VERSUS/DIAURA
VERSUS[初回限定盤]
3,780円
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1. beyond the death wall
2. 侵蝕
3. 砂の塔-Tower of Imitation-
4. ロザリー
5. シャングリラ
6. REM
7. 遠い春
8. 「 」 phobia
9. イカロスの夢
10. Noah
11. Ares or Thanatos
12. ダンシンインザダーク
13. is DEAD
14. IDEA-現実への回帰-
15. ロストチャイルド
DIAURAにとって、およそ3年ぶりとなるフルアルバム。
オリジナルとしては、通算4枚目となります。
テーマを用意してシナリオを組み立てるのではなく、飾らない今のDIAURAを表現したという本作。
"独裁"というバンドコンセプトも相まって、結果的に社会情勢を色濃く映し出したようなメッセージ性の強い作品に仕上がったな、というのが率直な感想です。
非現実的な空気感を纏っているのに、リアリティがある。
彼らの表現力は、ここまで来たか、と。
サウンドとしては、ハードでメロディアスな王道路線をベースに、緩急をつけて。
リードトラックとなる「砂の塔-Tower of Imitation-」などは、疾走感を持って突き進むベタさと、複雑なリズムを織り込むマニアックさのバランスがちょうどよく、この手の楽曲をやらせたら強いぞ、というのを改めて示していました。
同じくコアとなりそうなのは美しいメロディが映えるロックチューン、「イカロスの夢」。
単体ではストレートでも、その前にミステリアスなミディアムナンバー『「 」 phobia』を差し込んだことで、メリハリが生まれる。
曲数の多いアルバムの利点を上手く使った演出で、相変わらずクオリティが高いですね。
一方で、過去の作品も含めて、イメージが似た楽曲が増えてきた印象も強まったかな。
期待どおり、コテコテのヴィジュアル系ど真ん中を体現してくれてはいるし、そのうえでマンネリにならないようにプラスαをもたらす何かを取り込もうとはしているのは評価できるとしても、DIAURAに出会ったときの衝撃に比べると、どうしても薄まってしまう部分はあるでしょう。
3枚目ぐらいまでは、純粋な上積みだけでもワクワクできたけれど、ベストアルバムを経てリリースされた4枚目。
リスナーとしては、そろそろ型破りなアプローチを求めたくもなる頃合いなのかも。
その意味では、主役を活かすための脇役的な楽曲に光を当ててみると面白い。
SEから繋がる導入的な「侵蝕」が代表的な例で、ミディアムテンポの重さのある楽曲で、展開を膨らませることも可能だっただろうが、あえて3分ちょっとで唐突に切り上げたことで、かえって記憶に残る1曲になりました。
鍵盤の美しさを前に出した「ロザリー」や、ストリングスでノスタルジックな雰囲気を出した「遠い春」などのアクセント的なナンバーにもグッとくる。
こういった楽曲を聴いていると、まだまだ頭打ちという感じはしないのだよな。
壮大なバラードの1曲ぐらいあれば、また印象は変わっていたのかもしれません。
ちなみに、初回盤にはライブでは以前より演奏されていた「ダンシンインザダーク」が追加収録。
制作時期が異なるため、ボーナストラックの位置づけとなったようですが、伊達にライブで揉まれていないといったところで、どうせだったら聴いておきたい1曲ですな。
最後は、もっともキャッチーさのある「ロストチャイルド」で締めくくられ、安定感は抜群。
それだけに次回作には、その安定感をぶち壊して、なおインパクトのあるものを、と期待してしまいます。
<過去のDIAURAに関するレビュー>
Triangle
FOCUS
失翼の聖域
SIRIUS/Lily
REBORN
Evils
GENESIS
メビウスリング
Beautiful Creature
失翼の聖域(demo)