自画自賛/ホタル
1. たからもの。
2. 未練
3. 切り裂きジャック
4. 死にたがりと天
5. 野良犬の詩
6. 氷雨
ホタルの"自的ベストヒット"シリーズの第一弾としてリリースされたミニアルバム。
現役時代の作品が軒並み廃盤となっていることを踏まえ、今のホタルのサウンドで過去の楽曲を録り直したいというメンバーの意向で制作された本作。
再録曲を中心に、１曲だけ新曲を加えたパッケージ作品として、将来的にシリーズ化していく方針とのことです。
第一弾ということで、彼らのターニングポイントとなった代表曲が目白押し。
結果的に、アンプラグドEP「ヒトオト」の完全盤といった収録内容になったでしょうか。
復活後のライブでも、大きくアレンジを変えてこなかった彼らですが、本作に向けて、いくつか変化させている部分も見られますね。
全体的な部分としては、悠歌さんによるピアノが加えられたこと。
「たからもの。」のノスタルジックな導入や、「切り裂きジャック」でのジャジーな演出は、この鍵盤の音色がなければ実現できなかったのかと。
また、「未練」の途中の台詞が差し替えられている等、新たな解釈が加えられた楽曲もあって、サウンドのまとまり、音質の向上といった当時の物足りなかった部分の改善に留まらず、奥行きを広げてきた印象。
「死にたがりと天」にしても、「野良犬の詩」にしても、年齢を積み重ねたことによる説得力が半端ないのですよ。
なお、新曲である「氷雨」は、Gt.杏太さんが作詞・作曲を担当したロックチューン。
サビにおける力強い掛け合いが特徴なのですが、メロディ部分はしっかりと昭和歌謡六区であり、今の彼らの新曲として絶妙な仕上がりになったのでは。
Aメロにおける、表と裏が入れ替わる歌メロ部分が効いていて、これまでになかったタイプの哀愁感の演出だと感心してしまいます。
流通に乗らないのはもったいないけれど、新曲が浮くことなく、当時の楽曲を現代に蘇らせた傑作と呼べる１枚。
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