このたび私は日本インストラクター技術協会認定の「音楽療法カウンセラー」という資格を取得した。同協会によればこの資格は「ライフスタイルにおける音楽の役割や利用方法を身に着けた人に与えられる資格で、様々な場面で人と自然が調和できる空間、日常に癒しを与える空間を作り出すことを目指す」としている。

 

【協会認定の資格取得証明用バナー】

 

音楽は聴くだけでもリラックスしたり集中力を高めることが出来、また積極的に演奏に参加したり歌うことで他人とのコミュニケーションを図ることも出来る。音楽療法とは、リズムやメロディや歌詞が持つ働きを利用してクライアントが抱える問題や悩みを改善し、より良い生活が送れるようにする治療法のことである。

 

音楽療法の先進国であるアメリカなどでは保険も適用となるなど治療法の一つとして地位を確立しており、精神疾患や認知症、発達障害等を対象に、高齢者施設、児童養護施設、病院、福祉施設などで施術が行われている。だが日本では医療と福祉と(音楽)教育の狭間で、その位置づけも不明確なままである。

 

従ってこの分野には国家資格のような公的な資格が存在せず民間資格しかない。そのなかで最も権威があるとされているのは日本音楽療法学会が認定する「音楽療法士」だが、これは専門の学校などで3年以上の教育が必要とされるなど、今の私にはハードルが高過ぎたので、他の民間資格を取得することにした。

 

【図書館で借りた本の一部】

 

資格の種類同様に取得方法も様々で、数か月にわたる通信教育を受講して毎月課題を提出し最後にレポートが通れば受験を経ずに取得できる方法もあったが、費用が高い。結局、図書館から20冊近くも本を借りて独学で勉強し年末に受験した。今週の発表まではドキドキしたが、Webで「合格」と確認できて嬉しかった!

 

 

私はこれまで20年余にわたってアマチュア・ヴォーカリストとして音楽に関わり機会ある毎にボラティア活動もしてきたが、ボランティアなどと書くのはおこがましいほど、実際は聴いて下さった方々から私の方が多くを与えられてきた。とはいえその中で音楽が人間に与える不思議な力を実感してきたのも確かである。

 

デイケア施設や病院などで高齢者の方々と一緒に童謡などを歌った際、看護師さんや療法士の方が「いつもカラオケで童謡等を歌おうと誘っても全く歌わない男性利用者が、皆さんの歌を聴いて涙ぐみながら一緒に歌っていたのでビックリしました」などと驚かれ、生演奏そして真剣に歌う事の尊さを教えられた。

 

また東日本大震災では、千葉の避難所福島の仮設住宅度々お邪魔し自宅や家族を失う辛い体験をされた方々に対し不謹慎かなと思っていた「色恋モノ」の洋楽が大ウケして驚いたり、若年性認知症とそのご家族を支援するカフェでは、歌や音楽は“決して忘れ得ぬ記憶”となるのだということも改めて知った。

 

音楽の力は、我々も日常生活の様々なシーンで感じるが、心身に障害や疾病のある方々、ホスピス等でターミナルケアを受けている方々、認知症と戦う高齢者の方々、生活の困難に直面している被災者の方々などにとって音楽は、ある意味では医療や金銭以上に大きな効力を発揮する場合もあると私は信じる。

 

今回、縁あって、そして運よく「音楽療法カウンセラー」になったが、具体的に何かを始めようとしている訳ではない。でもこれを一つの機会として、現在の本業をリタイアした後も、音楽に関わることで社会と接し、音楽を通じて社会に何らかの貢献を果たして今後も社会の一員で居たい、と漠然と考えている。

 

Saigottimo