‐ 本ブログは 韓国ドラマ『六龍が飛ぶ』のあらすじを
解説を交えながら 「完全ネタバレ」形式で描いています
あらすじだけ読みたい方は 虫めがね印の解説部分を無視してお読みください -

 

ナイフ 六龍が飛ぶ 9話 ナイフ

『安辺策(アンピョンチェク)は 洪仁訪(ホン・インバン)が通すだろう
ヨニ 私は… イ・ウンチャンを殺した犬畜生と手を組むぞ!』
『乱世なのです もう過去を振り返りませんように』

(ウンチャン いよいよ始まるぞ! どうか最後まで見守っていてくれ…!)

鄭道傳(チョン・ドジョン)とヨニは それぞれの場所へ帰って行く
ヨニは 暗闇の山道を更に進み 黒衣をまとう人物のもとへ…!

『ご報告いたします』
『久しぶりだな チャイルセク』

そう このヨニこそが 黒諜チャイルセクであった…!
黒衣の人物は 花事団(ファサダン)の大房(テバン)草英(チョヨン)
黒諜チャイルセクが 知財商人としての英祖(チョヨン)を支えていたのだ

『安辺策(アンピョンチェク)? こんなふざけた策が通るものか!
都堂(トダン)の宰枢(チェヂュ)は120人 鄭夢周(チョン・モンジュ)派が10人
崔瑩(チェ・ヨン)派が10人 純真な士大夫の官僚は数人であろう
李仁謙(イ・インギョム)が生きている限り 決して有り得ない!』

※宰枢(チェヂュ):都堂(トダン)に参加できる最高位層
※士大夫(サデブ):科挙官僚・地主・文人の三者を兼ね備えた者

草英(チョヨン)の言葉に何の反応もせず 立ち去ろうとするチャイルセク
すると草英(チョヨン)が…

『鄭道傳(チョン・ドジョン)について何か知らないか?』 
『……お調べしましょうか?』
『そうね 調べてみて』

草英(チョヨン)と別れたヨニは 主に気取られなかったかと不安になる

(我が主に背いてまで… あなたに賭けたのです
必ず成し遂げてください! 三峰(サムボン)…)

同じ時 鄭道傳(チョン・ドジョン)は
縄で縛られ 村人たちに取り囲まれ尋問されていた!
イソ郡の村人たちが隠れている洞窟に入り込み 眠っていたのだが…

『正直に答えろ! 知り合いと言うなら…プニ大将に兄さんはいるか!』
『いる!間違いない!8年前…9年前だったか プニが開京(ケギョン)で…
兄さんと来て母親のことを聞いたんだ!』
『じゃあ兄さんの名は!』

その名前が なかなか思い出せない道傳(ドジョン)
そしてようやく“タンセ”という名前を思い出し… 命拾いするのだった

一方 洪仁訪(ホン・インバン)は
本当に鄭道傳(チョン・ドジョン)を信じていいものかどうか… 考えていた
道傳(ドジョン)の策とは 実に意外なものだった

まず2つの勢力について
李仁謙(イ・インギョム) 吉太味(キル・テミ) 洪仁訪(ホン・インバン)の勢力
そしてもうひとつの勢力 崔瑩(チェ・ヨン) 李成桂(イ・ソンゲ)
この5人の組み合わせを変えてみたらどうなるか… というのだ

『李仁謙(イ・インギョム)と崔瑩(チェ・ヨン)を ひとつの勢力として
師兄と吉太味(キル・テミ) 李成桂(イ・ソンゲ)将軍が組んだらどうなりますか?』

『有り得ない! 李成桂(イ・ソンゲ)が味方になるわけがない!』
『だからこそ!将軍の安辺策(アンピョンチェク)を通すのです!
そうすれば 将軍の兵力が師兄の勢力下になります』

虫めがね 安辺策(アンピョンチェク)とは
李成桂(イ・ソンゲ)が治める辺境の咸州(ハムジュ)周辺は“東北面”とされる
この地域は女真族と倭寇が頻繁に現れ 国境を脅かしている
この“東北面”を徹底的に整備することで 国の安寧が保障されるという策が
まさに安辺策(アンピョンチェク)なのである
この策を都堂(トダン)で通すことで 李成桂(イ・ソンゲ)の勢力が強化され
“新たな国創り”のための足固めとなる
これこそが 鄭道傳(チョン・ドジョン)の巧妙な策であった 虫めがね

都堂(トダン)に“安辺策(アンピョンチェク)”が上奏され 紛糾する
李成桂(イ・ソンゲ)将軍は 国境を守る頼もしい存在ではあるが
その勢力は 中央にとっては脅威でもあるのだ
今現在でもそうなのに 更に整備して強化するということは
脅威を更に大きくするということに他ならない

 

『ならば東北面だけでなく 他の辺境も強化すべきだ!』
『そうだ! 東北面だけ守れば高麗(コリョ)が安泰だとでも?!』

この日の都堂(トダン)では 紛糾するばかりで何も決められず
洪仁訪(ホン・インバン)は やはり安辺策(アンピョンチェク)は無理だと考える
そして 何とも不愉快な思いをさせたとして 桃花殿(トファジョン)を訪れ謝罪する

※桃花殿(トファジョン):李仁謙(イ・インギョム)の屋敷

屋敷に戻ると 騒ぎが怒っていた
崔瑩(チェ・ヨン)が兵を率いて現れ 家宅捜索しているのだ…!

『開墾した土地を国庫に帰属せず そなたの従者の名義になっている!
関係者をすべて捕え 全容を明らかにするから覚悟せよ!』
『……』
『まさかそなたも… 関与しているのではあるまいな?』

荒らされた屋敷の前に茫然と佇み
仁訪(インバン)は 鄭道傳(チョン・ドジョン)の言葉を思い返す

「李仁謙(イ・インギョム)!!! 崔瑩(チェ・ヨン)!!!
あの2人を…必ず奴らを倒してみせる!!!」

イソ郡の村人たちが隠れ住む洞窟では
鄭道傳(チョン・ドジョン)が 村人たちの報告を受けていた
仁訪(インバン)の悪事の情報を 崔瑩(チェ・ヨン)に流したのは村人たちだった

『これで洪仁訪(ホン・インバン)は 罠にかかりました』
『罠… ですか?』

事態を知って 仁訪(インバン)のもとへ吉太味(キル・テミ)が駆け付けた
吉太味(キル・テミ)に促され 桃花殿(トファジョン)へ向かう…!
2人の報告を受け 李仁謙(イ・インギョム)が崔瑩(チェ・ヨン)に抗議する!

『本当に洪仁訪(ホン・インバン)が信じられると?
吉太味(キル・テミ)は日和見だからどうにでもなるが あの男は違う!
二枚舌で吉太味(キル・テミ)を味方にし 禹学朱(ウ・ハクチュ)を懐柔する筈
あの洪仁訪(ホン・インバン)は 都堂(トダン)に入れてはならなかったのだ!』

『なぜそんなに洪仁訪(ホン・インバン)が気に入らないのですか?』

『乙卯年 あの男を捕え尋問した時
自分の全てを否定し反省するまで 一刻もかからなかった
この機会に あの男だけは追い出すべきです!!!』

李仁謙(イ・インギョム)は 崔瑩(チェ・ヨン)の真意をはかりかねていた
するとそこへ 再び洪仁訪(ホン・インバン)と吉太味(キル・テミ)が来訪する
しかし仁謙(インギョム)は2人に会おうとはしなかった
さっきまで崔瑩(チェ・ヨン)に会っていのだと知り…
仁訪(インバン)の心境が 徐々に変化していく

適龍(チョンリョン)和尚は
突然仁訪(インバン)から 咸州(ハムジュ)に行ってくれと言われ
あの李成桂(イ・ソンゲ)将軍が味方になるわけがない!という

『だから調べて来て欲しいのです 本当に協力する気があるのかどうか
あるとしたら 安辺策(アンピョンチェク)を通すだけでいいのかどうか…
とにかく将軍の真意を確かめて来て下さい』

この行動もまた 道傳(ドジョン)の筋書き通りであった
不安と猜疑心でいっぱいの仁訪(インバン)が どう行動するのか

『“謀事在人 成事在天”という言葉がある
諸葛亮は完璧な策を講じたが 突然の暴雨で司馬懿を逃がした』
『ええ その雨は“天雨”と呼ばれています』
『これから何が起きるか分からぬ ただすべきことをするまで』

※謀事在人成事在天:事を起こすのは人だが 成せるかどうかは天が決める

話し相手になっているのは チャイルセクのヨニだ
道傳(ドジョン)の依頼で 今度は開京(ケギョン)に行き
高名な講唱師(カンチャンサ)に会うという
その講唱師(カンチャンサ)こそがタンセであると ヨニは知る由も無い

※講唱師(カンチャンサ):専門的な噺家 芸能人

タンセは カップンと行動を共にしていた
とても高価そうな金の指輪を持って来たカップンに
『盗みは良くない』と言いつつ『よくやった!』と頭を撫でる

『エヘヘ… でも盗んだんじゃないよ ある金持ちの奥様がくれた
“白允(ペク・ユン)を殺したのは洪仁訪(ホン・インバン)と吉太味(キル・テミ)だ”
公演でそう広めてくれたら 指輪をあと5個くれるって!』
『何?』
『でも 本当に殺したのは兄さんなのに… 知らないのかな』
『その奥様とやらは?』
『実は 兄さんに会いたいと言ってるの』

ひと気のない草原のど真ん中
カップンに聞いた場所へ行くと 1台の輿が停まっていた
輿の窓から顔を出し 1通の書簡が渡される

『そこに書いている通りに広めてちょうだい
私の耳に噂が届いたら 指輪をもう5個あげる』
『……』
『3日で噂が届けば 更に2倍払うから なるべく早く…』

互いに顔を見合わせた
最初にタンセが気づいて もう報酬の内容が耳に入ってこない
ヨニもまた 悲し気に驚くタンセの顔に 昔の記憶が蘇ったのだ

『ヨニ…』
『…… だから最善を尽くして… 早ければ早い程… 報酬を…』
『ヨニ…!』
『……もう話は終わりよ 輿を出して!』

草原にポツンとひとり取り残されたタンセ
昔の記憶が あとからあとから蘇る
たまらず輿の後を追うタンセ!
しかし… 既に輿の中はもぬけの殻であった
絶望して立ち尽くしていると そこへヨニが現れる…!

『お久しぶりね』
『ああ 久しぶりだ』

何事も無く ただ幼馴染が再開したような挨拶を交わす2人
互いに途方も無く驚いたが 懐かしさの方が勝ったようだ

『流れ流れて生きていれば いつか会えるだろうと思ってた』
『ああ そうだな 元気そうで… よかった』

笑顔を浮かべ饒舌に話すヨニにつられ タンセの緊張が解けていく

『きっとこれからも会うことがあると思うけど… 知らんぷりしてほしい』
『……』
『流れ流れて会った2人だもの また流れ流れて行きましょう』
『ああ そうだな そうしよう』

去って行くヨニの目に… そして見送るタンセの目にも… 涙が流れた
過酷な人生をおくってきた2人には それぞれの思いがある
今もまだ 互いに過酷な人生の途中にいるのだ
ヨニの言葉が心に染みた

「流れ流れて会った2人だもの また流れ流れて行きましょう」

カップンが タンセの帰りを心待ちにしていた
交渉が成立したら途方もない報酬にありつけるのだ

『兄さん… 泣いたの?』
『俺が? 泣くかよ!』
『泣いたね あの話を聞いたから?』
『あの話って?』

カップンによれば イソ郡の荒れ地の開墾がバレて大騒ぎになっているのだという
その村の管轄の監営(カミョン)が放火され 死者やケガ人が多く出たと…!
証拠隠滅を図った洪仁訪(ホン・インバン)の仕業だろうと…!

※監営:地方を管轄するための役所

一方 無恤(ムヒュル)は
槍係に嫌気がさし申し出ると 今度は馬の世話係にされてしまう
槍ならまだ武器だが 馬の世話ではどうしようもない
文句ばかりの無恤(ムヒュル)に 辟易する趙英珪(チョ・ヨンギュ)

『若様の命を救った男がなんで馬の糞を片付けるんだ?』
『いいか? 咸州(ハムジュ)では人脈で地位を決めたりはしないのだ!
出世したかったら手柄を立てろよ手柄を!』
『馬の糞でどうやって手柄を立てるんだ!!!』

無恤(ムヒュル)に手を焼く英珪(ヨンギュ)の視界に 驚くべき人物の姿が映る
批国(ピグク)寺の適龍(チョンリョン)和尚が 堂々と歩いているのだ…!

適龍(チョンリョン)和尚は
『安辺策(アンピョンチェク)について話があるから将軍に会いたい』と
正面切って李成桂(イ・ソンゲ)への面会を申し出たのだ…!

安辺策(アンピョンチェク)は極秘事項であり まだ決定事項でもない
なぜ適龍(チョンリョン)和尚が知っているのか…! 側近たちが慌てふためく
李之蘭(イ・ジラン)が判断し 取り次ぐことに…

適龍(チョンリョン)和尚によれば 李成桂(イ・ソンゲ)将軍の発案として
既に三峰(サムボン)を通して上奏され 都堂(トダン)で論議中であるという
まだ心を決めかねているというのに 上奏されたとはどういうことか!
すぐに李信積(イ・シンジョジク)が呼び出されたが…

『確かに将軍の押印がされていました
三峰(サムボン)はそれを持って開京(ケギョン)に向かったのです!
夜のうちに芳遠(バンウォン)が…』
『芳遠(バンウォン)だと?!!!』

芳遠(バンウォン)から受け取ったと口にした瞬間
信積(シンジョク)は ようやく気づいたのだ

『之蘭(ジラン)は和尚を捕えよ! お前は芳遠(バンウォン)を捕えるのだ!
芳果(バングァ)は開京(ケギョン)に行き!私の策ではないと伝えろ!!!』

その場にいたプニは 咄嗟に芳遠(バンウォン)を捜す
芳遠(バンウォン)は無恤(ムヒュル)につかまり 馬の世話は嫌だと泣きつかれている
プニは 開京(ケギョン)から適龍(チョンリョン)和尚が来て 全部バレたと話す!

『将軍様は上奏を撤回する気よ!』
『何だって?!撤回したらダメだろ!
和尚が来たということは 上奏がうまく行ってるということなんだから!
これから開京(ケギョン)に行って兄上を止める!』

馬に乗ろうとする芳遠(バンウォン)を 無恤(ムヒュル)が止めた!

『勝手に乗って行かれたら私が罰せられます! 絶対にダメだ!!!』
『お前はたった今から俺を守れ!“正2品北斗護衛武士”に任命する!!!』
『何です?それは』
『ほら!これが欲しかっただろ? これをやるから… 行くぞ!!!』

英珪(ヨンギュ)に奪われた剣を再び渡され 必要以上に感激する無恤(ムヒュル)
馬が欲しいだけの出まかせなのだが… 無恤(ムヒュル)は大いに勘違いしたようだ

『お仕えします若様… いいえ 我が主君!!!』

そこへ 鬼の形相の李信積(イ・シンジョジク)が兵を率いて現れる!
もはや説得するどころではないようだ

『何をしている… 北斗護衛武士よ! 私を守るのだ!!!』
『はい!我が主君!!!』

無恤(ムヒュル)の力量は計り知れないが この場の者たちより強いことは確かだ
戦いを無恤(ムヒュル)に任せ 巻き込まれないよう必死にプニを守る!
隙を見て馬に乗る芳遠(バンウォン)!
行きがかり上 プニも後ろに乗せた

『お前も一緒に来い!』
『馬に乗れません!』
『な…何だと?! いいから乗れ!乗れば走る!!!』

同じ時 開京(ケギョン)は大騒ぎになっていた
白允(ペク・ユン)を殺したのは洪仁訪(ホン・インバン)であると 都中の噂になり
それを聞きつけた韓具営(ハン・グヨン)が 花事団(ファサダン)に駆け込んだ!
誰かが意図的に噂を流したことは 容易に推測出来る
だが その黒幕が鄭道傳(チョン・ドジョン)であるという発想には至らない

※花事団(ファサダン):妓楼

『きっと! 閣下と崔瑩(チェ・ヨン)の仕業に違いありません!!!
おそらくは… お2人を追放すると決められたのでしょう!』

洪仁訪(ホン・インバン)と吉太味(キル・テミ)の表情が曇る
もはや迷っている時ではないのだ 決断を急がねば追放されてしまう…!
(それにしても… 和尚からの報告が無い)

急がねば…!と 崔瑩(チェ・ヨン)が李仁謙(イ・インギョム)をけしかけている
噂の真偽などより これを利用して2人を失脚させる好機なのだと…!

『それには同意するが… 吉太味(キル・テミ)は除外してほしい』

長年苦楽を共にした吉太味(キル・テミ)に 仁謙(インギョム)は温情を懸けた
密かに吉太味(キル・テミ)を呼び出し 最後通牒を渡す…!

『洪仁訪(ホン・インバン)という魔物を成敗する!
魔物について共に死ぬか! 私と再びを組むか選ぶのだ!』

イソ郡に タンセの姿があった
荒れ果てた村に 村人たちの姿は無い
妹のプニの姿も無い
この村で何が起きたのか… 通りすがりの男が教えてくれた

白允(ペク・ユン)を殺せと命じた三峰(サムボン)には 会えないままだ
言った通りに殺したのに 世の中は荒れていくばかり

『もう知るか! どうでもいい!
ひとりひとり殺してやる…! 腐りきった者たちを殺してやる…!!!』

ヨニに ここまでの状況を報告された道傳(ドジョン)は
吉太味(キル・テミ)が 洪仁訪(ホン・インバン)を捨てると予測する

『そうですね あの男は出自に問題があるため 強い者の顔色を窺うしかない
状況が不利だと思えば いつでも寝返ります』
『洪仁訪(ホン・インバン)は さぞかし焦っていることだろう
吉太味(キル・テミ)が去ったら もう李成桂(イ・ソンゲ)を頼るしかない
すぐにも私に会いに来るだろうさ その時に…よく斬れる剣を渡してやろう』

花事団(ファサダン)では
荒れ狂う洪仁訪(ホン・インバン)を 草英(チョヨン)がなだめている
なだめながら 結局は捨て駒にされる仁訪(インバン)なのだと…
(なぜ吉太味(キル・テミ)などを信じたのだ…)
…とそこへ 突然吉太味(キル・テミ)が現れる!
驚きを隠せない草英(チョヨン)!

2人きりになると…

吉太味(キル・テミ)は 仁謙(インギョム)の真意をそのまま告げた
この機会に 仁訪(インバン)だけをつまみ出す気なのだと…!

『私のことは守ると言ってくれたけど… もうごめんなの
これ以上あの老いぼれの小言は聞きたくない!
だから相舅(あいやけ)に 最後までつき合うと決めたの』

※相舅(あいやけ):結婚した両家の親同士が対等な関係にあることを表す表現

どこか信じ切れない仁訪(インバン)が 策はあるのかと聞く
すると吉太味(キル・テミ)が 互いの財産を半分ずつ出そうと提案した

『こんな時こそ身を低くするのです…!』

これは 吉太味(キル・テミ)がここまで生き抜いた処世術であった
仁訪(インバン)のことも 既に相談済みなのである
財産の半分を差し出せば… 今回だけは見逃すと約束させていたのだった

仁訪(インバン)がこの提案に応じたことは
すぐさま鄭道傳(チョン・ドジョン)に報告された…!

『開京(ケギョン)に行かねば… 洪仁訪(ホン・インバン)に会う!!!』

その頃芳遠(バンウォン)は 兄芳果(バングァ)に追いつき説得していたが
どうしても取り合わない兄を 拘束するしかなかった

洪仁訪(ホン・インバン)は心を決め 桃花殿(トファジョン)へ向かおうとしていた
そこへ黒装束の刺客が現れ 咄嗟に吉太味(キル・テミ)が応戦した…!!!
その太刀筋から 白允(ペク・ユン)を殺害した人物ではないかと気づく!
この刺客を差し向けたのは 仁謙(インギョム)か崔瑩(チェ・ヨン)か…
一体誰がさし向けたのかと憤る…!

黒装束の刺客はタンセだった
異変に気づいた草英(チョヨン)が私兵を呼び タンセは逃亡した

李芳遠(イ・バンウォン)は 洪仁訪(ホン・インバン)の屋敷に向かっていた
プニには 異変が起きたら三峰(サムボン)先生と咸州(ハムジュ)に知らせろと…

『どうするつもり?』
『洪仁訪(ホン・インバン)の悩みを解決してやるのさ』

仁訪(インバン)は 仁謙(インギョム)が刺客を送ったのだと確信していた
適龍(チョンリョン)和尚からの連絡はなく 成す術も無い
そこへ 見張りの私兵を振り切り李芳遠(イ・バンウォン)が現れた…!
父親の命令で来たと うそぶく芳遠(バンウォン)

『適龍(チョンリョン)和尚は 咸州(ハムジュ)で拘束されている
大司成(テサソン)様は 私を人質になさってください
そして明日 安辺策(アンピョンチェク)を通すのです! 取引はその後で…』

その頃ヨニは 鄭道傳(チョン・ドジョン)のもとへ急ぎ
『天雨が降りました!』と 興奮しながら報告していた
桃花殿(トファジョン)に向かおうとした2人の前に 刺客が現れたと…!

『仁訪(インバン)は 仁謙(インギョム)らの仕業と思っただろうな
これは正に… 天雨と言えるだろう』

仁訪(インバン)より激怒しているのは吉太味(キル・テミ)であった
まずは崔瑩(チェ・ヨン)から血祭りにあげてやろうと息巻く…!
そこへ 学者のような人物が訪ねて来たと 慌てて下男が報告しに来た

翌日
予定通りに都堂(トダン)会議が開かれた
宰枢(チェヂュ)らに 安辺策(アンピョンチェク)の採決をと促す仁謙(インギョム)
すると予測に反し 反対者は数える程しかいない…!

崔瑩(チェ・ヨン)に急かされ 賛成者は?と問うと
崔瑩(チェ・ヨン)をはじめとする宰枢(チェヂュ)らが続々と立ち上がった…!
禹学朱(ウ・ハクチュ) 韓具営(ハン・グヨン) そして洪仁訪(ホン・インバン)
あろうことか 最後には吉太味(キル・テミ)までもが賛成の意を示し立ち上がった…!

※都堂(トダン):高麗(コリョ)後期の最高政府機関

昨夜遅くに訪ねて来た学者とは 鄭道傳(チョン・ドジョン)であった
洪仁訪(ホン・インバン)は 迷うことなく李成桂(イ・ソンゲ)将軍と手を組むと告げた

『では 崔瑩(チェ・ヨン)将軍に こう話してください』

道傳(ドジョン)の指示通り その夜のうちに崔瑩(チェ・ヨン)を訪ねた
そして 自分たちを殺す機会は 今後何度でも訪れるが
安辺策(アンピョンチェク)を通す機会は 明日の会議一度きりだと告げた…!
常に揺れ動く吉太味(キル・テミ)にも 今回だけは自分を信じてほしいと釘を刺す
仁謙(インギョム)に裏切られた思いの吉太味(キル・テミ)は 揺らぎようがなかった

こうして都堂(トダン)会議において
安辺策(アンピョンチェク)は可決されたのであった
この様子を 暗闇で見守る李芳遠(イ・バンウォン)は
ようやく“革命の陣地”が誕生したと 安堵するのであった…!

帰途に就く鄭道傳(チョン・ドジョン)もまた
生き残ることだけで必死な洪仁訪(ホン・インバン)に思いを馳せる

(洪仁訪(ホン・インバン) 結局はそなたの“欲”が革命の火をつけたのだ)


☝よろしければクリック
お願いします