FOCUS / DIAURA | 安眠妨害水族館

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FOCUS(初回生産限定盤)(DVD付)/DIAURA
¥3,990
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1. Code:0
2. 砂上の夢
3. TABOO
4. SIRIUS (FOCUS MIX)
5. 赤い虚像
6. Sleeping beauty 
7. Invisible
8. Lost rain~失いの雨、その記憶との共生~
9. The Redemption
10. イノセント
11. TRIGGER

勢いを加速中のDIAURAの2ndフルアルバム。
シングル「SIRIUS」のアルバムバージョンを含む、全11曲入り。
初回盤には、「TRIGGER」のMVが収録されたDVDが付属されています。

1stフルアルバムであった「GENESIS」の段階で、新人とは思えない完成度を誇っていた彼らですが、その後のシングルでは、実験や挑戦を繰り返していた印象。
自らの強みを"90年代風のコテコテ王道路線"と理解しつつ、難解な楽曲や、バラードをシングルに持ってくるなど、幅を広げようとする動きを見せていました。

この流れから想像していたのは、「GENESIS」は、初期衝動の塊だったのだな、ということ。
「とにかくやりたい音楽にこだわったからこそ、あんなにも王道な作品に仕上がったのだろうな」と納得すると同時に、「2枚目では、バランスを意識するだろうから、ある程度、普遍的なバンドになってしまうだろうな」と、勝手に決め付けてしまっていたのですよ。

しかしながら、この「FOCUS」は、その先入観を、あっさりと覆してしまった。
アルバムとして完成度の高い作品を作るよう意識したと語るように、確かに、荒削りな部分は洗練され、曲と曲との繋ぎ、進行上の流れは、とてもスムーズ。
一方で、聴いていてテンションが高まる王道感やら、ヒリヒリとする衝動性は、一切失われていないのです。
確固たるDIAURAのサウンドを、クオリティを上げたうえで、掻き鳴らしてくれた。

ミディアムテンポながら、スタートを切る楽曲として、期待感を煽る「Code:0」。
近未来的なデジタルサウンドで、本作における世界観の一部を示すと、メロディアスで耳馴染みが良い「砂上の夢」、民族的なリズムが癖になる「TABOO」と、らしい楽曲を連発。
シングルであるはずの「SIRIUS」を、アクセントとして使ってしまうほどの贅沢っぷりです。

「赤い虚像」、「Sleeping beauty」で、勢いを増すと、中盤での歌モノゾーンへ突入。
ダークで退廃的な「Invisible」では黒、感情のスイッチが入って美しくメロディを高らかに歌い上げる「Lost rain~失いの雨、その記憶との共生~」では白。
バラードナンバーを続けるというのは、ある種、タブーのようなところもあるのだけれど、対極に位置するような楽曲ということもあり、興味深く聴き進めてしまいます。
楽曲単位では、こういう曲もあるよね、という王道感に溢れているものを、並べることで、本作のコンセプトに合致させ、作品に深みを与えてしまうという創意工夫も良いですな。

じっとりした「The Redemption」、歌メロが美しくメロディアスな「イノセント」と続くと、最後は、「TRIGGER」。
ハードに激しく、だけど、メロディの良さは失いません。
サビでの男らしい掛け合いも、懐かしさがあって、とても格好良い。
これは、なかなかのキラーチューンだ。
次世代の代表曲となるのかもしれない1曲ですね。

あとは、口コミで話題になった「Lost November」のように、単体でのインパクトを持った楽曲はあれば、完璧でした。
DIAURAには、まだまだ先がありそう。
コテコテ好きなら、是非とも、年を越す前に耳に入れておきたい一枚。

<過去のDIAURAに関するレビュー>
失翼の聖域
SIRIUS/Lily
REBORN
Evils
GENESIS
メビウスリング
Beautiful Creature
失翼の聖域(demo)