2012年8月11日(土)、福島県広野町で「復興祈念花火大会」が開催された。
昨年の大震災および原発事故により被害を受けた同町にとって、1年半ぶりのお祭りである。
多くの犠牲者を出し、また多くの町民が被災直後に他県市町村に避難を強いられた。その後、仮設住宅に戻って暮している方々も居られる。今日のお祭りには仮設住宅からもバスが出て復興祈念の花火を楽しんでもらおうという趣向である。町役場近くにある中学校の体育館脇に作られた特設会場の周辺には様々な屋台も並び、15時から始まるメインステージでのイベントと相まって19時からの花火のクライマックスを盛り上げる。
今回、私は縁あってアロマセラピストの斉藤京子さん
のお誘いでステージに立つことになった。斉藤京子さんは昨年の震災時に被災者へのマッサージボランティアを自ら行った「最初の一人」であり、この活動が被災者のために役に立つと確信するやブログ
を通じて全国のセラピスト達に発信し、マッサージボランティアの一大ムーブメントを巻き起こした「伝説のカリスマアロマセラピスト」である。彼女の活動は一過性ではなく、「手当の輪
」というボランティア・グループとして、現在も定期的に仮設住宅への訪問マッサージを行っている。その後も新たに参加するセラピスト達がどんどん増えているし、また訪問先の仮設住宅のおばあちゃん達の手作りアクリルたわし
を手数料など無しでネット販売するなど、ボランティアの輪はむしろ拡大している。今回も「手当の輪」として屋外テントを構えて、ハンドマッサージやアロマキャンドル作りなどを行う。この活動のためにセラピスト達が各地から今日もボランティアで駆けつけている。
この辺りの活動は彼女のブログ を見て戴くとして、彼女のもうひとつの顔はフラダンスの師範代であり、セラピストや看護師仲間を中心にダンスチームを組んでいる。彼女のフラは実に優美で溜息が出るほど美しい。青森県の被災地、気仙沼で開催された「気仙沼・椿まつり」で鎮魂のフラダンスを踊ったことから、「椿フラガール 」と称して、今回のメインステージでも出演することになった。踊るのは3曲で、最初が「涙そうそう」。2曲目はチームの一員でありプロのダンサーでダンス教師をしているTAEさん のソロダンスによる「テヘレ(「愛の讃歌」のタヒチアンヴァージョン)」、そして再び全員参加での「プープー・アオ・エヴァ(「真珠貝の唄」の原曲)」。いずれも名曲揃いの上、生のダンスは圧巻だ!
このあと高校生のフラダンスチームなども登場して、とても華やかで賑やかだったステージの模様は、広野町のWebにも動画 でアップされているのでご覧ください(椿フラガールは開始から57分頃、私は1時間14分頃、高校生フラは1時間17分頃で登場)。
(写真:上段左が「椿フラガール 」、上段右はプロダンサーのTAEさん )
私はこの素晴らしいダンスステージの直後に鎮魂歌として「ダニー・ボーイ」を歌わせて戴いた。本来なら「Nostal♪sic-NEO」で参加したかったのだが、急な話でメンバーの都合が付かず、私だけの参加となったため、アカペラ(無伴奏)となったが、降りしきる雨のなか、このたびの震災で失われた多くの魂に届いて欲しいという心を込めて1コーラス歌わせて戴いた。ステージ衣装はフラチームに合わせてアロハシャツを着て来たら、斉藤さんが赤いレイをかけてくれた。
ステージが始まって早々から降り出した雨はその後も容赦なく降り続いたが、それでもイベントは続行し、花火も行われた。そして花火の終盤で雨はスーッと止んだ。犠牲となった方々とそのご家族の涙雨だったのかもしれない。
Saigottimo

