私が、『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら〜』(94年放送、TBS、野島伸司)をリアタイしていたのは、ちょうど年齢が2桁になった年で、まだ小学生でした。
なんと、いじめっ子役で強烈な印象を残した黒田勇樹さんも当時、まだ小学6年生!
それをつい最近知った。
翌年、同局の連ドラ『セカンド・チャンス』で兄弟になる堂本剛さんの3つ下のの学年です。
ちなみに、セカチャンの黒田勇樹はいいぞ〜!!笑。
こちらはホームコメディだが、彼は三昧目担当で情けないキャラ!トホホ顔が多くてとにかく笑えます😆
剛さん演じる兄に、『女の腐ったヤツ』と常に言われていて、母親の田中美佐子さんにも幼稚園の弟にもこき使われる弟の役です🎶
そして、赤井英和さんが、田中美佐子さんの再婚相手役😁つまり、また剛くんの父に(血縁はないけど(^_^;))
赤井さんは完全に、こっちの役の方が巧いw
『人間・失格』は、進学校に転校してきた中学3年生の男子・大場誠(堂本剛)がクラスメイトや教師によるイジメにより自殺し、彼の父・大場衛(赤井英和)が教師や生徒に復讐する話。
堂本剛さんと赤井英和さんが親子役で、主演は赤井英和さんです。
当時見ていた時は、加勢大周さん演じる盗撮魔の新見が強烈に憎くてそれは見直しても変わらないけど、
ヤツはどう見ても精神病患者……
未成年の子供やヤツとは別に、まさか、彼が…とはと思う人物が、今回非常に憎たらしく思えて凄く残念で悲しかったです。
25年後に見直してみての発見!!
まず、その人物の前にもう一人。
担任教師の森田千尋。
無力すぎて、鈍感すぎて、言葉も出ない…。
『高校教師』の繭だった、お美しい桜井幸子さんが演じているのに、流石のドジさに腹が立ちます!!
誠が転校してくる前に起きていた、黒田勇樹さん演じる武藤への陰湿なイジメを目の前で目撃してるんです、彼女は…。
それなのに、ずっと何もしておらず、それどころか同僚のクズ(それも新見…)に勘違いの恋なんかしてたりしてイライラ!!
その後も、
数々の濡れ衣を着せられた誠の、
『僕は何もしてない』……という今にも死にそうな声を直接、聞いたのにも関わらず、話をそれ以上聞き出そうとしなかったのは罪深い。
この時の堂本剛さんの台詞の言い方、本当にリアルすぎた!!
そして、
私が言いたかった、一番憎たらしい人物とは、
まさかの誠の父親であり本作の主人公の大場衛(赤井英和)です。
自分の可愛い息子が、訳もなくクラスメイトの骨を折るわけないでしょうが!!!!!
万が一、訳があっても、素手で骨を折るなんてことは絶対に誠はしないと視聴者が断言できるほど良い子なのに…!!
教師のカメラも盗むわけないじゃん!!!!
新見のカメラなんていらねーよ!!
何で信じてあげれないんだ??
信じたれよ親父!!!!
誠のピュアな目を見なさいよ?!?!
本当かどうか、理由や事情を探ろうともしないで、相手にすぐさま土下座……
ショックすぎて言葉を失った。
息子が進学校を退学にならなければ何でもいいんだな、と。
誠が絶望する気持が痛いほど分かります!
大場衛という男は、自分の学歴コンプレックスが酷すぎる。
それゆえに、頭が良い相手にはすぐ負けを認めてしまう。
ラーメン屋、カッコいいのに。誠も誇りに思っていたのに…
誠の一番近くにいて、生まれた時からずっと一緒で、一番、誠が優しい子だと知っていたはずなのに酷すぎる裏切り。
この親父は息子のことを信じようとしてなかっのです。対話もできなかった。
誠の心を何も分かろうとせず、無理やり学校に行かせてしまった。
父親による、息子の敵討ちの物語のこの作品ですが、残念ながら、それ以前に彼も…。
衛は愛する妻を失ってから再婚して、新しい妻(横山めぐみさん)のお腹には新しい命もいた。
それなのに、物語序盤から、亡くなった妻に似ているといって、誠のクラスメイトの留加(堂本光一さん)の母親(荻野目慶子さん)に話を聞いてもらったりもしていた。
演じているのが赤井英和なので、ここまで繊細な人物として描かれていたのは驚いた。
親とはいえ、大人の男とはいえ、人はみな弱いものだけれど、もっと、堂々としていて欲しかった…
本作のキャッチコピーは、
『少年を殺したのはどの愛か』
……どの愛……。
私は、少年の父親の重い愛が、少年を結果的に苦しめてしまったと思う。
せめて、父親が絶対的な彼の味方であり、全面的に彼を信じていれば…と思わずにはいられない。家庭、という居場所を誠から奪わないで欲しかった。