dadaism#5/DADAROMA
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dadaism#5 TypeB
2,750円
Amazon |
1. Twinkle Twinkle Little Star
2. 嫣然
3. ケイドロ
4. 歌舞伎町のオンナ
5. ピエロのうた
6. 「DAY BY DAY」
7. 「ポルノグラフ」～piano ver.～
DADAROMAの６枚目となるミニアルバム。
"dadaism"シリーズとしては、５作目となります。
"現段階のDADAROMAの主張"として継続しているシリーズですが、今まで以上に"いまどうあるべきか"を考え抜いたのだとか。
もともとはフルアルバムとして制作予定だったものを、何度もレコーディングし直して絞り込んだようです。
そう聞いてしまうと、ここから零れ落ちた楽曲も聴いてみたくなるのがファン心理ではありますが、まずは、それだけ純度とクオリティの高いものが仕上がったということで納得すべきでしょうか。
とはいえ、何かコンセプチュアルにテーマが決められているというわけではなく。
"dadaism"のひとつの魅力である実験的な要素も見せつつ、とにかく何かに突き抜けた個の強い楽曲を揃えてきましたね。
「Twinkle Twinkle Little Star」でメルヘンダークな導入を果たすと、「嫣然」ではハードな中にアーティスティックな趣も。
この２曲については、従来までの彼らのイメージをブラッシュアップした佳曲で、そのままフルアルバムの入り口にしても良かったような流れの良さもありました。
実験的な要素を強めるのは、「ケイドロ」と「歌舞伎町のオンナ」。
「ケイドロ」は、これまでにありそうでなかった郷愁系のナンバーで、切ない和メロが炸裂するサビのインパクトは絶大です。
また、途中で差し込まれる舞台背景を知る前と知った後で、同じ言葉で歌っているのに、サビの歌詞の聴こえ方が変わってくるというギミックも効いている。
ヘヴィネスを重視するだけでなく、薄めの音作りでも、十分に彼らの魅力が発揮できることを証明してみせました。
コミカルな要素を多分に取り入れた「歌舞伎町のオンナ」は、夜の街で繰り広げられるコールを楽曲に取り入れた実験作。
あえてコール感を出すために、女性による地声でのコーラスを織り込むなど芸が細かく、「ケイドロ」のシリアスさから一転、軽いノリで進行していきます。
ただし、サビのメロディが珠玉というから憎めない。
この抜け目なさこそ、DADAROMAの真骨頂と言わんばかりですよ。
再び王道路線に帰結し、メタリックなリズムと、叙情的なギターのフレーズが交錯する「ピエロのうた」に、壮大に広がっていくアンセム的な「DAY BY DAY」でクロージングしていく構成は見事の一言。
Type Bには、「ポルノグラフ」のピアノアレンジバージョンが追加収録されていますが、アルバムとしては、この「DAY BY DAY」によって明確に"締まった"と感じ取れるのです。
これ以上を求めるのは酷だと思うほどに濃厚。
散漫なフルアルバムを作るのなら、良質なミニアルバムを、という判断が奏功したのは間違いありません。
「DAY BY DAY」が最後に待っているのなら、時間がかかったとしてもフルアルバムで聴きたかった、という気持ちがないと言えば嘘になりますが、"dadaism"シリーズ最高傑作が、ここに誕生。
ここから入っても十分に楽しめる内容となっていますので、入門書としてもおススメできそうな１枚です。
⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ！
Radicarhythm/シリアル⇔NUMBER
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Radicarhythm
1,080円
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詳細なレビューは＜こちら＞
音楽性的なつながりではないのだけれど、王道の中に遊びを取り入れて新境地に踏み込んだミニアルバムということで。
実は、この作品に収録されている「パリラ」という楽曲が、「歌舞伎町のオンナ」と同様に飲み会でのコールをV系サウンドとして取り込むアプローチにチャレンジしているのですよ。
DADAROMAほど生々しい表現は取り入れていない代わりに、"酔い"を調子を外していくギターフレーズで再現するという工夫も見られ、面白い。
ふざけているように見えて、きちんと表現に向き合っているところも、V系の魅力なのかもしれません。
＜過去のDADAROMAに関するレビュー＞
「夢タラレバ」
「螺子」
dadaism#2
Happy Halloween
「最終電車」
「雨のワルツ」
dadaism#1