- GEMINI/Alice Nine
- ￥3,150
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1. I.
2. RUMWOLF
3. Stargazer:
4. 4U
5. 蜃気楼
6. KING&QUEEN
7. Entr’acte
8. 閃光
9. 風凛
10. GEMINI-0-eternal
11. GEMINI-I-the void
12. GEMINI-II-the luv
13. birth in the death
14. Overture -Bonus Track-
Alice Nineは、顔だけのバンド。
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
バンド名を、アリス九號.から、Alice Nineに改め、2011年にリリースした4thフルアルバム。
双子座をテーマにした本作は、二面性、二極性を表現したコンセプチュアルな内容に仕上がっています。
全体的に感じるのは、スケールの大きさ。
単にスローテンポの壮大な曲があるからそう言っているのではなく、緩急のついたバンドサウンドがドラマティックにシンセと交錯し、緊迫した音の中にも、無限の広がりを見い出すことができる。
ゆるい曲ばかりが収録されているわけではないのですが、バラードの大作を聴ききったような充実感、ボリューム感があるのです。
象徴的なのが、「GEMINI」の三部作。
トラックは3つにわかれているものの、組曲のような位置づけで、一連のテーマに沿って演奏されています。
合わせて、12分を超える楽曲なのですが、ロック調になったり、バラード調になったり、テンポも拍子もコロコロと変わっていき、まったく飽きを感じさせない。
アレンジも、シンセ一辺倒ではなく、生音による主張も忘れません。
結果、非常にプログレ色の強い雰囲気。
遂に、ここまで成長したのか。
Vホス系の走りみたいな位置づけに捉えられるバンドですが、その辺のバンドとの格の違いは見せつけたのではないかと。
もちろん、アッパーな楽曲や、キャッチーなポップチューンも、バランス良く配置されている。
アルバムとしての完成度が高い一方で、シングルに出来そうなナンバーも多いですね。
これは、なかなか魅力的。
どことなくラクリマ臭がする「風凛」など、ミディアム・バラードも聴きごたえがあります。
彼らの持ち味を出し切ったうえで、予想を超えた音楽も飛び出しており、これは一聴の価値あり。
将さんのボーカルが、だいぶ安定しているのもびっくり。
hyde意識の歌い癖は弱まって、ハイトーンが伸びるようになった。
難解さも出てきた楽曲の中で、埋もれずに歌いきっています。
冒頭の一文に繋がっていきますが、そのセリフ、このアルバムを聴いてからでも言えますか？
そう問いかけたくなるほどの傑作。
＜過去のAlice Nine（アリス九號.）に関するレビュー＞