社会に散った日/ホタル
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1. 社会に散った日
2. 鬼灯
3. 影になったレイラ
4. 社会に散った日(カラオケ)
5. 鬼灯(カラオケ)
6. 影になったレイラ(カラオケ)
実に13年ぶりとなるホタルのシングル。
先行して、 11月19日に開催の「落日ピカレスク2017」にて販売された「スペシャルグッツ」に封入される形で発表されていましたが、晴れて一般流通となりました。
スペシャルグッツ盤との仕様の違いは、ジャケットのデザインと、「影になったレイラ」および各楽曲のカラオケバージョンが追加収録されていること。
単純に楽曲だけを網羅したいということであれば、流通盤のみを押さえておけば良いでしょう。
「社会に散った日」と「鬼灯」は、復活に備えて書き下ろした楽曲。
追加された「影になったレイラ」については、解散前からライブで演奏されていたナンバーとなっています。
ラストライブのDVD等、音源としては残っていたものの、スタジオテイクとして発表されるのは初。
まさか、こんな日が来るなんて、感慨深いものがありますね。
「社会に散った日」は、 ホタルがあのまま継続していたら、こんな曲をやっているだろうな、と想定して。
「鬼灯」は、 当時のホタル の音楽性を再現する、というコンセプトで、それぞれ制作されたもの。
歌詞のテーマは、どちらも同じことを歌っているのだとか。
同内容となるため、詳細はスペシャルグッツ盤のレビューをご参照くださいませ。
さて、「影になったレイラ」は、当時の制作スタイルにあやかって、作曲者はホタル名義。
大人の事情で自由な作曲が出来なかった後期ホタルにおいて、唯一全員で同じ方向を目指して制作に取り組んだ楽曲であると後にメンバーが語っているように、解散直前の楽曲ではありますが、世界観やアレンジワークには初期の香りが残っています。
戦争の悲劇を歌った、どっぷり沈み込むような重たい歌詞も、シンプルだけれど耳に痛いほど残る歌メロも然り。
あの頃、音源化されなかった理由もわかる気がするが、ミサイル問題等がホットな話題となっている今、この楽曲がリリースされることでより刺さる部分があるのも事実なわけで。
初の音源化ということで印象的だったのは、やはり玉音放送とのリンクでした。
アカペラになる部分で入ってくる、生々しい言葉たち。
過去の作品でも、この手の演出を使っていたことはあったのだが、言葉の重なりやタイミングにもこだわったということで、インパクトは絶大に。
ギターソロも少し変更されていて、アコースティックギターの音色が加わりましたね。
激情たっぷりに歌われるナンバーだけあって、哀愁漂うフレーズが効いています。
パワーがありすぎる楽曲なので、新曲と融合できるかが不安ではありましたが、実際に耳にしてみるとバランスは悪くない。
きちんとホタルの楽曲として3曲が共生できているので、メンバーが認識しているホタル像はズレていなかったのだな、と改めて。
玉音放送の演出をはじめ、カラオケバージョンで聴くことによる新たな発見もあり、充実感のある1枚。
これからの人生のテーマソングが、またひとつ増えました。
<過去のホタル(hotaru)に関するレビュー>
西口改札ラプソディー
サラバ余の闇されど世は病み
落陽ピカレスク
サクラチル
歌謡サスペンス激情