安眠妨害水族館的 2019年下半期CD大賞~前編~ | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

気が付いたら年末。

半年に一度、安眠妨害水族館的CD大賞のコーナーです。

もはや、音楽を聴く手段がCDではなくなりつつある昨今ですので、少しテコ入れは必要かもしれませんが、イチゼロ年代の締めくくりは、これまでどおりのスタイルでやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

レギュレーションは以下のとおり。

① 2019年7月~12月に発売された作品であること
② 誰でも購入できた作品であること(通販限定、配信限定は対象。会場限定や条件付で購入権が手に入るような作品は対象外)
③ V系シーンをメインフィールドとして活動しているバンドの作品であること

 

あくまで主観ですので、その点は何卒ご了承を。

 

 

第10位

 

 

ばーすまたー/ユメリープ

ばーすまたー ばーすまたー
2,750円
Amazon

 

詳細なレビューは<こちら

安定して良作を送り込んできてくれているユメリープですが、本作は特に突き抜けた感がありました。

多少、引き出しを増やす作業はあるにせよ、音楽性はブレることなく、ひたすらにブラッシュアップ。

その成果が結実したとも言えるミニアルバムは、過去最高を更新したと言っても過言ではないでしょう。

新体制になって日が浅いことを踏まえればポテンシャルも秘めているわけで、これからへの期待も込めて選出させていただきます。

 

 

 

第9位

 

 

切り雨/雨や雨

切り雨 切り雨
2,000円
Amazon

 

詳細なレビューは<こちら

初の流通作品となった雨や雨の1stアルバム。

Hitomiさんのキャリアの中で、オリジナルとしてのフルアルバムは2枚目というのが意外ですが、彼のアーティスティックな世界観をしっかりとパッケージしてくれています。

アレンジにはわかりやすさもあって、聴きやすさも両立。

もうひと工夫、捻りがあったらワンノッチ上がったかな、という気はしているものの、ピアノアレンジでの別バージョンも会場限定で発表。

初心者向け、コア層向けの双方に向けて仕掛けを変えてきているとなれば、ここに入るのも妥当かな、と。

 

 

 

 

第8位

 

 

この雨に撃たれて/cali≠gari

 

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年末にリリースされた「ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか」も、コンセプチュアルで味のある作品だったので迷うところではあったのですが、「10」のRebuild盤が付属されたことを勘案、こちらをセレクトします。

cali≠gariの雨ソングをまとめたEPとなっており、新曲、「この雨に撃たれて」は濃厚な世界観を堪能できる名曲。

「冷たい雨」、「続、冷たい雨」という連作の再録も、単純に嬉しかったですね。

加えて、その2曲を続けて演奏したトラックも収録されており、ライブでの構成も再現。

聴かないという選択肢はありませんでした。

 

 

 

第7位

 

 

標本/heidi.

標本 [TYPE-B] 標本 [TYPE-B]
3,300円
Amazon

 

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活動歴が長くなり、継続とチャレンジのバランスに苦心していた感のあるheidi. でしたが、ここにきて新旧のファンが納得できる名盤が出来上がったのではないかと。

"レトロ"の解釈を少しずつ広げていき、"エレクトロ"まで取り込んでしまった彼ら。

もはや歌謡曲ベースの歌メロさえあればheidi.らしい、という境地にまで持っていったことで、アルバム全体にまとまりが出ましたね。

マンネリ感を感じることはほとんどなく、かといって、変わってしまったという感覚も薄い。

継続は力なりの模範解答のような作品であり、もっと評価されても良いのでは、と思っている1枚です。

 

 

 

第6位

 

 

辞するモラトリアム/彩冷える

辞するモラトリアム 辞するモラトリアム
2,200円
Amazon

 

詳細なレビューは<こちら

実質的に活動を止めていたバンドが、復活してリリースするオリジナルアルバム。

これって、なかなかニーズと折り合いをつけることが難しいと思うのですよ。

当然新譜は聴きたいのだけれど、あの頃から変わり果てた音楽は聴きたくないというリスナー心理。

成長を見せたい、あの頃ではできなかったことをやりたいというアーティスト心理。

それらをすべて飲み込んで、双方が納得できる作品を作ったという意味でも、スペシャルなアルバムでした。

 

 

 

そんなこんなで、10位~6位までの個人的ランキングでした。

トップ5の発表は、年内最後の更新にて。

 

これで、イチゼロ年代が終わるのかと思うと、なんだか不思議な感じがします。

もっとも、今年聴いて、まだレビューを書けていない作品なんてのもいくつか残っているので、僕のイチゼロ年代はもう少し続きそうなのですけれど。