Lost in Love / MIYAVI | 安眠妨害水族館

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Lost in Love/MIYAVI

 

1. Intro

2. Broken Fantasy

3. Eat Eat Eat

4. We Stay Up All Night (La Da Da Da)

5. Real Monster

6. Mirror Mirror

7. Dancing With The Dark

8. Tragedy Of Us

9. Last Breath

 

オリジナルアルバムとしては3年ぶりとなるMIYAVIさんのフルアルバム。

 

"Duality"をテーマにした2部作アルバム「Lost in Love, Found in Pain」の前編にあたる1枚。

Duality=二面性。

Dué le quartzを連想させるワードであり、アートワークもどこかヴィジュアル系的。

THE LAST ROCKSTARSでの活動が、シーンへの郷愁を駆り立てたということでもないのでしょうが、ダーク要素を持つメロディへの回帰となった印象です。

 

もっとも、ストーリーを余すことなく伝えたいという意図から、全編を英詞で統一。

そのアプローチは、日本語を前提にした歌謡メロとは一線を画し、グルーヴ感を意識したものになっていました。

そして、今の彼のサウンドには、それも似合う。

ヴォーカリストとしての意識が高まり、メロディへのこだわりが強まった影響が、本来のギタープレイに上手くハマった形。

いよいよ、ヴォーカリストとしての覚醒が見えてきたのでは。

 

ロック色が強く出た「Broken Fantasy」は、コンセプトの中で重要な意味を持ちそうなアンセム。

ショートビデオが公開された「Eat Eat Eat」では、ヴォーカリストとしての本領発揮。

これまでのようにリズムに乗って吐き出すスタイルではなく、登場人物に憑依して歌うような表現の領域に達していて、なるほど、ここまで昇華したのであれば自信を持つようになるわけだ。

ヒップホップ調の「Real Monster」や、ピアノで歌うことを前提にしたラストの「Last Breath」などは、本職であるギターが出てくるまでに我慢が必要となるものの、終盤にピンポイントで登場し、空間を鋭く切り裂きます。

究極的なメリハリ。

アイデンティティが、ギタリストだけではなくなったことによって実現できたアレンジでしょう。

 

後編である「Found in Pain」は、いつぐらいに発表されるのかな。

テーマが"二面性"だけにガラッと変わる可能性も孕んでいて、どんな完成図がMIYAVIさんに見えているのか、早く聴いてみたいものですね。
 

 

 

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