善徳女王 第55話 百済(ペクチェ)進軍 

『密偵だと?!!! 何を言っておるのだ!!!』

百済(ペクチェ)の前線を偵察中に 金庾信(キム・ユシン)を発見し
既に司量部(サリャンブ)に護送済みだという
流刑になった大罪人が流刑地を離れ しかも無断で他国に潜入したとなれば
密偵と疑われても仕方がない
大逆罪で処分を!という訴えが湧き起こる
ただ金舒玄(キム・ソヒョン)だけが 父として息子を庇うのだった

※百済(ペクチェ):三国時代に朝鮮半島南西部にあった国
※司量部(サリャンブ):王室の全ての部署を監察する部署

抗議の声を 善徳(ソンドク)女王自らが遮った

『この私が命令を下しました
金庾信(キム・ユシン)は命令により 任務を遂行中でした』

ざわめきが広がり 場内は騒然となる

金庾信(キム・ユシン)を取り調べる毗曇(ピダム)
大耶(テヤ)城に危険が迫っている…と聞かされても
あの難攻不落の城は一度も陥落したことが無いと豪語する…!

『密偵がいるのだ!密偵が中から門を開ける!』
『何っ?!!!』
『時間が無いのだ!すぐに密偵を捜し出し…』
『庾信(ユシン) 大耶(テヤ)城の心配より自分の身を心配すべきだ
流刑地を脱走し他国へ潜入すれば大罪人だ!』

そこへ 廉宗(ヨムジョン)が血相を変え飛び込んで来て
何やら毗曇(ピダム)に耳打ちする

『何?王命だと?』
 

忌々しき事態に司量部(サリャンブ)は騒然となる
宝宗(ポジョン)の報告に 夏宗(ハジョン)が『何のための流刑だ!』と憤る

『とにかく… 陛下が臣下達の前で表明され 密偵容疑を問題化出来ない』
『どうしてこうなるのだ!!!』

流刑地で 庾信(ユシン)を殺害してしまおうと考えていただけに
まさか王命により流刑地を離れるなど有り得ない…と 衝撃を受ける一同

『実は… 百済(ペクチェ)には 月夜(ウォルヤ)と雪地(ソルチ)もいました』
『なぜそれを言わなかったのだ!連中と会っていたなら大逆罪だ!』
『ですが司量部令(サリャンブリョン)が そのことは言うなと…』

※司量部令(サリャンブリョン):王室の全ての部署を監察する部署の長

金舒玄(キム・ソヒョン)が 早速作戦を練っている
善徳(ソンドク)女王は 金春秋(キム・チュンチュ)に
黒で始まる名前の密偵を捜すよう命じる

『司量部令(サリャンブリョン)はどこだ!』
『金庾信(キム・ユシン)から敵の作戦内容を聴取しています!』

毗曇(ピダム)が庾信(ユシン)をどう扱うか…
善徳(ソンドク)女王には これ以上どうすることも出来なかった

ユンチュン将軍が“速戦即決”と豪語し 3日以内には攻撃が行われると…!
そして “黒”で始まる名の密偵が中から門を開けると

『また手柄を立てたな 事実であれば…の話だが
事実と判明したら放免する 悪いがそれまでは辛抱してくれ』

毗曇(ピダム)が執務室を出ると 金春秋(キム・チュンチュ)が
大耶(テヤ)城へ向かう林宗(イムジョン)を見送っている

金舒玄(キム・ソヒョン)もまた 出兵の準備を急いでいる
兵達を前に 善徳(ソンドク)女王が訓示を述べる

『敵の兵力は推定2万! 密偵を捕え敵の勢いをくじけば
3日分の兵站しか無い百済(ペクチェ)軍は 壊滅するだろう!
必ずや敵軍を倒し 大耶(テヤ)城を守るのだ!』

※兵站:軍事用語 戦闘地帯へ物資や兵を補給・輸送・管理する活動全般を指す

夜になり 毗曇(ピダム)はようやく善徳(ソンドク)女王の前に…
流刑に処した庾信(ユシン)に密命を下したことが どうしても納得出来ない

『有能な罪人に命懸けで罪を償わせた これが大義に反すると?』
『そんなにも庾信(ユシン)に信頼を?』
『私を…信じられないのか? 私が庾信(ユシン)を買いかぶっていると?』

(それ程信頼する庾信(ユシン)が 月夜(ウォルヤ)達と会っていました)

 

『答えなさい』
『そのご質問には 後日お答えします』

執務室に戻った毗曇(ピダム)を 夏宗(ハジョン)達が糾弾する
庾信(ユシン)が復耶会と会っていたという事実を知りながら
なぜ公表し弾劾しないのかと…!

『時機を待つのだ』

庾信(ユシン)が持ち帰った情報が事実なら 神国を救う貴重な情報となる
この大手柄と同時に公表しても 相殺され無かったことにされてしまうと…

復耶会の砦では
雪地(ソルチ)が 蹶張弩(コルチャンノ)の開発に熱中し
その性能の凄さに 大いに満足している

※蹶張弩(コルチャンノ):朝鮮時代先頭に使用されたクロスボウ

月夜(ウォルヤ)は 庾信(ユシン)の言葉を思い返し深く考え込んでいる
伽耶も新羅(シルラ)も超え 統一された三韓で永遠になると言っていた…

そんな月夜(ウォルヤ)に もともと一緒に歩むべき者ではなかったのだと
また始めに戻っただけのことだと励ます雪地(ソルチ)だった

庾信(ユシン)は 捕らわれている牢に閼川(アルチョン)を呼び
百済(ペクチェ)で月夜(ウォルヤ)達に会ったことを話す

『まさか… 宝宗(ポジョン)に見られてないだろうな!大変なことになるぞ!』
『それより大耶(テヤ)城から連絡は?』

黒で始まる名の者は 数か月前に死んでいると
大耶(テヤ)城からの連絡に 善徳(ソンドク)女王は困惑する

司量部(サリャンブ)では
これは好機だ!と息巻く美生(ミセン)
陛下は 流刑に処された庾信(ユシン)に密命を下し
その庾信(ユシン)は嘘の情報を持ち帰ったのだ
さらに復耶会と接触していたとなれば 完全なる大逆罪だと…!

谷使欣(コクサフン)が 牢の庾信(ユシン)に報告する
 

『大耶(テヤ)城には必ず大きな攻撃があるのだ!』
『しかし… まもなく舒玄(ソヒョン)公に撤退命令が下されます』
『何っ?!!!』

便殿会議

金庾信(キム・ユシン)を厳罰に処すべきとの声が上がる
そこへ毗曇(ピダム)が現れ 庾信(ユシン)が百済(ペクチェ)で
復耶会の月夜(ウォルヤ)達と一緒だったことを報告する


これには さすがに驚きを隠せない善徳(ソンドク)女王!
場内はまたもや騒然となる

『金庾信(キム・ユシン)を斬首の刑に処し 神国の規律を正すべきです!』
『金庾信(キム・ユシン)を斬首の刑に!!!』
『陛下 ご決断を!!!』

善徳(ソンドク)女王は 毗曇(ピダム)の言葉を思い返していた
「後日お答えします」とは この事だったのかと…

執務室で 毗曇(ピダム)と向き合う善徳(ソンドク)女王
既に知っていた情報を なぜ今になって… 便殿会議の場で公表したのか

『貴重な情報です この情報が霞んでしまわないよう…』
『それで言い逃れしているつもりか!!!
庾信(ユシン)を確実に陥れるため 時機を待っていたのだろう!!!』

『こうなった以上 もう伽耶を受け入れることは出来ません』
『それで?』
『しかし庾信(ユシン)は 伽耶を捨てられない』
『それで!!!』
『もう庾信(ユシン)を捨てるしか無い
私からの… 心からの進言です 庾信(ユシン)をお捨て下さい!!!』

万明(マンミョン)夫人が 牢の中の息子を按じ会いに来た
庾信(ユシン)は そんな母親にさえ 大耶(テヤ)城の情報を聞くのだった
一刻も早く対策を立てねば 大耶(テヤ)城が大変なことになると…!

思い悩む善徳(ソンドク)女王の前に 金春秋(キム・チュンチュ)が現れる

『そなたも庾信(ユシン)を捨てろと言いに来たのか?』
『いいえ 伽耶を捨ててはなりません と言いに来ました』

春秋(チュンチュ)の言葉に 驚く善徳(ソンドク)女王

既に万策尽きて これ以上考える気力もなく 苛立ちばかりが募る

『そなたに… 答えはあるのか?』
『はい陛下 その答えとはこの私 金春秋(キム・チュンチュ)です』

牢の中の金庾信(キム・ユシン)は
百済(ペクチェ)で見聞きした情報の全てを床に書き記していた
そして 「速戦即決する」という階伯(ケベク)の言葉が気になっていた

一夜明け 善徳(ソンドク)女王の前に毗曇(ピダム)が現れ
庾信(ユシン)のことは自分が守る…と言い出す

『勿論 今後も斬首すべきとの上奏は増え続けるでしょうが
この私の政治力を最大限に駆使し 反対派を黙らせます』

善徳(ソンドク)女王は 悲し気に毗曇(ピダム)を見つめた

『その代償として 私はお前と婚姻を?
お前の望みとは つまりそういうことだろう?違うか?』

目に涙をため 善徳(ソンドク)女王は聞いた
全てを見透かされ うろたえる毗曇(ピダム)

『私の恋心を… 取引に使う気はありません
ただ陛下のためだけに… 庾信(ユシン)の命を守ります
どうか庾信(ユシン)を守れと!ご命じ下さい』
『恋心などと 温かく呑気なことを言うのだな
命令は出さない 下がれ!!!』

拒絶された毗曇(ピダム)は 庾信(ユシン)のもとへ
牢の床いっぱいに書かれた百済(ペクチェ)の作戦図
それを踏み躙りながら 牢の中に入る

自分が斬首されるかもしれないというのに
なぜ大耶(テヤ)城のことばかり按じているのだ!と毗曇(ピダム)

『この私よりずっと聡明な筈なのに なぜこの状況が理解出来ないのだ
そなたが心配すべきは私のことではなく そなた自身のことだ!
もし私が危惧する通り 大耶(テヤ)城が陥落するようなことがあれば
司量部令(サリャンブリョン)であるそなたの責任でもあるのだぞ!!!』

今回の件 美室(ミシル)ならどうしただろう…
庾信(ユシン)の呟きに激高する毗曇(ピダム)

『母のことを持ち出すな!!!』
『美室(ミシル)の半分でも知恵が回ると言うなら私を見ろ!!!』

庾信(ユシン)の前に仁王立ちになる毗曇(ピダム)
しかし庾信(ユシン)は怯まない

『黒で始まる密偵が なぜ見つからないのかは分からん
しかし 大耶(テヤ)城は今日中に必ず攻撃される!!!
“鹿を追う者は山を見ず”という そなたになら山が見える筈だ!!!』 

(庾信(ユシン)が策を巡らす筈が無い もし…)

考え込んでいるところへ 廉宗(ヨムジョン)が通りかかり
庾信(ユシン)の戯言など気にする必要は無い!となだめる

『もし本当なら?!』
『え?』
『大耶(テヤ)城の名簿を持って来い!急げ!!!』


毗曇(ピダム)は 急に不安に襲われた
庾信(ユシン)の話が本当になったら… 本当になったら…!

善徳(ソンドク)女王の前に薛原(ソルォン)が現れる

『以前 毗曇(ピダム)のことを そそのかすなと仰いました
しかし陛下の方こそ 毗曇(ピダム)をそそのかしています
どうか毗曇(ピダム)の心に平穏をもたらしてください
そうすれば再び毗曇(ピダム)は 陛下の忠臣になるでしょう』

官僚達が 美生(ミセン) 夏宗(ハジョン)と会議を開く
皆 口々に金庾信(キム・ユシン)を厳罰に!と騒ぎ立てる
今や完全なる神国の敵だと!!!

『それにしても… このような重要な会議の場に
なぜ司量部令(サリャンブリョン)は来ないので?』

毗曇(ピダム)は 廉宗(ヨムジョン)と共に
大耶(テヤ)城の兵士名簿を片っ端から調べていた…!
しかしどんなに捜しても 庾信(ユシン)が指摘する密偵は見当たらない

インガン殿の前では臣下達が座り込み 庾信(ユシン)を極刑に!と訴える
その一方で 庾信(ユシン)の命乞いをする兵士達がいた
特に 高島(コド)と谷使欣(コクサフン)の訴えは際立っていた

『庾信(ユシン)公の進言を聞き入れ 大耶(テヤ)城を守るべきです!!!』
『神国の前線に 危機が迫っているのです!!!』

それらの声を聞く善徳(ソンドク)女王
傍には常に 侍衛府令(シウィブリョン)閼川(アルチョン)が付き添う
そこへ竹方(チュクパン)が 山のような書簡を差し出した
善徳(ソンドク)女王は それらに目もくれずじっと目を閉じる

『ええ陛下 そうやって目を閉じててください
何も見ず 何も聞かず 考えることをおやめください
ただただ庾信(ユシン)公をお守りください…! そうすべきです!!!』

善徳(ソンドク)女王は 幼い頃から知っている竹方(チュクパン)の
忖度の無い真正直な言葉が聞きたくなった
閼川(アルチョン)もまた 竹方(チュクパン)を見つめる
 

『私には 大義や政治のことは分かりませんが…
まことに出過ぎたことを申し上げるようですが…
陛下!!! よくないです!庾信(ユシン)公を殺すなどと…
絶対によくないです! 悪いことのように思うのです!!!』

どうにもたまらなくなって 閼川(アルチョン)は庾信(ユシン)のもとへ!

庾信(ユシン)は 人々の訴えなど意に介さず
大耶(テヤ)城が危ないと言い続けるばかり…

『だが そなたの言う黒の字がつく密偵が見つからないのだ!本当なのか?』
『ああ本当だ 黒の字の先は隠れていたが… 確かに黒の字を見た!』

嘘を言う庾信(ユシン)ではないと 閼川(アルチョン)は信じていた
しかし…密偵を捜せなければそれを証明することは難しい

一方 毗曇(ピダム)もまた
廉宗(ヨムジョン)と一緒に名簿を確認し続けていた
その時 毗曇(ピダム)の中に ある閃きが浮かんだ
黒の字ではなく… 部首ではないかと…!

黒で始まる名前は無かったが
黒の部首の文字で始まる名前なら…

『“點陽(チャミョン)”! “黔日(コミル)”! 2人もいます!』
『北門の門兵… 黔日(コミル)だ!!!』

百済(ペクチェ)のユンチュン将軍のもとへ 伝書鳩が飛んで来た
〈本日 北門を開けます 黔日(コミル)〉

目星がついた毗曇(ピダム)は 黔日(コミル)を密かに捕え始末する!と言い出す
そして 一番の早馬で宝宗(ポジョン)を行かせよ!と命じた
部下を率い 直ちに宝宗(ポジョン)が出発した!

毗曇(ピダム)は 善徳(ソンドク)女王に呼ばれた

『薛原(ソルォン)によれば 私がお前の心を乱しているそうだ
毗曇(ピダム) 私に恋しているのか?』

真正面から聞かれ うろたえる毗曇(ピダム)

『…はい 陛下 その通りでございます』
『神国には? 神国には恋していないのか?』
『……』

大耶(テヤ)城付近まで来た宝宗(ポジョン)とサンタクは
目の前の信じ難い光景に絶句する…!!!
サンタクが 悲鳴のような声で叫ぶ!

『大耶(テヤ)城が… 大耶(テヤ)城が燃えています!!!』
『すぐ戻って知らせねば!行くぞ!!!』

大耶(テヤ)城の事態を知らない善徳(ソンドク)女王は…

『私が婚姻するとして それは庾信(ユシン)を救うためでも恋心からでもない
ただ単にお前が必要だからだ しかしお前は情によって動いている
権力を得るために 婚姻を望むのが普通ではないか
なのにお前は 婚姻が目的で権力を握ろうなどと…!』
『陛下…』
『本当にお前は… 幼い子供のようだ』

毗曇(ピダム)はふと 母 美室(ミシル)の言葉を思い返す

「私は 人を得てこの国を得ようとした
だがお前は 国を得て人を得ようとしている
人を目的とすることは危険なことだ お前の夢はあまりに幼い
何と魅力の無いものだ 恋を成就させようと… 女を追う男とは…」

『私に恋心を? でも私は神国だけに恋せねば 人に恋は出来ない』
『陛下 私にとって陛下は神国そのものなのです!
陛下への恋心も 神国への恋心も 私にとっては同じなのです!』

毗曇(ピダム)の一途な告白に 今度は善徳(ソンドク)女王が動揺する
そこへ 蒼褪めた廉宗(ヨムジョン)が駆け込んで来た!

『陛下… 陛下! たった今大耶(テヤ)城が!』

牢の中の庾信(ユシン)にも 同様の報告が入る!
百済(ペクチェ)のユンチュン将軍によって 大耶(テヤ)城が陥落したと…!

金舒玄(キム・ソヒョン)率いる兵部(ピョンブ)の軍勢は 決死の防御も虚しく…
重傷を負いながらも 善徳(ソンドク)女王のもとへ報告に来た伝令
ざわめく臣下達!
金春秋(キム・チュンチュ)が
徐羅伐(ソラボル)までは1日で到達すると…!

龍春(ヨンチュン)公が 涙ながらに進言する
金庾信(キム・ユシン)が正しかったのだから 今からでも…と
そこへ毗曇(ピダム)が現れ 龍春(ヨンチュン)公の進言を遮る
皆の前を通り 善徳(ソンドク)女王のもとへ…

『神国には 負け知らずの庾信(ユシン)軍がいるではありませんか!』

しかし 臣下の間からは罪人だ!と反対の声が湧き上がる
その反対の声を遮ったのは 金春秋(キム・チュンチュ)だ

『庾信(ユシン)公抜きで 庾信(ユシン)軍は動かせない!』
『罪人に軍を任せるなど有り得ない!』
『では誰が?! まさか司量部令(サリャンブリョン)が?!』
『司量部令(サリャンブリョン)は軍を率いたことがありません!』

紛糾する議論の中 毗曇(ピダム)は落ち着き払っている

『金庾信(キム・ユシン)の他に適任者がおります!
優れた知略の持ち主で 神国を何度も救った薛原(ソルォン)公です!』

ハッとする善徳(ソンドク)女王!
金春秋(キム・チュンチュ)が!龍春(ヨンチュン)公が!毗曇(ピダム)を見た!

勝ち誇った表情で 毗曇(ピダム)は道を開けるようにして身を引く
出陣の出で立ちで現れた薛原(ソルォン)は 善徳(ソンドク)女王の前に跪く

『陛下 この老将の出陣を どうかお許しくださいませ!』

ニヤリと笑い 毗曇(ピダム)は善徳(ソンドク)女王を見上げた
庾信(ユシン)の牢の前に駆けつけた高島(コド)達は
なぜ薛原(ソルォン)公が!と訴える

『結局 大耶(テヤ)城は攻撃されました!
上将軍(サンジャングン)の言った通りだったのに!!!
釈放を要請します!上将軍(サンジャングン)が指揮してください!!!』

『薛原(ソルォン)公の命令に従うのだ』

庾信(ユシン)の命令に 皆が意気消沈する
その後は 庾信(ユシン)が語るひと言ひと言を 胸に刻むように聞くのだった

『薛原(ソルォン)公は確かに名将だが 既にご高齢だ
ここ数年で 百済(ペクチェ)軍は目覚ましく変わったとお伝えしろ』

便殿会議を終え 再び善徳(ソンドク)女王と向き合う毗曇(ピダム)
司量部(サリャンブ)が練った 襲撃への防御策を報告する

『陛下 必ず陛下を救い 陛下と… 陛下と民と神国を救います』

善徳(ソンドク)女王は 動揺して微かに震えていた
じっと毗曇(ピダム)を見据える

『神国を救った者に… 全ての資格があるでしょう』


☝よろしければクリックお願いします