第四話「楽園の誕生」 / 未散プロジェクト | 安眠妨害水族館

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第四話「楽園の誕生」/未散プロジェクト

 

1. 生≠死

2. 楽園の扉

 

その後、AioriaやMASKなどで活動する未散さんによるソロプロジェクト。

沙理乃さんをボーカリストとして迎えての作品としては、第三弾となります。

 

メンバーとしては、唄.神威 沙理乃、六弦&四弦.未散、太鼓.大城、鍵盤.渉、語人.魔離というクレジット。

ヴィジュアルイメージは、沙理乃さん、未散さん、大城さんの3名のみで担当していました。

特殊パッケージ仕様で、通常のCDアルバムよりも少し大きいサイズとなっています。

 

「生≠死」は、渉さんが作曲したインスト。

聴き取りにくいようにボリュームは抑えられていますが、魔離さんによる語りも挿入されています。

春日さんがボーカリストとして参加していた第一話に「生=死」という曲があるので、関連性が気になるところ。

楽曲としては、あくまで導入のSEといった位置づけでしょうね。

フレーズはあまり変わらずに淡々と進行していくのだけれど、サンプリング音を巧みに使って、ダークな雰囲気から、メルヘンな世界に情景が移り変わっていくのが面白いです。

 

メインとなる「楽園の扉」は、沙理乃さんの甘い歌声を活かした疾走感のあるナンバー。

メロディはシンプルにまとめているのだけれど、畳みかけるサビでの盛り上がりや、キメを要所に取り入れてインパクトを残す手法は、さすが押さえるべきところを押さえています。

王道感の中にポップさを混ぜ込んで、聴きやすいキラーチューンに仕上がっているのかと。

 

さて、第一話から、5曲→4曲→3曲→2曲と、徐々にボリュームダウンしていくのが、少し気がかりかもしれません。

しかし、実際にCDを再生してみると、「楽園の扉」と同じトラックに、オムニバスアルバム「LOOP OF LIFE」に収録されていた「夢柔力」、更にはピアノをメインにしたインストナンバーが収録されているという仕様。

単体の楽曲ごとに聴きたいときには不便ではあるのですが、絶対にこの流れで聴いてくれ、というエゴを貫くにはちょうど良いアイディアなのかも。

 

未散プロジェクトは、第四話である本作をもって完了。

メインメンバーを残して、Aioriaへと移行していきます。

このような期間限定プロジェクトは、後から話題になりにくい部分があるのですが、オリジナル曲も何気に多いので、たまに思い返してみるのも良いのでは。

 

<過去の未散プロジェクトに関するレビュー>

第三話「悲哀の破片」

第一話「空虚な束縛」