親のしつけ
管理者研修で、今までに部下を叱ったことがある人、と聞くと30人中2~3人くらいしか手を上げない。
よほど部下が優秀なのか、それとも、上司の自覚がないのか、情けなくなる。そんな時、「自分の子供さえしかれないのに、他人をしかれるわけないですよ」といわれると、確かにと納得しながら、これでいいのかと不安になる。
子供を育てるということと、飼育するということは違うはずだ。
体だけでなく、心も大人に育てていくことが必要なのに、体だけ大きくして、育てていると勘違いしている親が多い。本当に子供がかわいかったら、その場は憎まれても、いけないことはいけないとしかるはずだ。
子供より自分がかわいいから、自分をいいこぶって、いけないことも見逃してしまう。その方が、自分も心地よいし、子供もなついてくれるからなのだろう。
ただ単に甘やかしたり、お金を与えることは、いけないことだとわかっていながら、子供の将来よりも、今の自分の心地よさを優先して、しからない、しかれない。
無責任とは、このままではダメになるとわかっているのに、何も手をうたないこと。と、いわれるが、まさに無責任な親である。そんな無責任な親を育てた、その親はもっと無責任である。
成果主義導入の前提
最近、中小企業でも成果主義で、年俸制などを導入したいという話をよく聞くが、ちょっとまってください、というようにしている。
確かに、大企業では成果主義の導入が目立ち、新聞報道もおおく見られる。
メディアは珍しいものや、いままでと変わったもの、あるいは珍しい点(多くの場合は全体の制度からみればごく一部)を、取り上げて報道する傾向があるので、鵜呑みにはできないが、実際にも、成果主義的な考え方を取り入れている企業は多くなっている。
成果主義というのは、成果を出すための投入能力や投入努力ではなく、創出された成果のみで評価し、処遇に活用しようという考えである。
「努力したとか、しないとか、ラッキーアンラッキーは関係なく、結果がすべてよ。」という考えであり、まさに、経営者が社会に対して負っている責任と同じようなものである。
それを経営者が社員に対して、求めようということであるから、やはりそれなりの条件が必要になってくる。そのへんを、クリアにしないで、経営者の都合であるいは、他社がやっているからという理由だけで成果主義に走るのは、逆効果ではないだろうか。
1 成果主義を理解し納得するためには、経営者とおなじくらいの職業意識が必要である。
中小企業では、その職業意識の高揚のほうが先である。仮に、そういう意識の人がいたとすれば中小企業の社員をやっていないはずである。
2 成果主義を理解し実行するためには、経営者とおなじくらいの権限と責任、そして、それに見合った処遇(賃金等)が必要である。
中途半端な権限委譲で成果主義を実行したら、社員は一番苦しむ。
3 成果主義を理解し推進するためには、成果を出すための仕組み作りができていることが、必要である。
成果を出す仕組みを作らないで、あるいは、整備しないで、社員に成果を求めるのはおかどちがいである。経営者の責任を社員に押し付けるようなものである。
4 成果主義を理解し継続するためには、成果測定のための仕組みができていることが必要である。
成果をどのように測定するのか。当社では何を成果というのか。
例えば、フロー(どれだけレベルを引き上げたか)、ストック(どれだけ価値の高い仕事をしているか)、チャレンジ(どれだけ困難な仕事にチャレンジしたか)など、どれをもって成果というのか。複数であれば、どのような根拠でウエイトを決めるのかなど、明確な仕組みづくりが先決である。
5 成果主義を理解し成功させるためには、経営者を含め人事担当者が、成果主義をよく理解することが必要である。
人事賃金制度は、会社の根幹にかかわる制度である。もしかしたら、販売戦略以上に重要かもしれない。にもかかわらず、出張費の規定を決めることとおなじレベルで考え、取り組んでいるようでは決してうまくいかないのである。ましてや、同業他社の資料を借りてきて、これとおなじにしようなんていうのは、まったく、論外である。
能力主義と成果主義
1.広義の能力主義
年齢や勤続等で賃金を決める年功制に対して、「能力や成績、取り組み姿勢などを評価し、賃金等処遇に反映させようとする考え方」を、一般に能力主義という。
新聞などでは、職能給、職務給、年俸制など、年功賃金以外のものを総じて、能力主義としているところが多い。
2.能力主義と成果主義
能力主義と成果主義」と分けて考えた場合は、次のようになる。
能力主義
「何ができる」という職務遂行能力を処遇の基本とし、取り組み姿や仕事の結果・成果を加味して、処遇に反映する考え方。
インプット(投入能力、投入努力)とアウトプット(成績)を評価の対象とする。
成果主義
「何をどれだけやったか」という仕事の成果を評価し、処遇に反映する考え方。
アウトプットのみを評価の対象とする。
人事管理で最初に手がけること
社長が一代でやってきたというだけあって、人事に関することがすべて、社長の気分しだいというところがあります。会社創立25年たとうとしていますが、すべて社長がしてきてしまって、なにも残っていない状況です。まずなにから整理していこうかと、悩んでおります。 人事、労務に関すること、まずはなにから整備していったらよいと思われますか?(30名の会社のIさん)
やはり、賃金制度の整備が必要でしょう。
特に、何によって賃金が決まるのかを明確にする必要があります。
年齢なのか、勤続なのか、能力なのか、職務内容なのか、成果なのか、・・・ あるいはそれら複数の合計なのか?
もし、年齢で決まるのであれば、何歳はいくら、
もし勤続が必要であれば、勤続何年でいくら、
もし、能力で決まるのであれば、どのような能力があればいくら という風に、
1対1の対応で金額が決まるように考えます。
それらを勘案して、総合的にいくらというのはだめです。
賃金決定要素が決まったら、その測定方法を考えます。 年齢や勤続は明確に測定できますが、能力や成果はすぐには測定できません。
当社で求める能力はどのようなものであり、どう測定するのか 当社で言う成果とは何であり、どう測定するのかを考えます。
測定方法がないのに、能力給だ成果給だといっても、意味ありません。
そうなると、その賃金制度にあった評価制度が必要になります。
誰が何を評価するのか、その基準は何かを決める必要が出てきます。
また、評価者の訓練も必要になるでしょう。
ここまでを一気に行うのがよいと思います。(1年間くらいで) 方法は、
・ 社内でプロジェクトを組んで進める
・ 他社の例を参考に、自社用にアレンジして進める。
・ コンサルタントを依頼して、自社用に構築する など、あります。
ここまで人事管理のベースを作っておけば、その後色々な方策も取れますし、 色々な事態にも対応できます。
人事制度(特に賃金制度)を作る、変えるという事は相当のエネルギーを必要とします。それ相応の覚悟を持って取り組む必要があります。 がんばってください。
人員削減の手順
業績不振で人員削減を考えています。なにぶん初めてのことなので、何をどうすればよいかわかりません。簡単な手順を教えてください。
色々事情があるのでしょう。とりあえず、手順を載せておきます。最近、このような相談が増えています。各企業の状況によりますので、具体的内容は個別のご相談ください。
1 人材削減の準備 (賃金カット、労働条件の変更)
役員報酬のカット、役職手当のカット、賞与のカット、残業規制、賃金カット、賞与支給停止、降格、降職、配置転換、転勤など
新規採用中止、パートの解雇など
2 部分的退職勧奨 (勤務態度不良、業績不良者への対応)
普通解雇(戒告訓告3回以上の根拠が必要)
退職勧奨(個別面接にて対応)
3 希望退職募集 (期間、対象者、定員、退職条件を定めて募集)
期間は10~30日間くらい。2次募集、3時募集も想定
管理職対象、中高年対象(40歳以上)、全社員対象など
定員は予定より少し多めに設定
退職金の割増など、後に行くほど悪くなるようにする
4 本格的退職勧奨 (希望退職期間中または希望退職修了後に、面接で退職を勧める)選定基準の作成
勤続年数、生活への影響度、単身者、扶養家族のいないもの、欠勤数、閉鎖部門、勤務状態、業績の低いもの
退職勧奨面接
5 整理解雇 (解雇者を指名して解雇する)
整理解雇4つの条件
・ 整理解雇の必然性
・ 整理解雇回避のための努力
・ 解雇対象者の人選の合理性
・ 解雇手続きの妥当性
できれば整理解雇になる前に処理する
6 その他 普通解雇
(勤務態度不良などの理由による会社側からの契約解除)
懲戒解雇
(就業規則の懲戒理由による会社側からの契約解除)
出向・転籍
退職金割り増しの相場
早期希望退職等の退職勧奨における 退職金割増の相場みたいなものはあるのでしょうか?
早期退職優遇制度は、大きく次の2つの類型に分けられます。
一つは余剰人員の削減を目的とした「希望退職」であり、もう一つは、定年前転職・独立の支援 労務構成の適正化などを目的とした「セカンドライフ支援制度(色々な名称がある)」です。
希望退職募集は、業績が悪化した企業が人件費削減のために行ういわば緊急避難策であり、この制度を導入する企業は、労働者の退職を誘導したいという強いニーズを持っています。そのため、募集の期限と退職数の目標を設定し、期限までに退職数の目標が達成できるよう、職場の上司を通じて個別に応募を働きかけることもあります。人員削減目標の早期達成を図るため、比較的転職しやすい若年・中堅層も対象とするケースが少なくありません。
他方、セカンドライフ支援制度の目的は、長寿化により労働者の職業生涯が長期化しつつあることを受け、労働者が定年を待たずに次の就労ステージに円滑に移行できるよう、企業として支援するものです。もちろん、こうした労働者へのサービス提供だけが目的でなく、企業としても中高年労働者の比重をコントロールすることで将来の人件費負担増を回避し、また、ポストの若返りを促すというメリットをこの制度に期待する側面もありますが、その期待は中長期的なもので、少なくとも希望退職募集のような切羽詰まった人員削減ニーズはありません。
したがってセカンドキャリア支援制度は期限を設けない常設の制度で、企業が労働者に制度の利用を強く働きかけることもないのが特徴です。
割増加算金の世間相場は、一般に、企業としての雇用調整ニーズが強いほど高く設定される傾向にあります。
しかし、その世間相場となると、適当な統計データはなかなか見当たりません。企業によって大きなばらつきがあるのが実態であり、平均値がほとんど意味を持たないからです。
以前、著名な大企業が相次いで早期退職優遇制度を実施しました。例えば50歳で月例給与の30~40ヵ月分もの加算金を通常の退職金に上乗せする事例などが次々と報道され話題を呼びましたが、これらはいずれも上記の希望退職募集に分類されるものです。
常設型のセカンドライフ支援制度では、年齢にもよりますが、おおむね月給の12~24ヵ月程度というところが多いようです。
要は、この制度を導入する企業がどれほど切迫した雇用調整ニーズを持っているか、そして条件を提示された労働者がその条件にどれだけ心を動かされるかということですから、労働者の耳に入りやすい他社の事例やマスコミ報道等の動きにも目を配りながら、その企業なりの判断で水準を決めるしかないということになります。
実際の中小企業の事例では、希望退職の場合6ヶ月から12ヶ月くらいの加算額が多いようです。
上場企業では、24ヶ月前後の加算額になっているようです。
呼び出し待機手当
現在、ある顧客のハードウェアの保守を担当しています。 会社はパートナー会社には365日24時間対応を売りにしていますが、 休日(土日祝日)、トラブルがいつ起きてもいいように、 自宅待機というかたちで休日を過ごす日が隔週であります。この自宅待機という時には賃金は支払われないのでしょうか? 現在は自宅待機時には発生していません。 もちろん仕事が発生すれば賃金は支払われます。(Hさん)
労働時間とは仕事をしている時間ではなく、指揮命令に服している時間をいいます。 例えば、店員さんが客待ちしている間実際に仕事をしていなくても、指揮命令下にあれば労働時間といえます。昼休みに、電話当番を命じられて電話を待っている時間も労働時間といえます。
今回、休日に客先からの電話を待っているということですが、その電話の頻度や時間にもよりますが、ほとんどない状況であれば、かなり自由度が高いので指揮命令下にあるとはいいがたく労働時間には入りません。
しかし、それなりの負担もあるわけでそれに対する何らかの補償は必要です。通常賃金の3分の1程度の待機手当を支給するのがよいのではないでしょうか。
人事評価は、するのもされるのも嫌だ!
私は評価するのも嫌いだし、評価されるのも嫌いです。
評価をするということと、序列をつけたり、競争させるということは、別問題ではないでしょうか。確かに、序列をつけられることや、競争を強いられることを望まない人はいると思いますし、それがいつも好ましいとは思いません。
ただ、評価されることは望んでいるのではないでしょうか、○○さんも自分の仕事について、お客さんが気に入ってくれたかどうかは気になるでしょうし、正しい評価を、できればよい評価をしてほしいと望んでいると思います。
また、そのような気持ちがあるから、レベルアップしていくのだと思います。
「評価=処遇(賃金、賞与)」、「評価=差をつけること、序列をつけること」、という考え方をまず払拭する必要があります。
仕事の結果や行動に対して、よいものはほめてほしい、いけないものは注意してほしい、よくても悪くても何も反応を示さない、無関心が一番嫌なことだと思います。
何を評価するか、基準は何か、ルールや方法はどうするか、など、検討することはあると思いますが、前提は、正しい評価を望んでいる、正しい評価は必要だ、ということです。
賞与が出ない
ここ2年程、賞与が支給されていません。今年も出そうにありません。経営が思わしくないことは承知していますが、いつも支給予定日か前日まで支給出来ないことの通達がありません。出ないかも?と覚悟はしてますが、出せないのなら早めに通達すべきだと思うのですが、どうなのでしょうか?
ご相談にお答えします。
おっしゃるとおり、社員の気持ちを考えると、当然、もっと早く事情を説明するのが必要だと思います。
また、就業規則や賃金規定に賞与を年2回支給すると、明記されていて、支給できない場合は、経営者は事前に事情を説明する義務と責任があります。
一度、就業規則を確認なさるとよいと思います。
納得できない評価
今年の賞与の評価で直属の上司(課長)は2ランクアップしてくれましたが、その上の上司が課長にも内緒で勝手に下げてしまい、未だに課長にも理由は言っていないそうです。
評価を下げた上司に理由を聞こと話し合いの場を設けて頂くようお願いしていますが避けているようです。どうしても理由を説明してもらえないのであれば法的手段に訴えることが出来ますか?(N子さん)
大変の状況ですね。会社や上司にもっとしっかりやってもらいたいですね。
まず、法的な問題ですが
1.人事考課は使用者の人事権に属するもので、人事考課の内容や評価の方法も、通常使用者の裁量に委ねられています。
2.人事考課の適否について法的な問題となるのは、合理性のない男女差別、不当労働行為に該当すると認められるような事例に限られています。
3.人事考課は今まで使用者の主導のもとに行われてきましたが、人事制度の新しい動きの中で、評価基準や査定結果の公開が求められるようになってきています。
ということで、男女差別や不当労働行為(組合員であることを理由に差別するなど)や信条による差別の場合は 法的手段により、対応できますが、仕事上の評価については、社内の問題であり、法的には対応できないようです。
したがって、そのような評価になった理由を聞くほかありません。
教えてくれないようですので、「女性だからですか」と確認してください。
そうだと言えば、法的に訴えることができます。
違うと言えば、その合理的理由を聞いてください。
明確な理由がない場合は「やっぱり女性だからですね」と念を押してください。
その上で、男女差別により不利益な評価をされたと、経営者に通告してみたらどうでしょうか?
会社の中に、苦情処理窓口があるとそこに相談するのが良いと思います。
労働組合があれば相談することもよいでしょう。
頑張ってください。