Diamond Prince/JILL-PRINCE
1. Crescent Blue
2. Winter's Memory
3. Bitter & Sweet
4. 恋よりRINOち
5. 彩花繚乱
6. #ガチで恋する5秒前
7. Seaside Mellow
8. ラビリンス (Album ver.)
9. Diamond Dust (Album ver.)
10. Apocalypse
11. 本命LOVE STORY
12. Ms.ガールフレンド (Album ver.)
関西を拠点に活動しているJILL-PRINCEの1stフルアルバム。
５年の活動の中で、Vo.たかひろさん以外のメンバーは総入れ替えとなった形。
それでも、本作には結成初期の楽曲から、最新のナンバーまで、JILL-PRINCEの活動の軌跡とも言える構成に仕上がっています。
旧メンバーで発表されていたシングル曲は、現メンバーでリテイク。
当時のメンバーが作曲や編曲に関わった楽曲を過去のものとすることなく収録しており、音楽性の変遷が良く分かる内容になったのでは。
総括としては、昨今では珍しくなってきた、アイドル的なポップロックを展開。
いや、アイドルもマニアックな音楽性に潜って行くことが一般的になった現代においては、むしろニッチな路線を突き進んでいるのかもしれません。
甘い歌声とポップなメロディを武器と割り切って、個性を活かす方向に特化。
退廃的な世界観やラウドなサウンドを好む層からは抵抗がありそうなスタイルですが、たかひろさんの癖のあるハイトーンボイスは、確かにこれにハマっているのです。
初期の楽曲はほんのりとダークな雰囲気を帯びていたこともあり、ポップチューンがいっそう印象的に映える相乗効果。
アルバムのバランスを意識するうえで、プラスに作用していました。
音楽性を踏まえると、もう一歩、演奏に見せ場が欲しかったのは事実。
歌唱力についても、音程の部分でときどき怪しい部分があり、特に「Apocalypse」は、正当なメロディラインと捉えるには前衛的すぎるでしょう。
ただし、彼らの進みたい方向が良く分かる力の入った作品であることもまた、間違いではないのかと。
過去の作品を無駄にはせず、これからの未来を見据えた視点も持ちあわせている。
ブックレット内に、購入者へのコメントを掲載する意外性のあるサービスも、CDだからこそのこだわり。
成長の意欲はあるはずなので、演奏時の連携が深まり、各々のキャラクターが活きてくれば、化ける可能性もありそうです。