休日の移動時間の扱い
例えば、月曜日の朝からの仕事のために、出張で前日移動した場合は、その移動時間は休日出勤にならないのでしょうか。
出張等で目的地まで赴くために乗り物に乗っている時間は、拘束時間にはなりますが、労基法上の「労働時間」には該当しません。休憩時間と同じような時間と考えられます。
通達でも「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても差し支えない」となっています。
また、判例でも「休日の日曜日を利用して出張先へ移動したとしても、休日に労働したわけではないので休日労働にはあたらず、労働時間に含まれない」(平成1.11.20、東京地裁、東葉産業事件)とあります。
したがって、この出張の移動時間は、通常の労働日であれば所定労働時間の労働とみなされ、休日であれば、休日をとったものとみなされます。
ホームページ「出張の移動時間の取り扱い 」もご覧ください。
営業社員の内勤業務の残業代
外勤営業マンについて、事業所外みなし労働時間制を適用し営業手当を支給して、残業手当を支給していません。ところが、営業マンの方から内勤業務は別だから残業手当を支給して欲しいと言われました。支給しなくてはいけませんか?
難しい問題ですね。2パターンありますので注意が必要です。
事業所外みなし労働の時間が所定内労働時間であれば、「当該事業場内の労働時間も含めて、所定労働時間労働したものとみなされ」ます。そのような通達があります。
この場合は、内勤業務の分は時間計算で残業手当を支給する必要はありません。
ただし、その事業場内での業務が外勤業務と一体となった内勤業務の場合であり、営業研修とか会議とか個別の業務命令により内勤業務した場合は別途労働時間に加算されるものと考えられます。
所定内労働時間を越えてある一定時間勤務したとみなし、所定労働時間を上回った分(残業分)を営業手当という形で支給している場合は、「事業場外の時間」についてだけ「みなし時間」ということになります。
したがって、事業場内労働があった場合は「事業場内の労働時間と事業場外で従事した業務の遂行に通常必要とされる時間とを加えた時間の労働をしたものとみなされる。」ことになります。これも通達があります。
この場合は、内勤業務の分は時間計算で残業手当を支給する必要があります。
希望退職の割増加算
私の会社は希望退職者を募集しています。退職金にプラスして特別加算金(月給×3ヶ月)が支給されるというものですが、先日、上司から「希望退職も考えてみて」と遠回しに肩たたきをされました。
私は特別加算金が12ヶ月分ぐらいならば希望退職してもいいと考えています。この程度の割り増しは常識範囲内でしょうか?あと人事にはどんな風に交渉したら良いでしょうか?
対象年齢にもよりますが、希望退職の割増加算金が3ヶ月とは少ないですね。中小企業でも6~12ヶ月、大企業では12~24ヶ月位は加算するのですけれど、・・・。
それほど厳しいということか?あるいは、希望者がいなくても良いということか?はたまた、退職勧奨を強化して無理やり受け入れさせよということか、。色々考えられますね。
いずれにしましても、希望退職は会社側からの提案に、社員が応じるかどうかの問題ですから、条件が合わなければ応じなければ良いだけのことであって、交渉するものではありません。
今の条件に納得できないのであれば、応じなければ良いのです。それで何もなければ、今まで通りで元々勤める気持ちであったわけですから問題ありません。
もし、会社側のほうから、はっきりと「やめて欲しい」といってきたら、条件交渉することになります。その場合は、希望する条件を言えば会社がそれを受けるかどうかの判断になります。
この場合でも、倒産してしまうと元も子もありませんから、状況に応じて妥当な金額で手を打つのが良いでしょう。
兼任の場合の評価者
マトリックス組織や部下の仕事の兼任で、指示命令する上司が複数いる場合は、誰が評価するのがいいでしょうか。それぞれ別々に行うのがいいでしょうか。
その会社の考え方にもよりますが、組織上の上司またはより関わりの強い上司が、その他の上司から状況を聞き、責任を持って評価するようにすると良いと思います。
あるいは複数の上司がそれぞれ評価し、上司間で刷り合わせて、評価するという方法でも良いと思います。
複数の上司が項目を分けて別々に評価すると、責任の所在がはっきりしませんし、部下も戸惑います。
上司同士のコミュニケーションを密にして、直属上司が責任を持って行うのが良いでしょう。
フィードバック面接の順番
現在、1次考課と2次考課をしてから、本人へのフィードバックをしておりますが、不都合を感じています。他の企業ではどのような順番でフィードバック面接をしているのでしょうか。
通常、育成型人事考課制度では、先に、自己評価と1次考課をしてフィードバック面接をします。
その後、2次考課者が1次考課のチェックすり合わせを行います。この時、1次考課に変更が生じた場合は、再度、本人と面接して変更点を話し合います。
いつも仕事を見ている1次考課者が細かい点もわかっているので(2次考課者よりは)、本人と1次考課者の面接でよかった点とうまくいかなかった点の確認や今後の育成ポイントを話し合います。これが一番大事です。
1次考課や2次考課が確定してから、評価結果や処遇の良し悪しを通告する場としない方が良いと思います。
定額残業代の扱い
当社では、36協定を結んでおり、月30時間の時間外労働があります。その分の残業代を固定(30時間の割増賃金分)にして支給したいと思っていますが、問題ないでしょうか。
残業代の定額払いについては、ケースによって違法になる場合がありますので、注意してください。
その支給される賃金が、あくまでも時間外労働に見合う分としての支給であり、たまたま30時間に達しなくても、30時間分を固定に払うということであり、また、たまたま30時間をオーバーした場合は、オーバーした分を上乗せして割増賃金を支払うというルールになっていることが、必要です。
定額で支給しているから、オーバーした分は支給しないというわけには行きません。
36協定で限界が決まっていますが、それ以上に労働してしまったものについては、当然割増賃金を支給する必要があります。36協定を理由に不払いは認められません。
また、たまたま30時間に満たなかった場合に、固定で30時間分支払うことは問題ありませんが、ほとんど残業していない人に対しても、30時間分支給するようなことがあると、その賃金は残業手当ではなく、別の手当の意味を持ってしまいます。
そうなると、その手当分も所定内賃金に含めることになりますので注意してください。
賃下げの仕方
経営環境の悪化により、賃金の切り下げを考えています。可能でしょうか。
難しい問題ですね。次のように考えると良いでしょう。
● 就業規則(給与規定)の変更による賃金の切り下げについて
労働契約法では、「労働者は及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」(8条)とし、さらに「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」(9条本文)と不利益変更については、合意によることが原則になっています。
しかし、「ただし、次条の場合は、この限りではない」と定め、合理性があれば不利益変更に反対の労働者にも効力を及ぼすとなっています。
法では、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他就業規則の変更に係る事情に照らして合理的であるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則の定めるところとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意した部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りではない。」(10条)となっています。
(第12条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。)
すなわち、周知と合理性が必要であり、合理性は次の5点で判断するということです。
① 労働者の受ける不利益の程度
② 労働条件の変更の必要性
③ 変更後の就業規則の内容の相当性
④ 労働組合等との交渉の状況
⑤ その他就業規則の変更に係る事情
● 就業規則や労働協約によらない場合の賃金の減額
賃金は、一般的には会社と従業員との間の合意である労働契約ないし雇用契約、あるいは前述のように就業規則や労働協約によって決められています。
従って、会社が、たとえ経営状況の悪化等を理由としても、就業規則や労働協約の変更手続を経ることなく、一方的に賃金を減額することは、従業員の同意がない限り、一般的にはできないものと考えられています。
人事考課制度の導入
人事考課制度を新しく導入しようと思っていますが、どのような項目を選定すればいいのか迷っています。
また、考えれば考えるほど難しくなって、何から手をつければよいか困っています。何か良いアドバイスをお願いします。
私は「単純明確な効率的な評価方法」をお勧めしているのですが、お金がからむと、細かいところにこだわって、だんだんと複雑になっていくようです。 原点に帰って、シンプルに考えるのがよいと思います。
評価基準(考課シート)は会社の期待像を書き表したものです。
社員または部門に対して、何を期待しているのかを明確にして その期待に対して、どうであったかを判定すればよいわけです。
会社から社員に対する期待は、2つあります。
期待成果 (期待通りの成果を出してほしいという期待です)
どんな成果を出して欲しいのか、明確にすればよいわけです。
これは数値で表現されますから、判定も簡単です。
期待行動 (期待通りに業務を進めて欲しいという期待です)
その仕事をどのように進めて欲しいのか、どのよう仕事ぶりがよいのか明確にすればいいんです。
これは文章で表現することになりますが、後から判定できるように、表現に気をつける必要があります。
上記の2つは、人事制度の問題ではなくて、 企業として、当然明確になっているべきものです。 それを基準にするのが、一番よいと思います。
目標設定の前に、会社が社員に対して、どのような成果とどのような仕事の進め方を期待しているのかを明確にすることが 先決です。 それができているのであれば、それを基準にするのが一番です。
制度を導入すると、その制度をうまく運用するために、だんだんと複雑になり 不満も出てきます。
例えば 目標管理を導入すれば導入したで、その目標の水準についての不満が出ます。
部門間の目標の難易のバランスについて不平が出ます。
それらを解消するために、制度が複雑になります。
結局、成果を上げることより目標設定をうまく行うことが 重要に考えるようになります。
シンプルが一番です。
PDFファイル「人事評価制度作成の手引き 」を参考にしてください。
考課者訓練の講師派遣
当社に来てもらって考課者訓練を行っていただくことはできますか。人数は10から5人くらいです。
その場合の費用と内容を教えてください。
御社にお伺いして考課者訓練を行うことは可能です。考課者訓練の場合は、各企業で制度が違いますので公開セミナーの形式ではなく、講師派遣の形式で行っています。
また、当たり前のことかもしれませんが、その企業の人事考課制度にあわせた形で研修を行います。人事考課制度やルールは各社色々です。したがって、事前打ち合わせにより現行の人事制度の考え方やルールを把握した上で、その考えに則った形で研修を実施します。
研修のテキストも現行制度にあわせて作成しますので、研修終了後も人事考課のマニュアルとして使用できます。
仮に、自社の人事考課制度のルールや基準が明確になっていない場合は、事前打ち合わせの中で方針に沿った考え方に整理したり、研修の中で調整したりして、人事考課制度を明確にしながら考課ルールや基準の意思統一を図って行きます。
研修の形式は、一方的な講義ではなく、質問形式の講義と演習や事例研究を織り交ぜていきますので、効果的に学習できます。
また、考課者は、管理・監督者としての意識が高いことが不可欠です。したがって、人事考課の仕方やルール基準だけでなく、必要に応じて管理・監督者としての意識を高めるための研修を併用することがあります。
さらに、人事考課力診断テストや人事考課の通信添削等を併用することで、研修効果を継続的に高めることができます。
費用など詳しいことは、下記のホームページをご覧ください。
考課者訓練の内容
考課者訓練の内容と実施方法についてお聞したい。どの様な内容でどの様に実施するか?
人事考課制度は各社色々ありますので、その会社の人事考課制度や人事制度に関する考え方をお伺いして、その制度に応じた内容で実施します。
内容は、基本的な内容の確認、ルールや基準の確認を行い、事例研究により模擬考課を行います。その後、グループワークでのすりあわせや講師からの解説を行います。
状況によっては、目標管理の進め方や面接の仕方などの内容を組み込むこともできます。
なお、人事考課者訓練実施までの流れにつきましてはホームページで詳しく説明していますのでご覧ください。
考課者訓練の実施までの流れ
http://www.sabcd.com/06kunren/601kunren.htm#1
考課者訓練の進め方
http://ameblo.jp/sabcd/entry-10101910795.html