6.ヤンキースタジアムでシナトラを その1
(ジョンレノンとストロベリーフィールズ)
ついに長い間憧れていた「ヤンキースタジアム」でゲームを見る日がやって来た。興奮していたためか、年齢からか分からないが、朝6時に目が覚めてしまった。試合開始は13時からなので、それまでの時間をどうやって有効に使おうか考えた。必ず行こうと思っていたのは、20世紀のスーパースター「ジョンレノン」がファンに命を奪われた高級アパートメント・ダコタハウスだった。
8時半頃ホテルを出て、朝食を食べようとグランドセントラルに行く。今日はスタバ以外の場所にしようと決めていた。レストラン街で開いている「シェイクシャック」に入る。ここは数年前から日本上陸が始まったグルメハンバーガーの有名店で、ブルーボトルコーヒー同様に初の入店だった。
昨日の昼に凄いハンバーガーを食べたこともありハンバーガー気分ではなかったので、大好物の「ホットドッグ」と「フレッシュオレンジジュース」($8)を注文した。
出来上がりを待ってカウンターでピックアップし席に着いてホットドッグの箱を開ける。ドッグパンにソーセージが縦に二つ割りされて入っているだけというシンプルさで、牛肉ソーセージの味がとてもよく分かって美味しい。トッピングにピクルスとマスタードと乗せると更に美味しくなった。フレッシュオレンジジュースは冷えたオレンジをジューサーで絞っただけで間違いなく美味しい!
メトロシャトル線でタイムズスクエアへ、3号線に乗り換えて72番街駅で下車する。
この駅の周りには気になるスーパーとアウトレットがあり、行くことを楽しみにしていた。
最初に行ったのは前面に果物などがディスプレイされた庶民的雰囲気もあるスーパーのフェアーウェイ(Fairway)。
店内を廻ってみると、アメリカらしい大容量ナッツ類やドライフルーツがお手頃価格で売られていた。少し考え素焼きアーモンドとドライクランベリーの1ポンド袋を買った。
次にトレーダージョーズ(Trader Joe’s)に入り、お洒落な容器のスパイスなどを買った。この店のエコバッグは日本で大人気らしく、帰国後に何人もの女性が肩掛けして歩いているのを見かけた。その時は全く知らずに、エコバッグを買うことはなかったが、正直少し後悔をしている。
最後にブルーミングデールズ・アウトレットに入る。有名なデパートのアウトレットで、服好きな息子へ某ブランドのTシャツを土産に買い求めた。
ジョンレノン終焉の地、ダコタハウスは72丁目から歩いて10分くらいのところにあった。前を通ると高級アパートメントらしく、入口にホテルの様なセキュリティが立っていた。建物にはレノンに関する特別なモニュメントは無かった。セレブの住むアパートメントなので考えてみれば当然のことだろう。
ダコタハウスの全体を見るために道路を渡ると、そこがセントラルパークの入口の一つだった。建物全体を写真に収め、公園を少し歩いて行くと人が集まっている一角があった。そこからギターの音色と歌声が聞こえてきた。そこは妻のオノヨーコが造園費用を負担して1985年に造られた「ストロベリーフィールズメモリアル」だった。広場に埋め込まれた円形の石のモザイクの中心点にはIMAGINE(イマジン)と描かれている。(モザイクはイタリア・ナポリ市からの寄贈された)フィールズの名が示す通り、草原(フィールド)と記念碑が1万平米に渡って広がっていた。
ストリートミュージシャンがギターを奏で歌っていたのは、レノンの代表曲「イマジン」で、何とベタな選曲と何だろう。余り上手くない演奏だが、曲を口ずさんでいる人もいて、私と同じでジョンレノンが多くの心の中で生きていることを感じる。
その後広大なセントラルパークの一部を歩いてみた。公園の木立の向こうにビルが立ち並ぶ風景は、これぞニューヨークと感じさせるには充分なものだった。