1.メビウスリング
2011年8月30日、ワンマンライブ「独-DICTATOR-裁」において、会場限定で販売されたシングル。
1曲入りで、500枚のプレスだそうです。
もう、このバンドについては、いかに懐かしいコテコテ感を出してきてくれるかってところに耳が行ってしまいます。
90年代のコテバンの方向性を再現したようなベタベタな手法は、当時のダークシーンを通ってきた人たちにとっては親しみやすい一方で、あえて挑戦するバンドが減ってきた昨今のシーンでは、ニッチなところでもある。
古典的なアプローチを、上手く現代の音楽として昇華させているため、新旧のファンを上手くとりこんでいるといった印象ですね。
本作は、そのDIAURAの王道ど真ん中。
テロテロしたイントロのギターのリフに、疾走するドラム。
メロディアスに最後まで走り抜けるイメージで、緊迫した空気感が心地よい。
ミクスチャーが主流派になっている今だからこそ、高速で押し寄せる怒涛のメロディたちが、新鮮に、ピンポイントに、リスナーのツボを突いてくる。
Vo,yo-kaさんの歌唱力も安定していて、艶っぽく伸びやか。
全体的にメロディ重視の構成ではありますが、更にテンションを上げるのか!と唸らせるほどのサビでの昂揚感もお見事です。
ファルセット部分で、気持ち良さを煽るようにコーラスを入れてくるあたりも、演出が鮮やかにハマっているなぁ。
DIAURAは、活動ペースの割に、ひとつひとつのクオリティも高く保っているのは安心できるところですね。
しかし、売り方と価格設定のせいで、興味はあっても、手を出しにくいと思っている人も多そう。
マイナーバンドだからこそ、工夫して商売しないといけないところもあるのでしょうが、もっと知ってもらおうというベクトルからも戦略を練ってもらって、良心的なリリースを期待したいところ。
このご時世、デモテープのリリースなんてのも話題になっている彼ら。
音楽以外の面でも、懐かしさに飛びつきたくなる企画を持ってくるあたり、抜け目がありません。
王道バンドに、話題性がついてきたら凄いことになる。
このDIAURA、まだまだ目が離せないですね。
<過去のDIAURAに関するレビュー>