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1. ユラリ
2013年に会場限定でリリースされたカラットの限定シングル。
活動を開始したばかりだった彼らが挨拶代わりに持ってきたのが、この「ユラリ」でした。
キャッチーでポップなロックサウンド。
そこにギラギラとしたシンセをまぶす。
それだけ聴くと、イマドキのポップロックバンドと変わらないのだけれど、こんなに和風な聴き心地になるのはなぜだろう。
和音階の歌メロが、こうも現代サウンドと相性が良かったとは。
ハイブリッドな和。
デジタライズされた雅。
これぞ、カラットが強みとしている音楽性なのである。
メロディも、曲構成も、ありがちと言えばありがち。
だけど、アレンジのセンスが良いというか、目の付け所が良かったというか、ありそうでなかった雰囲気に仕上がっていて、独特に聴こえるから面白いですね。
演奏のメリハリが、そのまま日本の侘び寂びに通ずる気さえしてきます。
Vo.ゆーじ。さんの男らしい歌声も、従来の和風バンドとの差異化に成功。
ポップによっても、ロックによっても、ダンサブルな方向に振れても安定感を示せるのは、彼のポテンシャルによるところが大きいでしょう。
埋もれさせてしまうにはもったいないボーカリストだと思うので、今後の飛躍に期待したいところ。
ネックとしては、入手経路が限定されてしまっていることと、1曲入りで1,000円という割高感のある価格設定かなぁ。
位置づけ的にも、カラットの音楽に触れるなら本作を、と言いたいところだったのだが、少し躊躇してしまいます。
現在では、必ずしも和にこだわらないサウンドメイクで、バリエーションを広げている彼ら。
それはそれで格好良いのだけれど、彼らの真骨頂は、こういう楽曲にあるはず。
これからも、帰る場所としてしっかり掘り下げていってもらいたいですな。
<過去のカラットに関するレビュー>
平成デモクラシー
lost…/恋愛的戦争-Love is war-