絶唱謳歌 / アクメ

絶唱謳歌/アクメ

絶唱謳歌[通常盤] 2,700円 Amazon

1. Paradox

2. 絶唱謳歌

3. 罵詈雑言

4. 懐色花火

5. 君の臓器になりたい

6. 金欠マイレージ

7. MELODY(album ver.)

8. アナザーワールド

9. RUN

10. Adventure Time

アクメの1stフルアルバム。

初回限定盤は着せ替えジャケット仕様、通常盤は楽譜が付属しています。

"架空の世界の不良少年"をコンセプトに活動中の彼らですが、早くも衣装から不良感がなくなったような。

リードトラックである「絶唱謳歌」に揃えて、和をモチーフにしたヴィジュアルイメージに一新されました。

それでは音楽性も最近飽和気味の和風ロック路線に転向したのかというと、そんなことはなく。

「絶唱謳歌」こそ、和メロを前面に押し出して、ヴィジュアルイメージ通りの楽曲に仕上げているのですが、全体を通して聴いてみれば、それがブラフであることに気付くでしょう。

あくまで、様々に振ったバリエーションのひとつ。

敢えてこれまでにやってこなかった路線の楽曲をリードトラックに据えることで、王道とアクセントという位置づけではなく、全部巻き込んでの王道であるというメッセージを込めているのですよ。

色々な音楽性に挑戦することには、当然リスクもあって、アルバムとしてのまとまりとしては、少し雑多な気はします。

しかし、まだまだ1stアルバム。

小手先でバランスを求めるよりも、やりたいことをドバっと全部詰め込んだ衝動性のほうが、リスナーに刺さるのも事実。

"どれか当たれ"ぐらいの心意気で全力投球するスタイルは、むしろ清々しいのでは。

キラーチューンである「Adventure Time」で締めくくるのもポイント。

アグレッシブなサウンドと、突き抜ける爽快感。

ハスキーなCHISAさんの歌声も、ときに激しく、ときに艶やかに楽曲を彩っており、リードトラック候補だったのも頷ける出来栄え。

個の強い楽曲たちを、それ以上に個の強い楽曲で強引にまとめあげることに成功していました。

なお、通常盤に付属される楽譜は、ボーカルラインのみ。

もっとバンドスコア的なものを期待してしまったので肩透かし感はあったのだけれど、コード進行は掲載されているので、参考にはなりますね。

意外性のある特典は、今後のリリースにおいても継続されていくのか、ちょっと注目してみたいです。

＜過去のアクメに関するレビュー＞

SENKOU