平成デモクラシー / カラット | 安眠妨害水族館

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平成デモクラシー (通常盤)/カラット
¥2,415
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1. lost… 
2. 花魁ダンス
3. 暴想LOVER
4. 舞姫
5. DREAM C@TCHER
6. PSY

カラットの1stミニアルバム。
初回盤はDVD付の4曲入り、通常盤はボーナストラックが2曲追加された6曲入りとなっています。

なんだか。いつの間にかリリースされていた印象。
THE RHEDORICのボーカリストと、ex-ClearVeilのメンバーを中心に結成されたバンドということで、もっと注目を集めるかな、とも思ったのだけれど。
実力に見合わない過剰な広告は不要ですが、もう少し上手いことアピールをしてもらいたいものです・・・

というのも、なかなかにツボだった。
さらっと聞き流してしまえば、その辺にいそうなキラキラ系バンドのような質感。
ノリが良く、ほどよく激しさがあり、全体的にはメロディアスという、押さえるべき要素は、しっかりと踏襲している。

それに加えて、彼らの強みとなるのが、どことなく和を感じるメロディライン。
例えば「花魁ダンス」では、ピコピコ系にも通ずるデジタルサウンドも取り込んでいるものの、メロディに和風の音階を用いているため、耳馴染みが良い。
Vo.ゆーじ。さんの男らしく芯のある歌唱力も、メロディを前面に押し出すバンドとしては、不可欠なピース。
シングルでも、その片鱗は見せ付けていましたが、とても華やかさがあります。
これが埋もれてしまうのは、もったいない。

タイプとしては、「lost…」、「DREAM C@TCHER」が、スタイリッシュな王道路線を貫き、現代のファンへ門戸を広げるための楽曲。
「花魁ダンス」、「暴想LOVER」、「舞姫」あたりが、彼らの個性を見せ付ける和風キラキラロックといったところか。
最後に収録された「PSY」は、更に幅を広げるべく男らしさを強めた硬派なナンバー。
通常盤にて追加収録された楽曲で、新たな方向性を探るというのは、上手なやり方かも。
正当派で勝負しても、相応に格好良さをアピールできる、新人バンドらしからぬ安定感は、強み以外のなにものでもありません。

個人的に、好みだったのは「舞姫」。
ライブで盛り上げるための「飛べ」、「回れ」、「咲け」という煽り文句を、歌詞として取り込んでしまった。
和風メロを崩さずに、ライブ感を演出できるとは、考えましたね。

ガツンと響くインパクトの強さは薄いのかもしれないけれど、十分にクオリティが高い。
センスも、スキルも、この規模のバンドとしては、合格点でしょう。
時代を捉え、かつオリジナリティも加えてきているという意味では、可能性を持っているはず。
あとは知名度かねぇ。
口コミで、話題になるような企画のひとつでも持ってこれれば、一気に伸びる予感はするのですが。

<過去のカラットに関するレビュー>
lost…/恋愛的戦争-Love is war-