hanayamaくんからSNS上で突然ふられたのは、「白いぼうし」(あまんきみこ)の夏みかんのこと。
《全国の光村教科書4年生の国語を教えた方なら何人か嘆いているだろう問題。それは、なぜ「白いぼうし」を4月に勉強するのか…
(カリマネとか言ってずらすこともできるけど)
薄々気づいている方もいらっしゃると思いますが、あえてここで伝えたい。
「夏みかんは4月にはない!」》
この「問題」で、「サンニさんが応えてくれる」とぼくの見解を求めているんだな、そう思ったので、このブログで応えますね。
4月に夏みかんはない!?
本日(4月19日)、我が家の前の夏みかんの木の写真です。まだいくつか実がなっています。
ジャムおじさんは、この冬から春先まで、この夏みかんにずいぶん世話になりました。4月でも夏みかんはあります。
ぼくはジャムおじさんとして有名です。コロナ禍では、籠ってジャムづくりをしました。
11月、12月は柑橘類の中から、柚子ジャムづくりをしました。柚子は、埼玉県毛呂山町まで行って「桂木柚子」を購入しました。
夏みかんはそのままではとても食べられない!
1月に入ってから、我が家の前の家になっている夏みかんを使って、夏みかんジャム(マーマレード)をつくり始めました。(その家の方からは自由に獲っていいと許可をもらっています)
その夏みかんは秋口からオレンジ色になってはいましたが、1月までは待ちます。なぜなら、夏みかんの皮はオレンジ色でも、実はとても酸味が強く、かつ苦みもあり食べられたものではありません。
しかし、マーマレードには適度な酸味が必要です。食べるのには早くても、1月から3月くらいまでがマーマレードには適しています。
実を食べようと思ったら、「追熟」(早めに収穫して寝かせて、酸味を飛ばし、甘みをます)する必要があります。初夏近くまで木に成らせたままにしておくこともあります。
食べるには4月から5月頃(時には6月くらい)がいいのです。
普通、温州みかんなど(柑橘類)は、晩秋に収穫し、冬に炬燵に入っては冬に食べるのに対して、夏近くに食べることもあるので「夏」みかんと呼ばれます。
「白いぼうし」では
さて、「白いぼうし」にはモンシロチョウ出てきます。モンシロチョウの成虫は3月ころから秋口まで飛んでいます。真夏の暑い日は飛びません。
夏みかんを「食べる」ころだということも併せれば、この物語の時期は6月と考えてもよいでしょう。(実際に文章には「今日は六月の初め」の暑い日とあります。)
おまけに、この夏みかんは「いなかのおふくろ」が「もぎたて」を送ってくれたものです。
においが強いのもそのためです。
さて、瓶に入った夏みかんマーマレードは、4月に入って作った、シーズン最後のものです。まだ、木には夏みかんはありますが、甘みが出たので、酸味が足りないのでもう作りません。(昨日は、いちごを買って来たので、いちごジャムおじさんです)
「夏みかん」と「甘夏」の違い
収穫を翌年の初夏まで遅らせる、あるいは冬に収穫して貯蔵するといった工夫をして、酸味が抜けて初夏のころに美味しくいただけるようになり「甘夏」「夏みかん」と呼ばれるようになりました。
「甘夏」は、正式名称を「川野ナツダイダイ」といい、夏みかんの変異品種です。突然変異の一種の枝変わりで、昭和10年に大分県津久見市の川野豊さんによって発見されました。 夏みかんより酸味が少ないので甘夏と呼ばれました。
詳しくは、以下のリンク先をどうぞ。
結論から言えば、もともとは同じもの。
違いは、①流通する時期(甘夏が早い) ②味(甘夏が糖度が高い)です。
ということで、hanayamaくん、4月に夏みかんはあり!
だけど、少し下調べをしておかないと、季節感がつかみづらいな。
できれば、教科書の掲載順を少し遅らせて、6月あたりに学習するといいのかもね。