自我/自我-ジガ-
1. 音無
2. カケチガイ
3. 激情
4. 白日
5. 雨音と憂鬱
6. お伽話
7. 無垢
8. 「追憶」
9. 蕾
10. うたかた
11. ズタズタ
12. 絶望輪舞曲
13. 焔
14. 芽生え
"人の心の奥底に眠る黒いエゴを投影する"をコンセプトに活動していた自我-ジガ-の1stアルバム。
2020年1月に始動し、12月に解散。
僅か1年足らずの活動期間となりましたが、結成間もないタイミングでフルアルバムをリリースする等の存在感を示していました。
Ains所属のバンドらしい、コテコテ系ど真ん中のヴィジュアル。
世界観としても、和の要素を意識しながらダークなテイストを押し出していくスタイルを狙っていたのでしょう。
一方で、実際に耳にしてみると、予想していた音楽性とは違ったな、と。
音使いにしても、メロディセンスにしても、ほんのりメルヘンな香りがする歌モノが中心。
激しい楽曲を送り込んでも、Vo.名残-ナゴリ-さんの艶やかな歌声を活かしたパートは必ず用意しており、全編通して、メロディの良さで勝負している印象です。
勢い重視なのかと思いきや、演奏は何気にテクニカルな要素も強く、なかなかどうして邦ロックシーンとの相性も良さそう。
「激情」や「うたかた」のように、素材の良さを活かすアレンジの楽曲が特に記憶に残ったかな。
もったいなかったのは、彼らの音楽性が本来届けるべき層に届かなかったきらいがあること。
コテコテ系だけを期待して聴いてしまうと、物足りなく感じるだろうし、この音楽性が好きなリスナーは、コテコテすぎる見た目が邪魔をして、アンテナに引っかけることが出来なかった印象。
事務所のイメージも相まって、必要以上に"王道的なヴィジュアル系"バンドであることを押し出しすぎてしまった感がありますかね。
垢抜けていない部分はあるも、ハードなサウンドと、メルヘンなメロディの掛け合わせが好みであれば、新たな出会いになるのでは。