DEFINITION / DIAURA | 安眠妨害水族館

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DEFINITION Atype/DIAURA

DEFINITION Atype DEFINITION Atype
3,240円
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1. ivy

2. MALICE

3. 嘘とワルツを

4. [dignity]

5. ヘルグライド

6. SPECIES

7. 断頭台から愛を込めて

 

DEFINITION Btype/DIAURA

DEFINITION Btype DEFINITION Btype
2,566円
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1. ファントム

2. MALICE

3. 嘘とワルツを

4. [dignity]

5. ヘルグライド

6. SPECIES

7. 断頭台から愛を込めて

 

新レーベル、"N.D.G"を設立することが発表されたDIAURA。

アルバム作品としては1年3ヶ月ぶりとなる4thミニアルバムです。

 

AtypeとBtypeの2種類同時リリースとなり、それぞれ1曲目が差し替えられています。

この手法においては、最後の楽曲をボーナストラックと位置付けての差し替えがセオリー。

作品の象徴とも言えるスタートの1曲で違いを作ってくるというのは、実に意外性がありました。

 

Atypeに収録された「ivy」は、王道的なハード&メロディアス路線。

その中にシタール風のサウンド等、アジアンテイストを散りばめて、既存曲との違いを生み出しています。

Btypeにのみ収録の「ファントム」は、一癖あるミディアムロックナンバー。

神秘的でミステリアスに仕上がっており、安定感を重視したAtype、変化球から攻めてきたBtypeと、入り口の空気をガラっと変えることで、その後の流れが同じなのにも関わらず雰囲気が変わって聴こえるから面白いですね。

 

たとえば、「ivy」からスタートするAtypeでは、シングル曲である「MALICE」であったり、ハードさを強化した「ヘルグライド」、「SPECIES」といった王道的な楽曲に着目して、攻撃性の高い作品であると感じる。

一方で、1曲目が「ファントム」であるBtypeを聴くと、ジャズ風の仕上がりである「嘘とワルツを」、ウネウネとしたフレーズがマニアックに迫る「[dignity]」、壮大に展開していく「断頭台から愛を込めて」といったバラエティ性のある楽曲を、ついついメインに据えてしまいます。

言ってしまえば、「MALICE」以降の流れは同一なはずなのに、1曲目を差し替えただけで、ここまで視点が意図的にズラされてしまうものかと感心せずにはいられない。

結果として、全曲がアルバムのコアとなり得るパワーを帯びていたのではないかと。

 

とことんヴィジュアル系として求められるサウンドにこだわっていく姿勢には、ブレることない太い芯が通っている。

いい加減マンネリかとも懸念していたけれど、スタイルを貫きつつ、聴かせ方の工夫で印象を変えていくという発想の転換には驚きました。

初心者はAtype、ずっと追っていたリスナーであればBtypeがおススメ、ということになるのかな。

もっとも、配信では楽曲単位で購入が可能。

CDではAtypeを手に取りつつ、「ファントム」だけ配信で買うなんてこともできますので、直感で選んでみても良いでしょう。

 

伸び悩みとは言わせない。

DIAURAの矜持をひしひしと感じ取れる作品です。

 

<過去のDIAURAに関するレビュー>

VERSUS

MY RESISTANCE

INFECTION

Triangle
FOCUS
失翼の聖域
SIRIUS/Lily
REBORN
Evils
GENESIS
メビウスリング
Beautiful Creature
失翼の聖域(demo)