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1. 冬枯れ
2. 白夜-輪廻転生-
3. 接吻-KUCHIZUKE-
ex-L'yse:noreの未散さんによるソロプロジェクト、その名も"未散プロジェクト"。
Aioriaの前身となった彼らの、第三弾のCDとなるマキシシングルです。
第二話より参加している神威沙理乃が、本作においてもボーカルを担当。
現在は、sarino名義でAnnie's Blackやニンジャマンジャパンで活動中ですね。
ドラムは、DのHIROKIさん。
初回盤と2nd Press盤ではジャケットが異なります。
タイトルコール的な語りと、シンセがメインのSEで構成されているのは「冬枯れ」。
幻想的で、美しいヒーリング的なサウンド。
大きな展開がない中、約5分とインストとしては長めの構成なのですが、ボーカリストではないミュージシャンのソロ活動ということで、必ずしも歌にこだわらないスタンスがあったのかもしれません。
歌入りの楽曲としては、「白夜-輪廻転生-」からスタート。
「冬枯れ」からの流れを意識したのか、イントロはアルペジオと語りでじっくりと雰囲気を作ってから、キャッチーな歌メロへと繋げていきます。
なんとなく、切ない系の楽曲が来るような空気感があったから、アマアマのポップチューンが繰り広げられたのは意外な気がしたのだけれど、まぁ、これはこれでアリでしょう。
沙理乃さんの歌声ともハマっていて、一度聴いたら離れないメロディ。
ただし、シンセに頼りすぎた印象があるかな。
ギターとベースが引っ込みがちで、もっと主張しても良かったのかと感じます。
ギタリスト兼ベーシストである未散さんのファンは、そこが聴きたいと思われるだけに。
「接吻-KUCHIZUKE-」は、一気にダークな疾走サウンドへ。
ツタツタと走るドラムをはじめ、演奏陣は激しさをイメージ。
ギターのベタベタのフレーズは、「白夜-輪廻転生-」とのギャップも手伝って、昂揚感の演出になっていますな。
収録曲は悪くないのだけれど、ボリューム的に食い足りなさは残るか。
インストで引っ張り、「白夜-輪廻転生-」でもイントロをじっくりと長めに使い、という中で歌モノに入るため、"やっと来た!"とテンションが上がるのは事実なのですが、そのまま「接吻-KUCHIZUKE-」に入ると、あとは収束するのみ。
長時間のアルバムの導入パートがこれだったら、世界観への表現が追及されているな、と評価していそうだけれど、シングルという枠組みでは、時間を使いすぎた感は否めないです。
さて、IZAMっぽい、TAKAっぽい、松岡充っぽい。
当時、新人だった沙理乃さん。
本作を誰かに紹介するにあたり、彼の声質は色々なボーカリストに例えられていました。
今でこそ、特徴的な沙理乃さんの歌声だ、と個別認識できるのですが、"真っ新な状態で聴いたら誰の声に似ているのだろう…"など、リリースされた2001年の気持ちで聴いてみるのも楽しいかもしれませんよ。
<過去の未散プロジェクトに関するレビュー>
第一話「空虚な束縛」