SENKOU/アクメ
SENKOU
2,700円
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1. SENKOU
2. Trick×Trap
3. MONSTER
4. EDGY
5. MELODY
6. テバナシライダー
7. KAMIKAZE
ex-DIVのVo.CHISA、Gt.将吾を中心に結成したアクメ。
本作は、2,000枚限定でリリースされた1stミニアルバムです。
"架空の世界の不良少年"がコンセプト。
プロトタイプ的なヤンキーを現代風に再構築したようなヴィジュアルは、ある意味、ヤンクロックから派生した創世記のV系シーンを踏襲しているのかもしれません。
もっとも、音楽性としてはバンカラな要素はほとんどなく、実にスタイリッシュ。
古き良きに寄せる、ということはまったく意識していない様子ですね。
ラウドロックをベースにしつつ、幅広くV系シーンで求められそうな楽曲を詰め込んだイメージでしょうか。
ロック色を前に出してぶちまける「SENKOU」、「Trick×Trap」で景気よく飛び出すと、軽快さとヘヴィネスが交互に押し寄せる「MONSTER」、「EDGY」で、デジタルサウンドとの親和性の高さも証明。
歌モノの「MELODY」、明るくパンキッシュな「テバナシライダー」と、メロディアスな要素も取り込んで、最後はSE的な「KAMIKAZE」。
衝動性の強い楽曲を中心にしている感はあるものの、ひとつに絞るというより、色々なタイプのサウンドを展開していくことを好むバンドになっていきそうです。
歌詞については、"閃光"と"先公"のダブルミーニングになっている表題曲「SENKOU」が示している通り、抑圧に対しての反抗が軸として据えられているのかな。
正直なところ、ダサいかダサくないかの瀬戸際ではあるのだが、メッセージはシンプル。
文学的な歌詞に偏りつつあるシーンにおいて、この勢い任せの尖った感性は、もはや個性と言えるのでは。
個人的には、CHISAさんが歌うだけで、大きな武器となっているのかと。
艶やかなハスキーボイスは、似ている質感のボーカリストがあまり浮かばない。
実績や経験に裏付けられた表現力も持っているし、振れ幅の広い楽曲たちをモノにしているのは、大きなアドバンテージです。
アクメというバンド名から、もっと官能的な世界観なのかとも予想していたけれど、まったくそんな感じではなく。
社会への反発心を表現したワーディングとして、わからなくもないのだが、手に取りやすくはないし、売れたら売れたで規制にも引っかかりそうで、果たしてこのバンド名がどう出るか。
サウンドは素直に格好良いだけに、バンド名で損をするバンドにはなってほしくないですな。
初音源ながら、早くも違いを見せつけた1枚。