★諏訪信仰と古代の豪族や古墳も関係する諏訪元祖の神社★
場所・ 長野県茅野市宮川2030
電話・ 0266−72−1606 HPあり
創建・ 古すぎて不詳
竣工・ 昭和7年(1932)
構造・ 木造 石造明神系鳥居
祭神・ 高志奴奈河比売神(建御名方命の母神)
もしくは八坂刀売姫 (建御名方命の妃神)
社務所・ あり 各種ご朱印・ご祈祷・お祓い・七五三あり
祭礼・ 7年に1度の御柱祭が有名
最終訪問・ 2022.04 GW
長野県中央部の諏訪湖の南部、諏訪地方の茅野市にある諏訪大社の前宮です
前宮というからに、元祖となる神社で今ではシンプルな感じですが、古代の匂いを漂わせ、ただものではない雰囲気のある神社です
祭神は、諏訪大社の建御名方命のお母さんの(父は出雲大社の大国主命)新潟県糸魚川市のヒスイの神様・奴奈川姫(去年のGWに奴奈川神社を参拝)様と建御名方命の奥様の八坂刀姫命で、女神様です
諏訪大社 前宮 広い境内 元は古墳みたい
境内は階段を登っていく高いところにあり、まずは左側に見えてくるのが「十間廊」(じゅっけんろう)という奈良のような長床
丸い柱が多く建っている横に長い空間で壁がありません
これが古代祭祀の形式ということで、なぜかユダヤ教の祭祀の建物と似ているという説も
古代にユダヤが関係あるのかわかりませんが、偶然なのか、いろんな説があるようです
この神社は元は古墳の上にあり、古くは神殿に附属した御社だったそうです
諏訪大社 前宮 十間廊 喜多方の熊野神社でも見た
高台で豊富な水や日照が得られ、ご祭神が最初に居を構えられたのがこことも
この古代豪族というのも、いろんな説があり名前がいくつか残っていて、1つが「守矢」(もりや)という狩猟民族で、今でも諏訪神社の祭祀には動物が捧げられたりすることも
諏訪大社 前宮 十間廊 風も神秘的に吹く
この守矢氏というのは、諏訪氏のもとで神長官として続いて来て、門前には資料館も
古代豪族の時代から縄文・弥生へと続くこの地の文化
茅野市は古代遺跡もあるようで、マンホールにははにわの絵が描いてありました
諏訪大社 前宮 十間廊 奈良とか古い形式みたい
境内をさらに登ろうとしたら、本来は階段があるところを、このときはその上から板が張られ、スロープ状になっていました
これは、御柱祭の準備で、御柱がここを登りやすいように坂にしてあるのですね
諏訪大社 前宮 内殿玉殿 諏訪神の祖神を祀る
階段の横には、諏訪神の祖神が祀られた内殿玉殿があります
前宮の建物の配置というのも独特で、十間廊や、内殿玉殿があったりと奥にありそうなものが前の方にありますね
さらに坂道を上ると拝殿があり、諏訪神社の中でも前宮のみ本殿があるそうです
境内 柱が滑りやすいように階段はスロープ状に
なんとも拝所は建物もシンプルな場所ですが、それだけに古代からの形式をそのまま残している感じがしていいですね
なんだか伊勢ぽいなあと思ったら、昭和7年に伊勢神宮からの古材で建てられたものだそうです
お伊勢さんと諏訪造り、こちらはその融合が面白いですね
諏訪大社 前宮 拝所 GWなので人が多くて
もともと、この独特の御柱を崇めるというような文化は謎が多く答えが出ていないそうですが、古代の感じがしますよね
もとは狩猟民族がいたということで、獲物を捕らえる時の道具なのか、獲物を干しておくためのものなのか
もしくは神様は木に宿り、神様は「柱」と数えるので神様の象徴なのか
拝殿の周りに4隅に立てるので結界なのか
下社2社は、もみの木と杉の大木が御神木で、拝殿の後ろにあるので、木への信仰はありそうです
諏訪大社 前宮 拝所 本殿
そして、なぜ諏訪大社は独特の4社で1つという形式なのか
秋宮・春宮があるのに、夏宮・冬宮はないのか
古代から続く独自の形式がそのまま続いているので、神社の初期の形なのか
境内の櫓 柱を立てるためのもの
「4」というところの意味は、四季なのか人間の喜怒哀楽などの「荒御魂」「静御魂」的な感じなのか
考え出すと止まらないですね
御柱祭の設営の様子 柱を立てるための櫓
そもそもなんで御柱祭は7年に1度なのかも
そういう謎があるのも、日本の古代文明的で面白いです
(古代文明好きすぎてエジプトまで行った女です)
境内からの茅野市内 長閑な風景
境内では、地元の方が御柱を立てる準備のために櫓を組んでおり、こういう風景も御柱祭の期間中だから見れた光景
GWなので人は多く観光地ですが、祭の最中なので仕方がないですし、今しか見れないなら貴重です
境内の説明看板 不思議ないわれがありますね
高台の境内から見下ろした茅野市の街もとてもきれいで、古代の方も守矢氏も諏訪氏もこうして、ここから町を見下ろしていたのかな、と思いました
境内の説明看板 いろんないわれがあるなあ
かえって今はシンプルな丘で、自然が多い神社だけに古代の風景に近い感じがして良い神社でした
ここがあの有名な諏訪神社の元祖となる場所なんですね
今でもきっとここから、現代の人を見守っているんだなあ