NO SLEEP TILL TOKYO / MIYAVI | 安眠妨害水族館

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NO SLEEP TILL TOKYO/MIYAVI

 

1. STARS

2. NO SLEEP TILL TOKYO

3. TEARS ON FIRE

4. OTHER SIDE

5. SAMURAI 45

6. BUTTERFLY

7. WALK WITH ME

8. UNDER THE SAME SKY

9. WE CAN’T STOP IT (REWIND)

10. 千客万来

 

 

オリジナルとしては3年ぶりとなるMIYAVIさんのフルアルバム。

もっとも、「SAMURAI SESSIONS」シリーズのリリースが続いていたため、むしろ"早くも届けられた"という感もありますが。

 

タイトルが示すとおり、世界基準で活動してきたMIYAVIさんが、改めて日本に目を向けた作品と言えるのかもしれません。

日本語の歌詞が増え、わかりやすさ、キャッチーさも増した印象。

ボーナストラック的な扱いで、DAOKOさんとのコラボレーション「千客万来」も収録され、しっかりとセールスポイントも作っています。

 

内容としては、転機となった「WHAT'S MY NAME?」以降の総括的なサウンドに溢れていますね。

しばらくの間、控えめになっていたスラップギターも復活させ、これぞMIYAVIさんといったギタープレイが随所に見られる。

そのうえで、近年強めていたEDM的アプローチで色付け。

ダンスビートやヒップホップ、エレクトロを混ぜ込んで、ここ数年の活動が、きちんと血肉になっていることを証明した形でしょうか。

 

あえて、新機軸を求めなかったきらいはありますので、新鮮味は弱いのですが、その分、洗練されたのは間違いない。

J-POP由来のポップネスが自然と溶け込んでいて、もはや洋楽に寄せた、とは言わせないオリジナリティに。

これを丸くなったと見るリスナーもいるでしょうが、ここは、日本で戦うための適応、あるいは進化であると信じたいところです。

 

欲を言えば、ボリューム面であとひとつ何か欲しかったかな。

アルバムのバランスとしては、綺麗にまとまっているのだけれど、やや食い足りなさがあり。

初期の作品のように、シークレットでDué le quartz時代の楽曲のセルフカヴァーを、というのは無理にしても、変化をつけるアクセントがあっても良かったのかも。

 

なお、ジャケットは「東京喰種」の石田スイ氏が担当。

初回限定盤と通常盤でイラストが異なっており、それぞれCDで手元に置いておきたくなります。

 

 

⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ!

 

猫-nyan-的愛哭AB型理論/yuina

 

詳細なレビューは<こちら

純粋に現在のMIYAVIさんと近しい音楽を、V系シーンから探そうとすると難しい。

なので、本作では総括しきれなかったメジャーデビュー前後のMIYAVIさんを彷彿とさせるサウンドを展開しているyuinaさんのソロアルバムをセレクト。

ヴォーカリストとしてのキャリアの差はありますので、垢抜けていない感はありますが、様々なアーティストのコラボレーションという制作スタイルも相まって、結果として親和性が高まったイメージです。

DollyやDOPPELで見せたメルヘンな世界観も残す一方、ギタリストとして引き出しを広げようとチャレンジ。

常々、再評価されても良いのでは、と思っている1枚。

 

 

<過去のMIYAVI(雅-miyavi-)に関するレビュー>

SAMURAI SESSIONS vol.2

Fire Bird

The Others
MIYAVI
SAMURAI SESSIONS vol.1
[雅-みやびうた-歌]~独奏~

雅楽-gagaku