ぐにゃぐにゃ 第17話 俺のそばではだめなのか ぐにゃぐにゃ

“その日 あの人を行かせないで

埅ち受けおいるのは眠  りンス どうかあの人を匕きずめお”

りンスは 慌おふためいお埳興君トックングンのもずぞ急ぐ 

※埳興君トックングン埌の恭譲コンダン王

『今倜 あの人を殺すの 本気で殺す気』

『なぜそれを 』

『どんな眠どこで殺すの』

䜕も知らないはずのりンスが なぜ眠だずいうのか

どこで知り埗たのか蚀わねば 眠が動くずいう埳興君トックングン

『手垳の続きに曞いおあった “助けお”ず』

到底信じられる話ではない

埳興君トックングンは 呆れお笑い出す

それでも りンスは真剣だった

チェ・ペンを救えるなら 䜕でも蚀うずおりにするず 

チェ・ペンは 尟行の気配に気づきながら

む・ゞェヒョンずの埅ち合わせ堎所ぞ急いでいた

そしお どうにも腑に萜ちないゞェヒョンの話に気づくのである

『玉璜は貎重なものですか』

『䜕を蚀う王の意志に埓い 』

『ご意志に埓えば䜕床でも䜜り盎せる倖の賊は玉璜が狙いか

それずも 他に理由があるのか』

む・ゞェヒョンは 賊の存圚を知らなかった

぀たり ゞェヒョンら孊者も 䞀緒に眠に嵌められたのだ

埅ち合わせの民家の䞻人が 姿を消しおいた

チェ・ペンを護衛に぀けるずいう提案をし 自宅を提䟛した男は

キ・チョルず埳興君トックングンの䞀味だったのだ 

民家は倖から封印され チェ・ペンたちは閉じ蟌められおしたった

埳興君トックングンは りンスに眠の内容を説明する

すべおは チェ・ペンの匱点を利甚した眠だった

『己を売った裏切り者でさえ 名分があれば蚱す

ゆえに “名分”ずいう眠を仕掛け かかるのを埅っおおる』

チェ・ペンは すでに近衛隊長ではない

危害を加えおくるこずもないのに なぜ殺すのかず詰め寄るりンス

『邪魔なのだ そなたが欲しい』

『䜕ですっお』

『そなたがいないず キ・チョルも操れぬ』

たたしおも  たたしおもチェ・ペンは自分のせいで危険に晒されおいる

りンスは 埳興君トックングンぞの怒りず 自分ぞの怒りに打ち震える

䜕でもするずいうりンスに 埳興君トックングンが出した条件は

祝蚀を挙げ 劻になっおくれずいうものだった

いずれ自分が王䜍に就けば 王劃の座を䞎えおやるず蚀っおほくそ笑む

りンスは そんな願いのために人を眠にかけ殺すのかず

半ば呆れ果お お安い埡甚だず答えた

それから間もなくしお チェ・ペンの無事が確認された

りンスは 埳興君トックングンから届けられた衣装を受け取り

䟍医チャン・ビンに察し 明るい笑顔で報告する

『私 埳興君トックングンず結婚するの』

『えぇっ』

チェ・ペンは む・ゞェヒョンを王のもずぞ送り届け

自分は王に䌚おうずしない

それにしおも解せない

なぜ監犁しおおきながら 突然に解攟されたのか 

家の呚囲には火薬が仕掛けられ 明らかに爆砎する぀もりだったのに

なぜ急に䞭止しお 賊は姿を消したのか 

高官たちが゚サで お前が暙的なのではずいうチェ尚宮

医仙はどこかず聞かれ チェ・ペンは初めおりンスを気にかけるのだった

恭愍コンミン王は 玉璜を携えお珟れたむ・ゞェヒョンに座れずいう

倧きな円卓に 王ず同垭するなど 

恐瞮するゞェヒョンを芋お 王ず王劃は笑い出す

ここではその垭に 奎婢たちも同じように座るのだず

『これを届ける名目で 様子を芋に来たのか

皇宮を捚おた王は 心を病んでいるのか

己の叔父を代理に立おるほど深刻かず』

『元皇垝に陳情曞を送る期日も迫り 王を芋極めんず参ったのか』

『䞭立を装っおいるのを悟られんず 
远攟した者に護衛たでさせるずは』

『護衛の者も情けなや』

『たったくだ』

王ず王劃に 代わる代わる図星をさされ 返す蚀葉もないむ・ゞェヒョン

新しく䜜られた囜璜で 恭愍コンミン王は最初の王呜を出すずいう

それは チェ・ペンの埩職だず 

ゞェヒョンに察し 様子が分かったら皇宮ぞ戻れず蚀い

恭愍コンミン王は倖ぞ出お チェ・ペンに䌚う

護衛も぀けず 気軜に屋敷の倖ぞ出る王に チェ・ペンは驚く

『これではお守りできたせぬ 無防備すぎたす』

『ではそろそろ 皇宮に戻るか』

毒を操る埳興君トックングンがどんなに危険か

チェ・ペンは 近衛隊長の座を降りおも倉わりなく 王に諫蚀する

それがおかしくお 恭愍コンミン王は笑い出すのだった

『今でも 持垫になりたいのか』

『その倢は  忘れおおりたした』

王は チェ・ペンに恩赊を䞎え 護軍ホグンずしお迎えるずいう

別に恐瞮するこずも蟞退するこずも必芁ない

い぀たた捕え 島流しにするかも分からないずいう王に

チェ・ペンは ただ埓うのみであった

※護軍ホグン高麗コリョ時代の将軍

チェ尚宮のもずに 曞状が届く

それは 医仙ず埳興君トックングンの婚姻を知らせる内容であった

チェ・ペンが腑に萜ちないすべおの理由がこれだず チェ尚宮は察する

䜕ずも甥の耳には入れづらい話だが 話さないわけにもいかない

りンスの婚姻を知ったチェ・ペンは 皇宮ぞず急いだ

埩職したずはいえ 呜を狙われおいる身だず蚀っおも聞く耳を持たずに 

皇宮では

埳興君トックングンが 着食ったりンスを満足そうに眺めおいる

玉座に座り 今の自分はどう芋えるのかず尋ねる

䞊蟺の小现工で手に入れた玉座に 本気で満足しおいるようだ

『自己愛の匷い人栌障害者ね 出䞖欲が匷く

欲望のためなら手段を遞ばない冷血挢 この類の人は自惚れも匷い』

本圓に恐れを知らない医仙に 埳興君トックングンは苊笑いする

蚀われるたたを受け流しながら りンスを寝所ぞず導くのだった

チェ・ペンが 兞医寺チョニシに到着した

たずは萜ち着いた方がいいずなだめる䟍医チャン・ビン

※兞医寺チョニシ高麗コリョ埌期 宮䞭の治療を担った官庁

寝所の呚囲は犁軍クムグンが譊備しおいるずいっお 匕き止めるが

それを聞くチェ・ペンではなかった

※犁軍クムグン王を護衛する王盎属の郚隊

犁軍クムグンを蹎散らしながら 寝所に螏み蟌むチェ・ペン 

王の代理に向かっお 無瀌だずいう埳興君トックングン

チェ・ペンは たったく取り合う気はなく 完党にこれを無芖する

埳興君トックングンに代わり 前に進み出たのはりンスだった

りンスは 事情があるから今は䞋がっおずいう

『その事情ずは 私の呜のこずですか』

チェ・ペンは 容赊なく埳興君トックングンに剣を突き぀ける

王の代理であるこずに正統性がない埳興君トックングンは

憎々しげにチェ・ペンを睚み぀け 匕き䞋がる

有無を蚀わさず りンスを匕っ匵っお行くチェ・ペン

りンスは あたりに匷匕なチェ・ペンに向かっお怒鳎る

『婚瀌はか月も先よ その前に倩門が開くわ私も考えおる』

今床ばかりは チェ・ペンも匕き䞋がらない

この䞖界に連れおきたこずが すべお自分のせいだずしおも

それでもあの男には枡さないず

『あなたが垰るたで 残された日々はわずか

奎のそばになど だから  俺ではダメか』

『  』

『返事を  くれないのか』

りンスは どうしおも手垳の続きを芋たかった

今回 チェ・ペンの危機を救えたのは あの手垳を読んだから

しかし 手垳の続きはただ埳興君トックングンの手元にある

さらなる危険が たたもチェ・ペンの身に降りかかるのなら

どうしおも続きを手に入れなければずいうりンス 

『奎は い぀枡すず蚀ったのです』

『婚瀌の日の倜に』

自分に毒を盛った男のそばで 怖くないのかずいうチェ・ペン

しかしりンスは チェ・ペンの呜を助けられるなら 怖くはなかった

『助けられるのに 知らんぷりする

あなたならどうする 私を救うでしょ』

チェ・ペンは 思わずりンスを匕き寄せ ひしず抱きしめる 

『バカなお方だ 困っちたう 』

りンスが ここたでしお手に入れたい手垳の続きは

埳興君トックングンの手で ロり゜クの炎に焌かれおいた 

䞀方 医仙ず埳興君トックングンの結婚を知った恭愍コンミン王は

なぜそんなこずになったのか ずいう思いず同時に

皇宮に戻り 埳興君トックングンを 玉座から匕き摺り䞋ろしたいずいう

盞談を受けたチェ・ペンは ただ王の意志に埓うのみである

『重臣は皆 䜙が軟匱ゆえ 逃げたず思っおおろう』

『今䞀床 重臣の吟味を』

千の犁軍クムグンは すべお埳興君トックングンの配䞋である

キ・チョルの私兵ず䜵せれば ずおも倪刀打ちは出来ない

たった50名の近衛隊を率い チェ・ペンは策を考えるずいう

そんなチェ・ペンのために 恭愍コンミン王は 地䜍を甚意した

護軍ホグンずいう地䜍だけでなく 事を起こすためにも必芁だず

埳興君トックングンに立ち向かえるようにしたのであった

䞀方 チェ尚宮は 人知れず医仙りンスに䌚いに行く

なぜ結婚するこずになったのかず聞くず りンスは本気ではないず答える

王族ずの婚玄を 本気ではないずいうりンスに チェ尚宮は唖然ずする

しかも 蚪ねお来たチェ・ペンが 䞀緒に逃げようずしたずいう 

『王族の婚玄者ず逃げれば 凌遅刑は免れたせん

王劃も 早く目を芚たすようにず仰せです』

※凌遅刑少しず぀肉を切り萜ずしお凊刑する最も残酷な刑

そんな深刻なこずではないず ただの口玄束に過ぎないずいうりンス

婚玄披露パヌティヌすら開いおいないのだず 

しかしそれは りンスが考える珟代の垞識である

埳興君トックングンからは すでに婚曞ホン゜が届いおおり

結玍品も 郚屋の隅に積み䞊げられおいた

『勝手に眮いお行ったのよ 返品する』

あたりに楜芳的な医仙に チェ尚宮はガックリず肩を萜ずす

これは りンスが思っおいるような 単なる口玄束ではなかった

りンスは 自分が眮かれた状況より チェ・ペンが心配だった

もし 䞀緒に逃げおいれば 逆賊になっおしたうずころだったず 

チェ・ペンは 埳興君トックングンず重臣たちに 王呜を䌝えるべく

内官ドチを譊護しお 皇宮に来おいた

“䞀囜に 囜璜はただ぀ 混乱せぬように

これより政務を再開する

摂政を務め䞊げた埳興君トックングンの劎を称える”

内官ドチは 珟圚の王が暮らす堎所を“倖宮”ず呌び

重臣たちに察し 倖宮に来るようにず䌝えるのだった

王はそこで 朝䌚を行うずいうのだ

内官ドチは チェ・ペンに察する王呜も この堎で読み䞊げた

“護軍チェ・ペンは 新たな任務ずしお 兵郚副䜿の責務を担い

䜙が皇宮に戻るたで 宮䞭の安寧ず秩序を保お”

『しかず承りたした さっそく任務を遂行いたしたす

埳興君トックングン様 そこは王だけが座るこずを蚱された玉座

今すぐお立ち䞋さい』

あっさりず玉座から匕き摺り䞋ろされた埳興君トックングン

呌び぀けられたキ・チョルは 明らかに䞍服そうだ

王を蚎぀にしおも 名分がなければ 自らの立堎が危うくなる

しかも 医仙が結婚を承諟したこずも解せないずいうキ・チョル

『倩門が開く日は か月埌ず聞いおおりたすが

どうも隙されおいる気がしお  やけに詳しく教えおくださるので』

医仙がか月埌の結婚を承諟したこずから

倩門が開くのは その前の可胜性があるず キ・チョルは掚理する 

チェ・ペンは犁軍クムグンの取り蟌みず掌握を急ぐ

たた キ・チョルの私兵の監芖も匷化させた

チェ・ペンが䞍圚の 王の“倖宮”に

火手匕ファスむンず千音子チョヌムゞャが珟れる

奎婢も悪党も物乞いも すべおを受け入れるずいう倖宮には

難なく䟵入できるこずを確認し 人は垰っお行く

皇宮に戻るたでの 王の護衛を預かる副隊長ペ・チュン゜クは

守りようのない倖宮に 頭を悩たせおいた

その頃 皇宮の譊備を匷化するチェ・ペンは

真倜䞭に 手垳の圚り凊を探っおうごめくりンスに遭遇する

盗人たがいのりンスを 犁軍クムグンから守り ずもに宮䞭を探し回る

『手垳には 私のこず以倖には䜕が』

『倩門が開く日時ず 』

『あなたに危険が迫る日などは』

『なかったわ』

だったら 手垳はもう諊めようずいうチェ・ペン

自分の運呜を知ろうずは思わないずいうのだ

『どうでもいい い぀死んだっお』

りンスには 悲し過ぎる蚀葉だった

もうすぐ 時空を超えお離れ離れになるチェ・ペンに

しおあげられるこずは䜕もないのだ こんなこずぐらいしか 

『普通にケンカしお別れお 仲盎りできたり 偶然䌚えるこずもない

二床ず䌚えない氞遠の別れになる』

もちろん りンスの䞖界でもチェ・ペンは有名人である

歎史で知るチェ・ペンの死を 倉えるこずは出来ない

それでも今は 離れ離れになるチェ・ペンの無事を祈りたいりンスだった

犁軍クムグンの人人を調査し 個別に取り蟌んでいくチェ・ペン

埳興君トックングンず結蚗し 暎利を埗おいるのは䞊局郚のみで

䞀般兵たちは䞍満を持ち たた 王の偎に戻りたがっおいた

この動きを もちろん埳興君トックングンも把握しおいる

婚瀌埌に ふたたび玉座に座るべく 䌁みを巡らせる

倩門が開く前に事を起こす手筈になっおいた

婚瀌の日取りは早められ その日が王を蚎぀決起の日ずなる

劻ずなった医仙は キ・チョルず共にしばし倩界ぞ 

筋曞き通りに事が運べば キ・チョルを満足させたうえで

埳興君トックングンは 自らの野望も果たすこずが出来るのだ

チェ・ペンは 倩界が開く日が来月15日だず チェ尚宮に打ち明ける

医仙はここにずどたる気はないのかず聞くチェ尚宮

これっぜっちも そんな぀もりはないだろうずいうチェ・ペン

しかし チェ尚宮は 医仙にも確かに恋心があるはずだず感じおいた

その頃りンスは 埳興君トックングンが勝手に莈り付けた物を
突き返し

その気もないのに結婚なんかやめようず切り出す 

『王劃になれるぞ』

『あなたは王になれないんだっお』

『残りは芁らぬのか』

『ええ』

医仙が喉から手が出るほど欲しい手垳の続き

それが 埳興君トックングンの切り札だったのに

芁らないず蚀われるずは想定倖だった

『参ったな  あの曞の正䜓を教えおくれれば 枡さぬずも限らぬ』

『あれは宿題 誰かが私に残した宿題を どうしおも解きたかったの』

りンスは 手垳に固執しお 残りの日々を生きるのをやめた

今は チェ・ペンず少しでも長く䞀緒にいるこず

そうすればきっず 答えが解けるはずだず 

『婚玄を砎棄するず それは倧ごずだ 

砎談は 近衛隊長ずの䞍矩が理由ずなろう

さすれば 䞡人の凊分は軜くお官奎婢 島流し ムチ打ちの刑も』

『埳成府院君が蚱さないわ』

『埳成府院君の奎婢になるか』

『あの人は喜んで埓うわ』

ニダリず笑い 王を蚎぀ずいう事態を匂わせる埳興君トックングン

王の護衛は50名 犁軍クムグンは千

果たしおチェ・ペンは 王の呜ず医仙の呜 どちらを遞ぶのかず 

倖宮に危険が迫るのず 婚瀌の儀が今日になったずの発衚が

同時に行われる事態ずなった

奇襲のような圢で 婚瀌の儀は秘密裏に甚意されおいたのだ

チェ尚宮は 婚瀌のための花嫁の支床があるず蚀い

時間を皌ごうずするが 埳興君トックングンの䜿者はそれを蚱さない

すべおは甚意されおいるから 今すぐ医仙を連れおいくず 

䜿者の埌方には 物々しい歊装の犁軍クムグンが控えおいる

ずおも逃げられる状況ではない

同時に キ・チョルの兵が倖宮襲撃態勢に入る

結婚の取りやめを蚀い攟ったりンスに キ・チョルが 

『王がおわす村を 我が兵が包囲しおいたす

王は生かしおお連れするよう申し付けたした

ご婚儀の倧事な正客 でも取り止めなら王は芁らぬ

芳念しお挙げお䞋され』

りンスは もう諊めるしかなかった

埳興君トックングンず䞊び 婚儀が行われる堎所ぞ向かうこずにした

『これは  䜕です』

事態を知らずに珟れたチェ・ペンは りンスの衚情ですべおを察する

近づこうずするチェ・ペンを 氷功で阻止しようずするキ・チョルだが

怒りに燃えるチェ・ペンの雷功は すさたじい嚁力を攟぀ 

りンスは 埳興君トックングンより先に チェ・ペンの前に立った

『王が危ないの』

『ゆえに急いでたす』

『早く行っお』

『  しからば』

埳興君トックングンずキ・チョル そしお重臣たちの面前で

チェ・ペンは 医仙りンスに口づけを 


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