだけでは物足りないので、フレンチフライ($7.5)を追加購入したが、手渡されたポテトの量は日本のLサイズの5〜6倍はあろうかという超アメリカンサイズで驚く。店舗横にあったディスペンサーでケチャップを掛け、自席に持ち帰る。救いだったのは塩が振られてなかったことで、試合観戦しながら大量のポテトを何とか食べ切った。

 この日ヤンキースの対戦相手は同じアメリカン東地区のタンパベイレイズだった。試合開始30分前にスターティングメンバーが大きなLEDボードにプロフィールと共に映し出された。その中で気になった選手は、7番ライトのジャッジ(#99)と8番キャッチャーのヒガシオカ(#38)。体格良いジャッジはファンの声援が大きく、ヒガシオカは今日メジャーデビューとアナウンスされていた。

 試合開始寸前にスタジアム全員が起立脱帽して国歌斉唱をする。凛とした空気に包まれたこの感じは段々とクセになりそうだ。

 ヤンキースタジアムは比較的新しいので、いくつもあるボードには選手の打率、ホームラン数、ピッチャーの球数、防御率は勿論のこと、他球場経過がピッチャー名も表示されている。この日、シアトルマリナーズは岩隈、ロスアンジェルスドジャースは前田が先発と分かった。翌日はヤンキースの先発が田中将大だったようで何とも残念だった。

 試合経過は終始ヤンキースがリードしたまま試合後半になっていた。7イニングストレッチで、座席を立ち「ボールパークに連れてって」をボードの歌詞を見ながら歌う。これは何度体験しても観客との一体感が心地良い。

 ジャッジの3号ホームラン(この年、彼はアメリカンリーグ本塁打王となった)も出て、ヤンキースが8対4の4点リードで9回を迎えた。4点差はセーブが付かないので、クローザー(抑え)チャプマン(MLB最速投手)の出番は無いと思われた。ところがピッチャーがレイズ打線に打たれ、1アウト1・2塁になった。突然球場内にサイレンが鳴り響き、ボードにバーニングフレイム(燃える炎)のアニメーションが流れた。それらがチャプマン登場の演出だった。するとブルペンから存在感ある大きな選手が駆け足でマウンドへ向かった。何球かのウォーミングアップの後、試合再開となる。彼は最速106マイル(約170キロ)の速球を投げるが、この日は102マイル(約164キロ)が最速だった。生まれて初めて見る100マイル超の速球は遠目で見ても迫力を感じた(様な気がした)。

 結果はチャプマンががっちりと抑えて、8対4のままヤンキース勝利となった。(ランナーが出た場面で登板しセーブが付いた)

 試合終了と同時に、フランクシナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が大音量で球場全体に流れ始めた。

 これはヤンキースタジアムの名物で、勝利の時はシナトラ版、敗北の時はライザミネリ版のN.Y.N.Y.が流れていた時期もあったが、現在は勝敗に関係無く試合終了時にシナトラ版が流れることになっていた。シナトラは時々聞いていて耳馴染みがあって、中でも「ニューヨーク・ニューヨーク」は好きな曲の一つなので気分が浮き立つ。私がゲートを出る時も流れていて、勝利の喜びととウキウキ気分でヤンキースタジアムを後にする。

 マンハッタンまでの帰りは、高架の161丁目駅から4号線急行に乗って25分程でグランドセントラルへ出た。161丁目駅の高架ホームから見た夕方のヤンキースタジアムの素敵な光景が目に焼き付いている。

6.ヤンキースタジアムでシナトラを その1

  (ジョンレノンとストロベリーフィールズ)

 ついに長い間憧れていた「ヤンキースタジアム」でゲームを見る日がやって来た。興奮していたためか、年齢からか分からないが、朝6時に目が覚めてしまった。試合開始は13時からなので、それまでの時間をどうやって有効に使おうか考えた。必ず行こうと思っていたのは、20世紀のスーパースター「ジョンレノン」がファンに命を奪われた高級アパートメント・ダコタハウスだった。

 8時半頃ホテルを出て、朝食を食べようとグランドセントラルに行く。今日はスタバ以外の場所にしようと決めていた。レストラン街で開いている「シェイクシャック」に入る。ここは数年前から日本上陸が始まったグルメハンバーガーの有名店で、ブルーボトルコーヒー同様に初の入店だった。

 昨日の昼に凄いハンバーガーを食べたこともありハンバーガー気分ではなかったので、大好物の「ホットドッグ」と「フレッシュオレンジジュース」($8)を注文した。

 出来上がりを待ってカウンターでピックアップし席に着いてホットドッグの箱を開ける。ドッグパンにソーセージが縦に二つ割りされて入っているだけというシンプルさで、牛肉ソーセージの味がとてもよく分かって美味しい。トッピングにピクルスとマスタードと乗せると更に美味しくなった。フレッシュオレンジジュースは冷えたオレンジをジューサーで絞っただけで間違いなく美味しい!

 メトロシャトル線でタイムズスクエアへ、3号線に乗り換えて72番街駅で下車する。

 この駅の周りには気になるスーパーとアウトレットがあり、行くことを楽しみにしていた。

 最初に行ったのは前面に果物などがディスプレイされた庶民的雰囲気もあるスーパーのフェアーウェイ(Fairway)。

 店内を廻ってみると、アメリカらしい大容量ナッツ類やドライフルーツがお手頃価格で売られていた。少し考え素焼きアーモンドとドライクランベリーの1ポンド袋を買った。

 次にトレーダージョーズ(Trader Joe’s)に入り、お洒落な容器のスパイスなどを買った。この店のエコバッグは日本で大人気らしく、帰国後に何人もの女性が肩掛けして歩いているのを見かけた。その時は全く知らずに、エコバッグを買うことはなかったが、正直少し後悔をしている。

 最後にブルーミングデールズ・アウトレットに入る。有名なデパートのアウトレットで、服好きな息子へ某ブランドのTシャツを土産に買い求めた。

 ジョンレノン終焉の地、ダコタハウスは72丁目から歩いて10分くらいのところにあった。前を通ると高級アパートメントらしく、入口にホテルの様なセキュリティが立っていた。建物にはレノンに関する特別なモニュメントは無かった。セレブの住むアパートメントなので考えてみれば当然のことだろう。

 ダコタハウスの全体を見るために道路を渡ると、そこがセントラルパークの入口の一つだった。建物全体を写真に収め、公園を少し歩いて行くと人が集まっている一角があった。そこからギターの音色と歌声が聞こえてきた。そこは妻のオノヨーコが造園費用を負担して1985年に造られた「ストロベリーフィールズメモリアル」だった。広場に埋め込まれた円形の石のモザイクの中心点にはIMAGINE(イマジン)と描かれている。(モザイクはイタリア・ナポリ市からの寄贈された)フィールズの名が示す通り、草原(フィールド)と記念碑が1万平米に渡って広がっていた。

 ストリートミュージシャンがギターを奏で歌っていたのは、レノンの代表曲「イマジン」で、何とベタな選曲と何だろう。余り上手くない演奏だが、曲を口ずさんでいる人もいて、私と同じでジョンレノンが多くの心の中で生きていることを感じる。

 その後広大なセントラルパークの一部を歩いてみた。公園の木立の向こうにビルが立ち並ぶ風景は、これぞニューヨークと感じさせるには充分なものだった。


 

5.ニューヨーク街歩き、Day&Night  その3

 予約してあったニューヨーク夜景ツアーは、タイムズスクエアからほど近いヒルトンミッドタウンを20時に出発となっていたので、その前に夕食を取らなければならなかった。

 18時にホテルを出て、グランドセントラル駅からメトロのシャトル線でタイムズスクエア駅まで1駅だけ乗車する。たった一駅間を行ったり来たりしている変わった路線だが、この区間はそれだけ乗客が多いという証だと思われる。

 この日の夕食は高級ステーキハウス「ルースズクリス」でハッピーアワーを楽しもうと決めていた。通常この店ではステーキとビールだけの注文でも$7〜80掛かるが、19時までに入店すれば一品$10以下のかなりお得な料金で利用出来るという。ただし座席はダイニングルームではなくバーコーナーと制限はあるのだが‥。

 店のドアを開け中に入り

「I’d like to enjoy Happy hour」

 と告げると、空いていた最後の1卓に案内された。同じことを考える人は多いのか、危うくこの店で夕食を取りはぐれるところだった。

 ホッとしながら、「ルースズクリスコスモカクテル」「牛ヒレのブロシェット(串焼き)」をオーダーする。共に$9というハッピーアワーらしいお得な価格だ。

 アルコール分高めなピンクのカクテルと日本ではレギュラーメニュー並みのボリュームの牛ヒレ串焼きを交互に味わう。串焼きにはテリヤキソースがかけられて、数日ぶりの醤油味を美味しくいただく。カクテルグラスもアメリカンサイズなのでほろ酔い気味になる。

 会計時ウエイター氏にチップ込みで$23支払う。この日はランチ&ディナーとも高級ステーキハウスで取ったにも関わらず、合計支払額が$50以下とは超リーズナブルだったな、と一人で満足感に浸った。

 日本から予約していたJTBアメリカ主催の「ニューヨークナイトツアー」は、定刻の20時にヒルトンミッドタウンを出発した。40代らしき男性日本人ドライバー兼ガイドNさん、私以外のゲストはメキシコ在住の親子三人連れ(母と姉弟)だけで、4人対1人の贅沢なツアーになった。

 「夜景ざんまい」と名付けられたこのツアーは、3ヶ所の夜景ポイントで下車し、美しいニューヨークの夜景を鑑賞するものだ。

 最初の場所は、クイーンズボロ橋でイースト川を渡り、クイーンズ地区にある新しい州立公園。ここはミッドタウンの対岸辺りにあり、川の水面越しにクライスラービル、エンパイアステートビル、国連ビルなどマンハッタンの夜景がとても美しい。ミッドタウンに手が届きそうでニューヨークの夜景としてよく紹介されている場所でもあるようだ。

 次に行ったのはブルックリンのダンボだ。ブルックリン橋のたもとから、ワンワールドトレードセンターなどのロウアーマンハッタンのビル夜景が本当に美しく見えた。私が夢中で写真を撮っていると、ツアー同行者の姉(中学生)弟(小学生)が美味しそうにアイスクリームを食べていた。彼らに聞くとダンボのアイスクリーム屋は美味しくて有名だそう。そう言われると食べようか迷ったが、程なく集合時間になったので諦めて車に戻った。

 ワゴンで移動中のガイドNさんの話は「ニューヨーク救急車事情」「病気と病院について」「ゴミ収集車」など面白く興味をそそるものだった。簡単に言うと救急車は有料で行先は支払い能力によって変わること、公的健康保険が無く医療費が高額なので民間医療保険加入は必須であること、ゴミ収集車が街を我が物顔で走り回るということ。

 最後の夜景はトンネルでハドソン川を抜け、ニュージャージー州ウィーホーケンの高台ハミルトン公園からだった。ここの夜景が最も素晴らしくて、アップタウンからロウアーまでマンハッタン全体を見通すことが出来た。この日ニューヨークは満月で丸く輝く月の光とマンハッタン夜景のコラボレーションは美しく強く心に残った。

 短時間で3ヶ所の美しい夜景を見られて本当に満足したツアーだったと思う。約3時間の夜景ツアー終着点は出発点と同じヒルトンミッドタウンだったが、ガイドのNさんより、

「遅い時間ですので、ホテルまで送ります」

という嬉しい一言があった。先に親子の宿泊しているホテル、次いで私のホテルへ送って貰う。Nさんに感謝を述べてワゴンを降りホテルへ戻る。今夜は美しいニューヨークの夢が見られそうな気分だった。

5.ニューヨーク街歩き、Day&Night その2

 

 マンハッタン島南端のバッテリーパークは、ウォール街の隣にあって、ニューヨークのシンボル「自由の女神」があるリバティ島へ向かう観光船の出発地としても有名だ。

 私も島へ渡り自由の女神を近くで見たいと思っていたが、観光船の発着場所には100メートルを超える行列が出来ていたので諦めることにした。

 後に聞いた話だが、かなり早朝から並ばないと短い待ち時間で船には乗れないそうだ。そこで自由の女神は公園からの遠くに見ることにして、何枚も写真を撮り見学終了とする。

 バッテリーパークから出て、すぐ近くにある「9.11テロ」で大きな被害を受けたワールドトレードセンター跡地に

行く。

 2001年9月11日朝、テロリストに乗っ取られたアメリカン航空機がワールドトレードセンターツインタワー北棟に、ユナイテッド航空機が南棟に相次いで衝突し、数十分後に崩落した。ツインタワー両棟や周辺ビルでの犠牲者は2700名超(うち警察・消防関係者が約400名、日本人は24名)という未曾有の大惨事というのは周知の事実だ。

 ツインタワーの跡地はナショナルセプテンバー11メモリアルとなっている。南北2棟のビルがあった場所は、テロを後世へ伝えるモニュメントとして中心部がプールのように水で満たされていた。その周囲の黒い石柵には犠牲者の氏名が彫られていた。南メモリアルの石柵に私と同名の日本人名が彫られているのを見付ける。恐らくビル内にあった日系大手金融機関の事務所で亡くなられたのだろう。合掌。

 北メモリアルの北隣には全米一の高さを誇るワンワールドトレードセンター(WTC1)が2014年に完成し、ニューヨーク一高い展望台は人気を博しているそうだ。私は翌日に別のビル展望台入場券を予約購入していたので、シルバーに光る超高層ビルを下から見上げるだけにした。

 フルトン街から地下鉄Jラインに乗り、イースト川を渡りブルックリン地区ウイリアムスバーグのメイシー通りで下車する。

 ここへ来たのは芸能界の肉キング寺門ジモン氏が世界一のステーキ店と激賞する「ピータールーガーステーキハウス」で昼食を取りたいと思ったからだった。超人気店なので夕食の予約を取るのはかなり難しいと聞いていたが、平日の昼ならば「ひょっとして」という期待があり行くことにした。煉瓦造のピータールーガーは駅の高架ホームからもすぐにそれと分かるくらい目立っていた。

 ピータールーガーステーキハウスは大きな建物のダイニング棟とは別に道路の反対側に仕込み用と思しき大きな建物もあった。ステーキを目当てに多くのお客が訪れることで商業的にも大成功を収めているようだ。

 大きな木の扉を開けて店内に入り、ハーフエプロン姿の体格良い中年ウエイターに入店したい旨を伝えると、短い待ち時間で席に案内された。ランチのピーク時間を過ぎた時間に来たのが良かったようだ。ダイニング内は高級店ながらもカジュアルな感じで、アメリカらしい実用本位で丈夫そうな木製テーブルには、メニューを兼ねた紙のランチョンマット敷かれていた。

 この店は28日熟成させたステーキが有名で、二人用Tボーン(ポーターハウス)ステーキ$102、一人用ステーキ$52という価格。予算の都合もあり、ルーガーバーガー($15)とスプライトを中年ウエイター氏に注文する。

 すぐにパンとスプライトが運ばれてきた。「えっ?ハンバーガーにパン?」と思ったが、ふっくらと焼かれたそのパンはとてもいい香りを放っていたのだ。一口食べてみると上質な小麦粉を使って焼かれているようで、驚くほど美味しい!私が今まで食べたパンの中でもかなり上位に入る。正直な話、美味しいパンがニューヨークで食べられるとは思わなかった。

 驚きはこれだけではなく、少し経って運ばれたルーガーバーガーが本当の衝撃を与えてくれた。

 バンズに半ポンド熟成肉パティと厚切り生オニオンだけという素っ気無い外観ながら、溢れる出る肉汁とナッツのような熟成香、旨味の濃い牛肉の美味しさは本当に凄いとしか言いようが無い!

 生オニオンが肉の味を決して邪魔しない脇役に徹しているようだ。特製ソースも見た目は只のカクテルソースだが、複雑な旨さや爽やかな香りに溢れていて、肉に付けると美味しさが増して食が進む。

 余談だがハワイや日本で大人気なウルフギャングステーキハウスを営むウルフギャング氏は、ここピータールーガーで働いてノウハウを学び独立したということだ。

 とても美味しく満足な昼食を食べ終え、チップ込みで$25をウエイター氏に払った。すると彼は会計終了の証として大きな金貨チョコレートを数枚テーブルに置いた。ちなみにこの店の支払いは現金のみで、カード社会のアメリカではとても珍しい。

 かつてはニューヨークの倉庫街だったブルックリンは、1990年代からアーティストが家賃の高額なマンハッタンから移り住んだ。それをきっかけにお洒落な店が増え、今では文化の発信地となっている。その中でもウイリアムスバーグは特に人気の高い街で、ピータールーガーはそこの南端にある。

 店を出てスマホ地図を頼りにメインストリートであるベッドフォード通りを北へ歩いて行く。マンハッタンより人通りが少なくて見上げるような高いビルもないので、晴れた青空の下で歩くのはとても気持ちが良かった。

 ここにはイギリスロンドンの住宅街みたいな半地下を持った煉瓦造りの低層住宅が並んでいて落ち着いた雰囲気を感じさせる。東京で例えると青山・代官山・恵比寿辺りではないだろうか。

 ベッドフォード通りから左へ折れて1本西側の通りを歩いて行くと、そこは少し違った雰囲気の奥渋谷か裏原宿みたいな場所があった。感じ良い店構えのバッグ店があったので入ってみる。店名は「バッグ(BAGGU)」という名前で、店名がローマ字で表記されていた。日本語の発音がブルックリンではお洒落に感じられているのかも知れない。この店で妻と娘へ土産のキャンバストートバッグを色違いで2点購入した。ここへ来ないと買えない商品なので、日本では稀少性があるかも。

 バッグ店から歩いてすぐの場所には、自動車修理工場風の外観を持った「ブルーボトルコーヒー」があって人生初めての入店をする。

 日本ではどこの店舗もいつでも混んでいて、入店は何度も諦めていたのでウイリアムスバーグでの初めては良い思い出になりそうだ。

 店舗奥のコーヒー豆焙煎作業場を見ながら、アイスニューオリンズ(チコリコーヒーオーレ)を美味しくいただいた。スタバほどコーヒー豆の焙煎が強くなく、端麗な味わいの美味しさだった。

 ゆっくりとコーヒーを飲み終わり、店を出てから1時間半位ウイリアムスバーグの街歩きを楽しんで、ベッドフォード通り駅からメトロ4号線とL線に乗って、グランドセントラル駅へ戻った。

 ブライアントパークのベンチで少し休み、脇のホールフーズで乾燥パスタやメープルシロップなどを買う。その後一旦ホテルへ戻り、浅めのバスタブにお湯を入れて、疲れた体をほぐした。

5 ニューヨーク街歩き、Day&Night  その1

 

 

 

 旅の4日目は20時に夜景ツアーの予約をしてあるだけなので、夕方までマイペースでニューヨーク街歩きを満喫しようと考えていた。

 ホテルを出て少し歩いて33番街駅で地下鉄メトロカードを$10で買い求め、6号線の地下鉄に乗り込んだ。

 ユニオンスクエア駅で降り、地上へ出るとスターバックスが目に入ったのでそこで朝食を取ることにする。

 ドリップコーヒーとヘーゼルチョコパイで$5と手頃な価格だった。注文の時に名前を聞かれたので下の名前を伝えるとあっさりと通じる。(私の苗字は珍しいので通じ難い)

 ナッツが香る温かいチョコパイとコーヒーは相性抜群で鉄板の組み合わせだと思う。美味い朝食をゆっくりと楽しんで店を出る。

 1902年に竣工したフラットアイアンビルは、当時のニューヨーク高層ビルの一つで三角形という特徴的な形をしている。北側の頂点部分で最も狭い場所は1m位と思われる。

 20世紀初めの鋼鉄の時代を表現したようなビルの外観は美しくてしばらく見ていても飽きが来ない。ビル脇の小さな広場には椅子とパラソルが出されていて人々の憩いの場所になっていた。有名なビルに因んで周辺をフラットアイアン地区と呼ぶこともあるそうだ。その広場から北の方にエンパイアステートビルが望める景色は、何ともニューヨークらしくとてもいい感じだった。

 フラットアイアンビルからチェルシーマーケットを目指して歩いていく。テレビ番組で面白そうな服屋を紹介していたので、そこへ行ってみたかったのだ(それは私の思い違いと分かる)。

 15分位歩いていくと赤い煉瓦が特徴のビルが見えた。それはかつて「ナビスコオレオ」を作っていた工場の跡を改修し、今は地区の代表的ランドマークになっているチェルシーマーケットのビルだった。

 中にはギフトショップやレストランなど数多くの店が入っている。そこで雑貨やキッチン用品の店を見て回ることにしてみた。ジェラート、カップケーキ、パン、ロブスター、ヌードルなど美味しそうなものが並んでいて心惹かれてしまう。ただランチには早い時間なので次回訪問時への楽しみとした。

 再びユニオンスクエアに戻り、人気のスーパー「トレーダージョーズ」に入ってみる。ドライフルーツ、ナッツ類、スパイスなどが豊富に揃えられていて、見て歩くのにとても楽しい店だった。歩くには荷物にならぬようスパイス類を少し買い求めた。

 ユニオンスクエア駅から地下鉄に乗って、ロウアーマンハッタンへ移動する。フルトン街で降りてウォール街中心部を目指して歩いて行くと、石造りで雰囲気の良い教会が目に付いた。内部に入るとステンドグラスの鮮やかな色彩に圧倒されてしまった。後で調べると「トリニティ教会」というニューヨーク最古のゴシック建築教会で、国指定歴史的建造物に指定されているとのことだった。

 トリニティ教会から少し歩いていと、スーツを着た人が徐々に増えてきたような感じがする。気が付くとウォール街の象徴NYSE(ニューヨーク証券取引所)の前に立っていた。歴史の教科書で見た世界金融の発信地となっている、重厚なギリシャ柱廊様式の建物前面には、ブラジルの新興航空会社上場を知らせるバナー(垂れ幕)が掲げられていた。

 ウォール街を歩いていて気になったのは、あちこちにフードトラックが数多く止まっていること。そこで販売されるフード類もアメリカ系、中南米系、アジア系、中東系など多国籍で、この街で働く人種や嗜好の多様性を物語っていると思う。忙しくて時間に追われるこの街で働くビジネスマンにとっては、そうしたフードトラックがオアシス的な存在なのだろうと感じた。

 

 

 

4 世界のクロスロードNEW YORK その3

  ニューヨークの夜

 

 グランドセントラル駅からニューヨーク観光にはマストのタイムズスクエアを目指して行く。

 5分位歩くと銀行の様な外観を持った市立図書館の前だった。隣りは都会のオアシスと感じるブライアントパークで、木々や芝生の緑は忙しい街の景色で疲れた目には癒しになるに違いない。

 公園前には人気のオーガニックスーパー「ホールフーズ」があって、後で買物に来ようと思う。

 

 世界のクロスロード(交差点)と言われるタイムズスクエアは、近づくにつれて物凄い人混みと光の洪水で溢れていることが分かる。

 巨大LEDモニターに映される鮮やかな映像、絶え間なく流れるインフォメーションボードなど光に埋め尽くされた風景は何度もテレビで見たが、実際の迫力には圧倒されてしまう。

 人をかき分けるようにして一角に設けられた赤い大階段(Ruby Red Stairs)に上って段に腰掛ける。斜め上から見る世界で最も明るい広場タイムズスクエアにしばらく時を忘れて見入ってしまった。

 煌めく光と都市の成分を充分にチャージし、元気になった後は夕食のレストランを探して歩いた。ブロードウェイからロックフェラーセンター、5番街方面へと回って、どこの店に入ろうか迷ってしまった。気付くとグランドセントラル駅に戻っていた。

 歩き疲れてしまったので、駅の地下にある有名レストラン「グランドセントラルオイスターバー本店」に入ることにする。

 この店は数多くの小説などに度々登場していたので一度は行ってみたいと思っていた。(数年前に東京丸の内の明治生命館地下にあった店には行ったことがあり、現在はあのウルフギャングステーキハウスになっている)

 店内のインテリアは連続するアーチ状天井と貝殻螺鈿飾りに伝統的な造形の美しさを感じた。丸の内にあった店は本店のインテリアを忠実に再現していたことが良く分かる。


 

 黒服に白いハーフエプロンというアメリカの典型的装いをした年配ウエイターに注文したのは、イングランドクラムチャダー、ブルーポイントの生牡蠣6個、ロブスターのパンフライ、オイスターバースタウト(オリジナルクラフト黒ビール)。

 クラムチャウダーは大きめのボウルにたっぷり注がれて、小さな丸いクラッカーが2袋添えられていた。クラッカーを入れてから口に運ぶと、クリーミーでとても美味しい。

 生牡蠣にはレモン、ワインビネガー、エシャロット微塵切り、カクテルソースが添えられていた。ブルーポイントは初めて食べたが思った以上に旨味が強いと感じる。レモンやワインビネガーを付けると美味しさが更に増したように思える。やはりこの店で生牡蠣は絶対に外せないと思った。

 ロブスターのパンフライはその名からソテーした料理を想像したが、運ばれたのはロブスターのクリーム煮で全く違っていた。ロブスターは好物で美味しいと思ったが、クラムチャウダーと大体同じ味付けなので途中で食べ飽きてしまったが完食した。

 食事を終えてクレジットカード伝票にチップ込み$65と記入すると、年配ウエイター氏は伝票の金額をチラっと見て、「Thank you. Have a good trip.」と言った。 おそらくチップ額に納得したのだろう。

 

 駅から外へ出ると、見上げたクライスラービルの尖塔部がライトアップされてキラキラと輝き、それが美しく心に残る光景だった。

 帰り道にホテル手前のスタバでデザートのカットフルーツとドリップコーヒーを買い求めて部屋で夜のティータイムと洒落込む。憧れの街ニューヨーク第一夜は満足して終わる。

4 世界のクロスロードNEW YORK その2

  ニューヨークの夕刻

 

 シカゴオヘア空港からニューヨークラガーディア空港までは、アメリカン航空(AA)374便で2時間少し。アメリカ国内線は手荷物を預ける手数料が$25掛かると聞いて、機内持込(Carry On)にした。

<オヘア空港の発着の多さにびっくり!>

 アメリカ国内線は比較的古い機体(ダグラスMD90など)が多く就航しているが、私の搭乗する便はボーイングB737−800という新しい機体だった。エコノミークラスは日本の国内線と同様でフルサービス航空会社でも飲み物が出るだけ。まあ$89(約10,000円)という低価格を考えれば、マイルが貯まりドリンクサービスがあるだけありがたいと思えた。

 AA374便は定時にタキシングを始め、2時間ほど順調に飛行して、定時少し前にラガーディア空港に到着した。

 初めて降りたラガーディア空港は大規模な改修中で、マンハッタンまで予約していたシェアライド(乗合ワゴン)の車がどこに止まっているか分からなくなってしまいました。30分位あちこち探し回り、何とか見付け出し、ホッとしつつ予約名を告げて乗り込むと、

「長い時間待っていたんだよ」

 ワゴンのドライバーは少し怒っていた。

「どこに止まっているか迷ってて‥」

私がそう言い席に着くと車はすぐに発車する。

 空港のあるクイーンズ地区は平日夕方の帰宅時とあってかなり渋滞していた。ドライバーは裏道を駆使しながら渋滞を回避していく。 

 空港を出てから40分位で、ようやくマンハッタンへ向かうイースト川に架かる橋を渡り始めた。

 映像でした見たことのないニューヨークの摩天楼が目の前に見えてきた。「本当にニューヨークに来た」そんな実感が急に湧いてきた。

 空港から1時間以上掛かって、ホテルのあるミッドタウン東の39丁目に着いた。降りぎわにチップを少し渡すと

「Thank you」

とドライバーは少し笑顔になった。

 「ザ・コート・ア・セント・ジャイルズ」(The Court A St.Giles)と長い名称のホテルは古いビルを改修したデザイナーホテルで、フロントロビーもお洒落な空間となっていた。8階にある私の部屋は広めで、窓から中庭越しに「エンパイアステートビル」が望むことが出来て嬉しくなった。

 寝やすそうなキングサイズベッド、お洒落な柔らかソファー、昔っぽい超浅めバスタブ、水栓が緩い水回り、居心地良いライティングデスク廻りなど、旧くてお洒落で何だかとてもニューヨークらしい部屋だと思う。

 ホテルはレキシントン街(アベニュー)と東39番通り(ストリート)の交差点という好立地にあり、3ブロックでクライスラービル、さらに1ブロックでグランドセントラル駅に行くことが出来る。

 じっとしているのが勿体ないと思って、荷物を解くとニューヨーク街歩きに出かけた。

 数分歩くとクライスラービルが綺麗に見えるポイントに立っていた。現在はクライスラー社所有では無いが、壁面タイルと縦長に並ぶ窓そして金属装飾された尖塔部が特徴の1920年代アールデコ時代の美しいビルだ。外観が無機質なカーテンウォールで仕上げられた現代のビルとはまるで温かみが違う。

 そこから歩いて2〜3分でグランドセントラル駅に。かつてニューヨークの玄関口で、アメリカ鉄道黄金期にはブロードウェイ特急や20世紀特急などの名列車が1日何本も発着していたんです。現在は郊外へ向かう鉄道の発着駅で多くの通勤通学客が乗降している様子が伺える。


<グランドセントラル駅のホール>

 駅構内にあるレストラン街はとても有名で、高級ステーキ店、シーフードレストラン、ファストフードなどバリエーションも豊かです。中に入ると今朝行ったシカゴユニオン駅より更に豪華な造りに目を奪われる。中でも中央ホールの雰囲気がとても華やかで、行き交う人も多く話し声と靴音がこだまする賑やかな空間となっていた。一通り見て回った後、外に出て駅の全容が見られる場所へ移動する。そこからの駅の背後に「メットライフビル(旧パンナムビル)が聳え立つ風景は、まさにニューヨークを代表する光景の一つだと感じました。

 映画ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)

を観てきました。とにかく、色々凄いとしか言いようがありませんでした。大学生の時に「オペラ座の夜」前夜のクイーン日本公演に行きました、そして日本、それも女性から人気に火が付いてワールドワイドに拡大していったんですよね。白いフリル付きの衣装を着て熱唱するフレディの姿は記憶にしかと残っています。

 

 キャスティングがハマりすぎ!

フレディ・マーキューリー役のラミ・マレックは、フレディになりきるために1年かけてピアノ、ヴォーカルを学び、ライブでの動きを徹底的に研究したと言います。

 ライブでの立ち方、足を伸ばし気味で歩く仕草、マイクの使い方などシンクロ率が半端ないんです。

 ブライアン・メイの知性ほとばしるギタープレイ、ジョン・ディーコンの穏やかな感じ、ロジャー・テイラーのイケメンなのにパワフルなドラムなど、そのまま本人が演じているような演技っぷりは凄すぎて!

 ストーリーはフレディの葛藤と苦悩が中心に描かれる10数年。流れる楽曲の歌詞が彼を代弁しているような気がしていて、徐々に鳥肌が立ってくるのを感じました。

 タイトルロール最後には、「Show Must Go On」が流れ思わずグッとなりました。

「カメ止め(見てないけど)」観るのもいいですが、是非ともご覧いただきたい作品だと激烈にリコメンドいたします!