退職金の減額
現在すでにある退職金の規定を減額するとうことは、労働条件の不利益変更になりますので、会社が一方的に行うことはできません。
ただし、合理的な理由があれば減額が可能な場合があります。
その合理性の判断ですが、次のようなことが判断基準となります。
① 経営上、退職金を支払った場合に会社が倒産する危険性が客観的に証明できる。
② 減額前までの、既得権は保護され、退職金規定改定後の期間についての減額であること。
③ 従業員との協議は、十分なされているか(個別同意など)。
④ 代償措置はあるか。
⑤ 手続きを正当に行っているか(退職金規定の改定等)
また、減額の幅として、
① 全国の退職金平均と比べて世間相場に応じているか。
② 減額幅が15~20%である。
なども考慮されます。
今回のように、半分以下というのであれば、かなり明確な経営上の理由があり、さらに従業員の同意がないと難しいのではないでしょうか。
一時帰休
受注量が減ったので、会社が2日間休業になりました。その2日間については、平均賃金の60%が支給されるということでしたが、実際は2日分の給与の半分にも満たない金額が休業手当になっていました。これっておかしいのではないでしょうか。
不況などによる業績悪化で操業の短縮を余儀なくされた会社が、一時的にすべての事業またはその一部を停止し、就業期間中に一定期間継続して、あるいは断続して休業させることを「一時帰休(レイオフ)」言います。
この場合、事情が事情ですので休業中の賃金は支給されません。しかし、平均賃金の60%以上を休業手当として支給しなくてはならないことになっています。
すなわち、休業により減額される分と休業により加算される分があるということです。
例えば、1ヶ月の稼働日数が20日で賃金が20万円の場合、休業により減額される分は、ノーワークノーペイの原則により、1日につき1万円、2日間で2万円減額されます。
加算される休業手当は、平均賃金の60%以上となっていますが、この平均賃金は労働基準法等で定められている手当や補償、減給制裁の制限額を算定するときなどの基準となる金額であり、給与の水準を比較したりする時の金額とは違います。
平均賃金は、過去3ヶ月間に実際に支給された賃金総額を3ヶ月の暦日数で割り算した金額になります。過去3ヶ月間残業がなく、実際に支給された金額が20万+交通費1万円とし、3ヶ月間の暦日数が30日×3とした場合、1日の平均賃金は(21万円×3)÷(30日×3)=7000円になります。
したがって、休業手当を仮に平均賃金の60%とした場合、7000円×60%=4200円となります。
減額される金額が1日10000円、休業手当で加算される分が4200円となり、半分以下になります。
平均賃金につきましては「神奈川労働局 」のホームページに詳しく説明されています。
http://www.kana-rou.go.jp/users/kijyun/heikinchi.htm
ベアの仕方
ベースアップと定期昇給(賃金改定)の件で質問です。定期昇給(賃金改定)は職務給の昇号でよいと思いますが、ベースアップをする場合、どの方法をとるのが一般的でしょうか。
①基礎給と職務給の両方を書き換える
②基礎給だけをアップする
③基礎給、職務給だけでなく手当も改定
ご質問にお答えします。
定昇とベアの意義につきましては、別途ブログの記事「賃金表と定昇・ベア 」をご覧ください。
http://ameblo.jp/sabcd/entry-10006317318.html
ベアの仕方については、その目的に応じて行うようにすると良いと思います。
ベアには、定額ベアと定率ベアがありますが、定額ベアの場合は基礎給や職務給の金額を一律的に加算するだけですから、どちらでも可能です。全額基礎給で行ったり、基礎給と職務給の比率に按分して行ったりします。
定率ベアは、賃金表の金額に一定の比率を掛け算することで表の書き換えを行いますが、基礎給では実施できません。これは職務給で行うことになります。
なお、定額ベアと定率ベアの比率は、状況に応じて設定します。
定額ベアは賃金の低い人に手厚くなり、定率ベアは賃金の高い人に手厚くなります。
手当の改定は、その手当の目的に応じて検討します。時には、ベアの代替になることもありますが、通常は昇給やベアとは別に考えます。
遂行目標と期待行動
ホームページの「人事評価制度作成の手引き 」を参考に、自社の評価制度を見直しいているのですが、遂行目標と期待行動の概念が混同してしまい、その区別がつきません。その辺の考え方を教えてください。
「人事評価制度作成の手引き 」にも書いてありますが、人事評価の項目は、会社が社員に対して期待していること、上司が部下に対して期待していることを明確にしたものです。
この期待は、「自分の役割をしっかり全うして欲しい、あるいは期待通りの成果を出して欲しい」という期待(期待成果)と、「高い成果を上げるために、やるべきことをしっかりやって欲しい」という、期待(期待行動)があります。
また、期待成果には最終成果を示す業績目標と、プロセス成果を示す遂行目標に分けて管理するようにします。
そこで、この「プロセス成果を示す遂行目標」と期待行動の違いということですが、例えば営業で考えると、次のようになります。
業績目標 今期の売上○○円
遂行目標 いつまでに新しい販促ツールを作成する
期待行動 効果的な質問を投げかけ、顧客のニーズを引きだし、それに合った提案をしている。
上記のように、遂行目標は、個々人に対して、具体的に、いつまでに何をどうするのかを設定する内容になります。期待行動は、その職種に対して特に意識して欲しい行動指針(コンピテンシー)のようなものになります。
少人数の場合は、個人別の遂行目標を期待行動にように設定する場合もありますが(仕事が画一的で、みな同じ仕事をしている場合など)、一般的には、上記のように区分した方が良いと思います。
「人事評価制度作成の手引き 」のページはhttp://www.sabcd.com/23jk-hyouka/23jk-hyouka.pdf です。
解雇が認められた事例
副業とか不倫とかで解雇できるのでしょうか。過去の事例などがあれば教えてください。
色々事情がありますので、一概に言えません。
過去の事例を紹介しますので参考にしてください。
解雇が認められた事例
1. 兼業で解雇 小川建設事件(1982年11月19日東京地裁)
事務員がキャバレーの会計係として約1年間勤務した。(午後6時から12時)
兼業そのものよりは、居眠りなど仕事に影響を与える点を重視して、解雇が認められた。
2. 痴漢行為で解雇 小田急電鉄事件(2003年12月11日東京地裁)
電鉄の社員が他社の電鉄で痴漢行為を繰り返した点(3回)から、懲戒解雇が認められた。ただし、退職金は全額不支給ではなく、3割の支給を命じた。
3. セクハラで解雇 某製薬会社(2,000年8月29日東京地裁)
多数の部下にしつこく交際を迫った管理職の解雇の合理性を認めた。繰り返しての行為は管理職としてだけでなく、従業員としての適格性を欠くと判断した。
4. 私用メールで解雇 久留米工業専門学校事件(2005年9月14日)
講師が、職場のパソコンで学校のメールアドレスを使い、4年間で1330通のメールを送信した。その半数が勤務時間中であった。一日当り1~2通程度の私用メールは「職務専念義務違反」には当たらないという判例もあるが、今回の場合は、メールアドレスから学校が特定できるものであり、メール送信先がSMの相手を求める内容で、学校の名誉を傷つける行為として解雇が認定された。
解雇が認められなかった事例
5. 能力不足での解雇は無効 セガ・エンタープライズ事件(1999年10月15日東京地裁)
相対評価による下位10%未満であることを理由に能力が不足しているとはいえない。
6. 重大場面での遅刻による解雇は無効 高知放送事件(1977年1月31日最高裁)
2週間で2回、寝過ごしによりラジオ放送に遅刻し定時ニュースが放送できなかった。本人の故意や悪意ではなく、同僚にも起こしてもらうように依頼している点や日頃の勤務態度が悪くない点から、解雇は重すぎると判断した。会社の管理体制にも問題がありと指摘。
7. 社内不倫を理由の解雇は無効 繁機工設備事件(1989年12月27日)
現場監督の既婚男性と経理担当の独身女性が不倫関係になり、社員や取引先もわかるような態度をとり、男性の妻からの抗議や経営者から注意を受けたが、恋愛の自由として受け入れなかった女性を「職場の風紀を乱した」として懲戒解雇したが、無効となった。具体的に会社業務に支障があったかどうかが問題であり、その事実が認められないかぎり、解雇は重過ぎるという判断である。
詳しくは、各判例をお調べください。
変えることのできないもの
自分が努力してもそう簡単に変えることのできないことに、変えようと努力したり悩んだりするよりは、変えることのできることに力を注ぐことが大事だ。
牧師ラインホルド・ニーバーの祈りに次のような一節がある。
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(大木英夫氏訳)
そこで、「変えることのできないこと」と「変えることのできること」を挙げてみた。
「変えることのできないこと」
・ 過去
・ 感情
・ 生理現象
・ 他人の自分に対する接し方
「変えることのできること」
・ 未来
・ 考え方、思考
・ 行動
・ 自分の他人に対する接し方
他にもあると思うが、気がついた人はぜひ教えてほしい。
リッカートのシステム4理論
リーダーシップに関わる管理システムを4つに分類し、その中で集団参画型システムを採用している経営組織の業績が最も高いという考え方。リッカート(ミシガン大学社会調査研究所所長)が1961年に提唱した。
その4つの管理システムとは次の通りである。
システム1:独善的専制型システム → 徹底した課題志向
・ リーダーは部下を信頼せず意思決定に参加させない。
・ 少量のアメとムチで働かされている。
システム2:温情的専制型システム → 課題志向 > 弱い人間関係志向
・ リーダーは部下をある程度信頼するが、恩着せがましいやり方をとる。
・ アメとムチをほのめかされて、動機付けされている。
システム3:相談型システム → 課題志向 = 人間関係志向
・ リーダーは部下に対し全面的ではないがかなり信頼している。
・ 基本的方針や全般的決定権はトップにあるが、個別問題は部下に権限委譲される。
システム4:集団参画型システム → 課題志向 < 人間関係志向
・ リーダーは部下を全面的に信頼し、意思決定は広く組織全体で行われる。
・ コミュニケーションは上下のみならず同僚間でも行われる。
システム2か3の組織が多いといわれますが、あなたの組織はどれに入りますか?
職務等級の数
20人程度の卸販売会社で職務給(役割給)を検討しています。その場合の等級数は9つあったほうがいいでしょうか?人数が少ないので初級職3、中級職1、管理職1の5つで考えていますが、いかがでしょう。
職能等級であれば、会社が求める能力の期待像を段階区分したものですから、企業によって7段階や11段階とその企業の期待像と大きさと段階区分の仕方により、色々設定できます。
職務等級の場合、職務価値により段階区分するわけですが、職務価値の区分は企業によって大きく変わることはないと思います。社員数が多くても少なくて、どこの会社にも定型業務は存在しますし、判断業務や監督業務も存在します。社員数の少ない場合は、たまたま兼務しているだけです。
一般的に考えると、初級職は定型業務を1~3くらいに分類できます。
中級職も判断業務や企画業務、監督業務を3つくらいに分類できます。
管理職はまとめて1つでも良いと思いますが、3つくらいに分類することができます。
当面、下から3、3、1で設定し、必要に応じて上に追加するようにするといいのではないでしょうか。
呼び出し待機手当の根拠
呼び出し待機手当について、ホームページ評価の疑問 のNO.91「呼び出し待機手当 」のコーナーに「通常賃金の3分の1程度の待機手当を支給するのがよいのではないでしょうか。」と書いてありますが、この金額は法律か何かで決まっているのでしょうか。
呼び出し待機手当について、特に法律や判例で決まっている訳ではありません。呼び出しの頻度によりますが、その呼出待機に対する負担をどう考えるかだと思います。
「3分の1」の根拠は、日直、宿直の手当を参考にしています。
自宅待機と日直、宿直とは待機する場所は違いますが、内容は「通常の労働は許可せず、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態発生の準備等」であり、ほとんど同じになります。
従業員を宿日直に就かせる場合、所轄労働基準監督署の許可を受ければ、時間外労働扱いする必要がありません(労規則第23条)。
その時の許可基準は、通達(昭22・9・13発基第17号、昭63・3・14基発第150号)で示されていますが、手当に関しては、「宿日直に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている
賃金の平均額の3分の1を下らない」ことが条件となっています。
このことから、日直や宿直よりは負担の少ない自宅待機について、3分の1程度の賃金を支払うことで、法的には問題ないだろうと想定されます。
視線の法則
「人の視線は左から右へ動きやすい。」という法則。
商品の陳列などでは、左側から暖色(黄・赤)→寒色(緑・青・紫)→無彩色(茶・グレー・白)と、明るい感じの色から暗い色へ並べるとよいそうである。