CEOコラム -10ページ目

第2回東北塾


昨年の青森に続き今年は震災景気に沸く仙台を起点に山形・盛岡と3県・5社の企業訪問を実施した。11時仙台空港のロビーに集合、エアー遅延というイレギュラーに今回幹事の小川建設・小川社長がもう一台車を用意し対応。車は1時20分に第一陣11名が山形県 前森高原に到着。ここは小川建設が山形県最上町から運営委託を受けている東京ドーム20個分の広大なレジャー施設である。数年前まで町営施設として町が税金で運営していたが、公務員経営ゆえ、そろばん勘定が合わず地元名士の小川社長に白羽の矢を当たった。
当初は初めての施設運営という事で2・3年赤字であったが試行錯誤の結果、昨年初めて、黒字を実現した。客を呼び込む為、乗馬、4輪バギー体験やオートキャンプ場を新設。手作りハムベーコンなどお土産も充実させコンテンツの充実を図った。町を通じ学校にも呼びかけ来店促進をした結果である。本業を持ちながら町の発展に貢献する小川社長に敬意を払いたい。

我々は最上牛と地元野菜のバーベキューを楽しんだ後、乗馬・4輪バギーを体験し15時に前森高原を後にした。17時に仙台で男性エステを予約していたからである。道中小川社長のビジネスを再建、拡大していった話を聞いて、人の懐に笑顔で飛び込んでいく起業家精神に参加者は感銘を受けた。結局ビジネスの入り口は人であり、出口も人に認めてもらいたいという人間の本能であることを改めて感じた。人生の目的は人を幸せにすることであり、人から感謝されることで自らの存在価値が生まれる。通常の座学研修では味わえない体感をさせていただいた。

2時間あまりかかって17時20分に仙台に着いた。ここは仙台経営研究会会長の経営するエステサロンである。まずはほとんどの参加者が未体験の男性エステを受ける。岩盤浴も体験しながら顧客価値を考えた。美は人に認められたいというマズローの欲求の真ん中に位置する社会的欲求である。加齢による皮膚の弛みを気にする男性はあまり多くないだろうと感じつつも、カネと暇があったら毎日来たいと思う心地よさであった。
社長にメインターゲットと平均来店数、一人当たり客単価などを聞き自分だったらどうするかを頭を巡らせた。

19時30分にエステを終え、佐々木社長のいとこの経営する洋風レストランに向かう。懇談会は出席者のビジョン発表大会となった。それぞれまとまっている人もいればうまく伝えられない人もいた。私の場合後者の部類で毎日ビジョンに思いを馳せているつもりであったが、人を動機づけるまでには至らないインパクトの弱い内容であった。これから毎日ビジョンメモをつけ時折人に聞いてもらうとよいと思った。

翌日は東日本大震災の復興事業に尽力している小川建設の工事現場に行った。工事現場に行く途中、撤去されていない建物が散見されたが中でも荒浜小学校は圧巻であった。中に入ると、津波で破壊された壁、黒板、めくれた掲示物など息を呑む形となっていた。さらに奥に入ると津波で海側の壁面はすべてなくなっていた。このあたりで700名死亡したとの話を聞き何人もこの場所で死んだのだと思った。その後、海岸まで連れて行ってもらったらやはり慰霊碑があった。亡くなった方のご家族は救えなかった自分を責めてなければいいなと思っている。災害・災難に予告は無い。病気も含めてもすべて不幸は予期せず訪れる。我々は今日を精一杯生き、後悔のない人生を送らなければならないと感じた。
盛岡編は次回コラムで。

落合から学ぶ慧眼

落合が監督を退いて8か月になる。しかしその輝きは失われることなく伝説になろうとしている。仕事も基本とよい習慣が大切だが、野球も同じだった。落合からは様々なことを学ばせてもらっているが、以下のエピソードが私にもっとも響いた話だった。


一年目のキャンプで、選手の意識改革を施しながら、落合氏は一つの指針を見つけ出した。「体力をつけるのか、技術を教えるのか、どっちがいいのか? 体力がないと長続きしない。教えることはたくさんある。その体力があるのか? まずは、バットを振る体力をつけないといけない。そこから始めた」


 アマチュア時代は死ぬ物狂いでボールを追いかけた選手も、プロになると、とかく“調整”という都合の良い言葉を使って、練習しない選手も増えてくる。だが、落合氏はそれを許さなかった。「うまくなりたければ練習しろ」――。当たり前で、単純すぎることを実践させたからこそ、落合ドラゴンズは輝かしい戦績を残したのかもしれない。



我社で言えば考える体力をつけるために目の前の課題から逃げず、昼夜問わず考えることだ。やることが多すぎて考える暇がないというのは、きっと問題と課題の所在を忘れて仕事をしているのだ。ついつい大きな課題から逃げたくなる自分との戦いが人生そのものかもしれない。

投資したくなる事業計画

ステップ①「長期的に顧客から圧倒的な支持が得られそうな会社」であること。
投資するからには短期つまり一時的な現象では困る。時代の変化は早い。経営に手を抜き改善を怠ると、強みはすぐ陳腐化する。今支持があっても将来減少していく可能性が強い売り物については「計画的撤退」か、「合理化や時間の工夫によるコストダウン実現」のどちらかを意思決定する必要がある。もう一つは何のソリューションができるのかメニューと成功事例が不可欠である。
これらに切れ味があれば70%合格である。


ステップ②「計画の実現性」これは計画の矛盾やアンバランスがないことと、組織をどう機能させて行くのか明確であること。事業が現場レベルで
検証されているかがポイント。


ステップ③「儲かり続けるか」市場のポテンシャル分析が充分事業レベルまでされているのか?成長仮説ののリスク分析は充分なされているのか?


事業計画の完成に終わりはない。自分は納得していても人を動機づけるにはわかりやすさと数字の根拠が不可欠である。チャンスとリスクの現実を直視することは容易でない。
以上3項目をこれからチェックしていく。

経営計画書の課題

毎年経営計画を策定するが社員に意識された事は少ない。最大の原因は経営者の意識不足と落とし込み不足にある。今年の計画は幹部・営業・企画には一部落ちているが日々の行動が方針を意識したものかどうかは甚だ疑わしい。まずは原点に返り経営計画の目的を3つ考えた。


①社員の行動手引きであること。経営計画書は行動の一歩先を照らす手引きである。
②社員が行動の定点観測が出来るような管理項目が数値化されていること。毎月PDCAを回す事。
③経営ビジョンが自分と社員に夢を与え動機付けされること。


①が特に弱い。②も反省だけで行動改善にはつながっていない。③は少しずつだが改善傾向にある。


次に計画段階での反省を5つ挙げる。
①会社の長期・中期・短期ビジョンがページをまたぎ表現されているのでリンクして考えにくい。(エネルギーの分散と不理解)
②聞いている社員への動機付けが一時的である。
③戦略に切れ味がない。捨てる経営資源が不明確であるためやることばかりになる。
④ビジョン達成までの道筋にリアリティーが薄い。
⑤説得力は客観的数字から導かなくてはならない。


経営計画は実行して何ぼのもの。社員が意識しなければないに等しい。

品質へのこだわり

本田宗一郎は、本田技術研究所について、「技術の研究をする所ではない。人間の研究をする所だ」と語っている。研究所の技術者が第1にすべきことは、お客様の心を研究し、お客様に喜んでもらう将来価値を見つけること。それが分かったら、手段である技術を使って、その将来価値を実現すればよい。なので、本田技術研究所は「技術ではなく、人間の研究をする所」というわけだ。

 ジョブズと本田宗一郎は製品の価値を追求する姿勢が共通している。ジョブズの最高のものを造りたいという情熱はすさまじかった。しかし時に、いき過ぎることもあった。満足しなければ技術者たちを容赦なく罵倒した。本田宗一郎も、製品の価値に対して熟慮が足りないとしょっちゅう技術者を怒鳴りつけました。時には「おまえたちはこれが本当にお客様の価値だと思っているのか」と涙を流しながら殴ることもあったそうだ。


経営者の品質へのこだわりが企業の成長を支える。品質に問題があるときは常に原点に戻らなければ本質は見えない。お客様に徹底的に満足してもらいたいから商品やサービスを磨いた原点を。社員の品質向上意欲は起業家精神の継承度合に比例する。


現場、現実、現物を第一に考える3現主義を改めて検証すると、商品サービス(現物)の問題は現実を直視することなく都合の良い情報しか見ようとしない、現場を見ようとしない経営者に責任がある。

集中力と根気で武器の信頼性・性能アップに執念を

中小企業の社長で自社の強みを磨く努力をしている人は驚くほど少ない。かくいう私もその一人である。分かっていながらも、目先の収益に目が行くか、未来のビジネスをどう形にするかというTO DOに9割意識が向いている。研修に行ったり、成功者の話を聞いたときは自分と会社の強みを創る努力を決意するが、日常の雑事や全体構想に終始してしまう自分がいる。

結局は自らの意思で外部の力を借りながら自社を磨くことになる。つまり環境を変え、やらねばならない状況に追い込まれなければ凡人は自分を変えられないのかも知れない。そういう意味においてはクレームや事件は会社を抜本的に変える大きな契機となりうる。


消費者であれ、法人であれ顧客は2つの観点で購入先を決めている。①信頼・・・・・ブランドと云ってもよい。法人であれば任せて安心、消費者であれば買って安心。価格以外の価値と云ってもよい。法人営業においてはその会社の仕事に対する信頼感は仕事が大きくなればなるほど重要になる。ということは縮小マーケットにおいて、法人は従来のやり方では利益が出ない為、部署や店の統合、破棄が進みただでさえ予算縮小のなか仕事は大型化していく。大型化するということは、信頼性の低い会社が淘汰されていく事である。大きな仕事ほど品質・コンプライアンスが求められる。


②顧客には将来不安があるため「結果の出る仕事」を求める傾向が強まる。今すぐの結果と未来に確実につながっているという結果の2つを求めてくる。今結果が良くても需要の先食いに終わる施策しか提案できなければ、ビジネスが長続きしないからやがて淘汰される。


いずれにしても非常に生き残りが困難な時代だからこそチャンスがあるともいえる。信頼と結果を両立出来る中小企業が少ないからこそ、品質向上とCRMに資源集中すれば、大きく飛躍できるのだ。
自己改革が出来ない会社、人が淘汰される時代がもう目の前に来ている。

アジアと日本の架橋1

ジャカルタは今空前の高度成長期を迎えている。街中土木、ビルの建設ラッシュ。2億4千万人の人口を抱えるこの国は興奮と熱狂のるつぼにある。理由はアジア1の資源国であるため資源高による恩恵を最も受けているからだ。一度動き始めた弾み車は止まらない。なぜなら右肩上がりの生活水準が当たり前になっている事とどうすれば収入が上がるか、インドネシア人がわかったからだ。海外留学、海外就労の経験者が祖国に戻り伝道者になっている事が大きい。国民の収入底上げが犯罪を減らし治安を安定させている。

タイと違うのは治安が悪いイメージが国際的に、浸透している為に圧倒的に欧米人、日本人が少ない。アジアにはインドネシア以外にも高度成長している国が多い為に訪問優先順位がかなり低いのだ。だから活躍、そして経済的に支配しているのは華僑、中国資本だ!350年に及ぶオランダ支配はこの国の発展を大幅に遅らせた。オランダ人はインドネシアから搾取ばかりでインフラや人にまったく投資しなかった。

今高速道路や地下鉄を建設中であるが既存のインフラの上に新たな建設をする為時間がかかる。中国のような一党独裁の統制経済はこんな場合有効に働く事が改めて理解出来る。


アジア市場で日本人が活躍方法は2つ。ひとつは先を読んで経営資源を育て、機を見て大胆細心に資源投入して行く事.しかしこれはより戦略的な発想が出来る欧米、華僑の独壇場になっている。もうひとつは時間差ビジネス。日本にあってアジアにないものを国の発展に合わせて小出しに投入していく事.3つめはありがとうビジネス。おもてなしをビジネスのあらゆる場面でカタチにし、消費者目線のビジネスモデルに変えていく事.$CEOコラム-朝6時のジャカルタ

朝6時のジャカルタの光景

錯覚

人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり 一度生を得て 滅せぬものの あるべきか  信長が好んだ敦盛である。


いくら長寿であろうともいつかは死を迎える。死はすべての生命に平等に与えられる。いくら長生きをし、いくら栄華を誇っても、それはただ生きているというだけで、きわめて空しい生き方である。であれば真実なるものを求め、いかに生きるかが重要であるという意識である。


何もしなくても時間は死に向かい刻々と過ぎていく。今が最高と思えばよいと感じる。老いは確実に日々進んでいるという事実を50を超えて感じる回数が飛躍的に増えた。
老いとの戦いは、まさに努力しかない。健康を維持するのも戦い。不安を感じながら日々を過ごすのではなく、尽きる事のない夢の実現の為毎日をささげる。お金と人からの承認は結果であり目的ではない。


我々は日々今の生活が永遠に続く錯覚をしている。たまに目覚めたまに思い出す。とくに海外から自分を見つめると毎日無為に過ごしている自分に気が付く。海外から日本を見ると日本の閉鎖性や小ささがよく見えるように自分の小ささがいやというほど見えてくるから不思議だ。

人間尊重

中小企業の理念の中でもっとも多く見かけるのは「人を大切にする」「顧客の繁栄と社員の成長」である。だからこそ人を育成し社員の成長に伴い企業が発展するという事だ。そして経営者は我が身を省みず、人に成長を期待する。

しかしながら物心両面で人間尊重を実現するのは並大抵の事ではない。顧客から見た商品サービスの価値が他社を圧倒してなければ、他社を圧倒する社員への待遇や教育は困難である。
そんななかこの大いなる理念を具現化している会社がある、HONDAである。以下はホンダの理念ビジョンに関する記述である。


創業時からの企業哲学である「Hondaフィロソフィー」の基本理念の1つに「人間尊重」が謳われています。これは「人間は本来、夢や希望を抱いてその実現のために思考し、創造する自由で個性的な存在である」ととらえ、「こうした人間が集い、個性を尊重し合い、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、ともに喜びを分かちあいたい」という理念です。そしてこの理念は、Hondaグループすべての企業とそこで働く従業員一人ひとりに共有されています。
この基本理念に加えて、「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」というHondaの2020年ビジョンの変革の方向性には、「商品と、そこに込めた技術の思想をもって、世の中、そして人の役に立ちたい」「Hondaらしいユニークな発想で、人々の暮らしを便利で楽しいものにしたい」というHondaの原点があります。創業から抱き続けてきた「世の中と人の役に立ちたい」という想い。この想いはすべてのHondaで働く従業員に通じており、これまでもこれからも変わらずHondaの原点でありつづけます。


ホンダの原点は人間尊重である。

諸行無常

貢献できる自分であり続けないと、会社も個人も死に向かう。お金は事業の目的ではなく手段である。使い方で心情、人格が分かる。商品は乗り物である。変えられるし、乗り換えられる。10年毎に流行りは変わる。商品には一生があるためピークがある。乗り物を変えるのはトップの仕事。奢った時点で没落が始まる。成功は運であり自分の実力ではない。買取王国の長谷川社長の言葉である。幾度もの事業転換をして今の商品リサイクル業にたどり着いた社長の経営ポイントは「捨てる決断の重要性」だった。

世の中は諸行無常。物事は常に変化している。才能とは継続のコト、楽しくなくては続かない。何に乗るかは自分の選択、人が上手く行ったから自分が出来るとは限らない。

経営者の仕事は方向を示す事、社員は方針が明確だからシャープに動ける。創業時の経営者のほとんどが私欲を満たすことが経営目的である。人が増えるに従って、それでは人がついて来ないと悟り社会貢献が事業目的と気づく。


経営者のとってもう一つ大切な身の丈の経営の解釈は、「経常利益率が5%から上がって行くのなら拡大できるが、利益率が下がり拡大するのは身の丈を超えた成長」と自ら既存事業投資基準を定める事も教わった。下がりつつけるトレンドを確認したら拡大をやめ新規事業にバランスを多くする。


既存事業の収益性が落ちて、次のビジネスネタがないのが中小企業の現状である。毎日環境変化に目を向け、自分がこの世にお役に立てるビジネスを探し続けるのは社長の大きな役割であると再確認した。