★市内で一番大きな奴奈川神社で伝説も残る★
場所・ 新潟県糸魚川市田伏609−1
創建・ 不詳
竣工・ 古め 明治以降か
構造・ 木造 流れ造り 石造 明神系鳥居
祭神・ 奴奈川姫命 相殿・大日霊命、八千矛神
社務所・ なし
最終訪問・ 2021.05 GW
糸魚川市の日本海側、日本海ひすいラインの梶谷敷駅の西200mにある町中の神社です
社伝によると当社の由来は、高皇産霊尊(タカミムスヒ)の子・意支都久辰為命(オキツクシイ)が高志国に降臨し、その子の卑都久辰為命(ヘツクシイ)とその子の奴奈川姫命がこの地を治めていましたが、出雲から八千矛神(大国主命)がきて、ともに国造りし、それが終わるや多布勢(たぶせ)の神沼山に岩隠れしました
拝殿 市内の奴奈川神社の本拠地か
その後、成務天皇のとき、市入命(イチイリ)が越の国造として来たり、奴奈川姫(ぬながわひめ)の社を建てて祀ったといいます
現在の祭神は奴奈川姫命で、相殿に大日霊命(オオヒルメ)と八千矛神を祀ります
当社は「延喜式」の「奴奈川神社」(頸城13座の市)の論社です
当社のほか一之宮の奴奈川神社、能生の白山神社も「式内・奴奈川神社」の候補です
拝殿 向拝 彫刻が素敵
拝殿屋根の紋は「榊九葉」といいます
拝殿の裏に本殿が建っていて、流れ造りの屋根が見え、下部は覆われています
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糸魚川の中心市街地から上越市側の町へ移動し、その郊外の町中の平地にある神社ですが、まるで公園のように翠豊かで気持ちの良い広い境内です
一の宮の方の奴奈川神社も公園ぽく広いのですが、開けていてうっそうとしていず、わりにそちらは明るいです
拝殿 扁額
でも、こちらの奴奈川神社は緑の中にあり、より雰囲気があります
大きさとしては、一之宮のものよりも大きく、一社でこれだけの規模なのは違いますね
本当はここが奴奈川神社の本拠地なのか
本殿
一之宮の方は、場所を転々としたのちに天津神社の境内の一角にある感じなので
運よく貸切で参拝することができましたが、普段は地元の人に親しまれてると思います
境内の片隅には歴史ありげな石祠も並び、ここが古代からの神聖な場所だったのかなあ、と想像します
境内 石祠群
拝殿は大きく立派なもので、この地域の鎮守様ですね
本殿も雰囲気あるもので、見ることができて良かったです
神話の中に出て来る重要な奴奈川姫を祀った神社で、この地のヒスイ伝説ともつながると思います
拝殿 基礎部分が煉瓦なので建築年代は明治以降
奴奈川姫は、出雲から来た大国主命と結婚し、隣の上越市の海岸沿いの五智地区という国府があった地域で、諏訪大社の健御名方命を生んだとされています
その名残が、越後一之宮の「居多神社(こたじんじゃ)」にあり、3人の家族の像があります(後ほどUP)
境内
こちらとしても、出雲の進んだ稲作・鍛冶職・酒造りなど技術を教えてもらえたから(ヒスイと引き換えに)利益はあったと思います
この地の地名も「梶」と付くので、もしかしたら、出雲の鍛冶技術と関係あるのかも知れませんね
そんなことを想像できるような古代の雰囲気を残す緑の神社でした
神社・神話・街歩き好きの方にもオススメです♪
*神社のデータは「にいがた神社探訪」より