★信濃国一之宮の諏訪大社の下社2社★
場所・ 長野県諏訪郡下諏訪町193(春宮)
長野県諏訪郡下諏訪町5828(秋宮)
電話・ 春宮 0266-27-8316、秋宮 0266-27-8035
創建・ 古すぎてわからないが国内最古級
竣工・ 春宮 江戸時代 1780年、秋宮 江戸時代 1781年
構造・ 木造大社殿造り
最終訪問・ 2013.10 再訪
★諏訪大社 下社 春宮 春に神様がいる
長野県中央部、諏訪地方にある諏訪湖の東岸にあります
JR中央本線下諏訪駅から北西へ約1km、秋宮から西へ1kmの位置で旧中仙道沿に鎮座します
上社へは諏訪湖を隔て約13kmです
社頭から真直ぐ800m程伸びる道路はかつては春宮の専用道路で、下社の大祝金刺一族を始め多くの武士達が流鏑馬を競った馬場でした
途中の御手洗川に架る下馬橋は室町時代の建立ですが、建築様式は鎌倉時代のもので1730年代の元文年間に修築されましたが、下社では最も古い建物で遷座祭の折に神輿はこの橋を渡ります
入口の御影石の大鳥居は万治二年(1656)建立と推定され、境外にある万治の石仏と同じ作者と言われます(くぐったが画像なし)
神楽殿と拝殿、左右片拝殿及御宝殿と続く建物の配置は秋宮と同じです
神楽殿は修改築が幾度となくなされています
春宮と秋宮の社殿の建替が諏訪藩に依って計画された時に同じ絵図面が与えられたと見え、大きさこそ違いますがその構造は全く同じで、春秋両社の建築は彫刻に於て技が競われております
春宮の社殿は地元の宮大工柴宮(伊藤)長左衛門が請負い、秋宮より後から着工して一年早く安永九年(1780)に竣工しました
御宝殿は上下社共に三間四方で、方三間の神明造りと言います
下社では寅年と申年の左右の御遷座祭の他に半年毎に春宮と秋宮の遷座祭が執行されます
春宮は杉の木を、秋宮は一位の木を御神木として拝しております(下の画像)
神楽殿の西の建物が筒粥殿、その西の清流は砥川です
川の中にある島は浮島と言い、どんな大水にも流れず下社七不思議の一つです
お社は浮島社と言い、清め祓いの神を祀り六月三十日の大祓式、夏越の祓いはここで行ないます
鎌倉武士が御射山の祭典に参列する時まずこの川で身を清め八島高原へ登山したと伝えられます
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★諏訪大社 下社 秋宮 秋に神様がいる
例大祭:秋宮で8月1日、
遷座祭(お舟祭):2月1日に秋宮から春宮にお遷した御霊代を春宮に戻します。
遷座の行列の後に大きな舟に翁媼二体の人形を乗せ数百人の氏子がその舟を曳きます
JR中央線下諏訪駅の東北約1km、春宮からも東へほぼ1kmの地点で、旧中仙道と甲州街道の分岐点の要所に鎮座しています
鳥居を入ってまず目に付く正面の大きな木は根入の杉と呼ばれ樹令は約八百年の御神木です
身長1.70m、青銅製では日本一と言われる狛犬を両脇に従えた神楽殿は三方切妻造りで天保六年(1835)立川和四郎二代目富昌の作です
御社殿は神楽殿の奥で、二重楼門造りの拝殿と左片拝殿及び右片拝殿が横に並びます
これ等の建物は江戸時代中期の絵図面では帝屋(御門戸屋)及び回廊と記されており、現在の建物は安永十年(1781)春に立川和四郎初代 富棟の棟梁で落成しました
拝殿奥の神明造りの建物は宝殿で、新しい方を神殿、古い方を権殿と呼び、寅年と申年毎に左右の遷座祭を行います
当社の宝殿は上社、下社共に平素二殿並んでいます
室町時代の記録では新築後六年間雨風に晒し清めて御遷座をなし、直ちに旧殿を解体新築という形式だったようですが、いつしかこれが逆になり、祭典の直前に旧殿を建直して新殿に御遷座するようになりました
宝殿の奥が御神座とも相殿とも言われ、御神木をお祀りする下社の最も重要な場所です
上社の神体山に対し下社は御神木を御神体として拝し、古代祭祀の形式を今に残しております
日本では明治六年に太陽暦が採用され旧暦による神事行事と新暦による神事行事が入り乱れています
旧暦での神事の流れ
1月1日 春宮へ遷座祭
1月3日 元始祭
1月15日 筒粥の神事
2月17日 祈年祭
春宮と秋宮へ遷る遷座祭は旧暦の季節に合わせて、筒粥の神事は新暦に合わせるしか方法が無かったようです
筒粥の神事の1月15日は巷では「小正月」「どんど焼き」「道祖神祭」が行われ正月に行われていたためではないかと思われます
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この2つの神社には2009年と2013年にそれぞれ参拝しましたが、参拝する季節をそれぞれ間違えてしまいした
そして諏訪市も再訪しているのに本社にはまだ参拝していないという自分のお粗末さが残念です
いつかまた今度、諏訪地方に行くことがあれば本社に参りたいと思います(また出直して来いという神様の御意向でしょう・2022年4月に御柱祭に呼んで頂いた)
建物自体は歴史のあるもので大きなしめ縄が印象的で背後も森で雰囲気があります
峠を越えて下諏訪の町へ北から入る際は春宮がまずあるのでここで参拝をしてから町に入るということも良さそうです
峠の上には毒沢鉱泉というオレンジ色濁りの酸性の鉱泉があり、ここで身を清めてから町に入るのも一興です
(残念ながら廃業されました)
神社・諏訪・パワースポット好きの方にもオススメです(^^♪