不夜城エデン/アリス九號.
1. 革命開花 -epilogue-
2. 革命開花 -Revolutionary Blooming-
3. BABYLON
4. TESTAMENT
5. 游戏 -ASOBI-
6. 罪人
7. CYAN
8. Everlasting
"アリス九號."名義では、実に11年ぶりとなった9thアルバム。
2020年、活動が停滞するバンドが多い中で、2枚のアルバムを発表した彼ら。
曲数的にはミニアルバムサイズですが、いずれにしても精力的と言えるでしょう。
本作の特徴は、"和"への回帰。
初期の作風であった日本文学的な歌詞と、四季折々の風景を感じさせるメロディが蘇った印象です。
一方で、同期を強めたり、EDMに挑戦したりといった近年取り組んでいたデジタルサウンドとの融合も、きちんと血肉にしているのかと。
「革命開花 -Revolutionary Blooming-」や「BABYLON」、「游戏 -ASOBI-」といったラインナップが、特に象徴的。
三味線を意識したギターのリフを彩る、ギラギラした同期。
近未来的なサウンドと、古き良き風雅なメロディが倒錯的に絡み合い、なんとも新しい質感を生み出しているのですよ。
「不夜城エデン」というケバケバしいタイトルも、実に巧妙。
感覚的ではあるけれど、アルバムを通してひとつの物語になるような、シアトリカルな演出として効いていたのでは。
15年に渡って同じメンバーでバンド活動を行うことで培った経験と、結成当初のバンド名に戻したことで思い出した初期衝動。
濃密にぶつかり合ったときのパワーは、あの頃の彼らの比ではなく、もしかすると"原点回帰"という言葉では納得感がないのかもしれない。
懐かしい、という感慨深さに浸る隙さえ与えてくれない、現在進行形のアリス九號.の復活劇。
その幕開けとなる、記念碑的な1枚です。
<過去のアリス九號.(A9/Alice Nine)に関するレビュー>