暴れ曲 / ゴールデンボンバー | 安眠妨害水族館

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暴れ曲/ゴールデンボンバー

暴れ曲 暴れ曲
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1. 暴れ曲

 

ゴールデンボンバーが配信限定でリリースしたシングル。

タイトル通りの"暴れ曲"に仕上がっています。

 

久しぶりのV系ド直球路線。

そして、それは同時にお得意のメタ路線でもありました。

確かにオリジナル曲。

だけど、どこかで聴いたことがあるような、そんな味わいなのですよね。

 

この楽曲で注目すべきところは、まだ現役とも言える楽曲構成を、ネタとして可視化してしまったところ。

類型化され、それっぽい楽曲のセオリーが共有されきった感のある90年代コテコテ系や、00年代お洒落系ならいざしらず、モダンなラウド系バンドというメタネタ未開の分野において、見事に"ありがち"を意識的に作り出すことに成功しているのです。

メタルコア風の激しいドラムと、コーラス的に重ねるデスヴォイス。

サビはメロディアスだけれど、段階を経て頭を振れる仕様にシフトチェンジ。

展開のひとつひとつが、よく研究されているなと。

 

これ、リスナーが面白いと感心する以上に、それを生業とする暴れバンドたちのほうが実は衝撃を受けたのではなかろうか。

シーンのトレンドの中に、バンドの個性を何とかねじ込もうと試行錯誤していたはずが、その結果、だいたいどのバンドも似たような感じになってしまう矛盾。

この正体を"ありがち"として明らかにしてしまったのだから、王道的な暴れ曲が封じられてしまった感がありますもの。

 

もちろん、二番煎じだけでは終わるはずがなく。

歌い上げられるメロディには、なんだかんだでキリショー節が見られ、それを耳にすればゴールデンボンバーだとすぐにわかる。

むしろ、ここまで色を残しているのに、しっかりメタ路線を成立させている絶妙なセンスに脱帽するほかありません。

 

今後、正式音源としてCDに収録されるのかは現時点では不明。

ただし、間違いなくシーンに爪痕を残す衝撃作となっているので、多くのV系リスナーに届いてほしい。

柵を確保したうえで聴きたい1曲です。

 

<過去のゴールデンボンバーに関するレビュー>

キラーチューンしかねえよ

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