★茅葺の拝殿の後ろにある本殿のうちの1つで女神様★
場所・ 新潟県糸魚川市一之宮1−3−34
創建・
竣工・ 寛政10年(1798)改築
構造・ 木造 流れ造り
祭神・ 奴奈川姫命 八千矛命
社務所・ あり 天津神社と合同
最終訪問・ 2021.05 GW
JR糸魚川駅からも近い一之宮にある奴奈川神社は、天津神社の境内にこじんまりと祀られています
元禄3年(1690)の縁起によると、もとは「柳田権現」と称し、祭神は十一面観音観世音でした
初め別の場所にあり、何度か遷座したと伝わります
現在は天津神社の本殿の隣に鎮座します
当社は「延喜式」所載の「奴奈川神社」(頸城郡十三座の一)の候補です
「奴奈川神社」には論社がいくつかあります
能生の白山神社や田伏の奴奈川神社も「式内・奴奈川神社」の論社です(明日Up)
この地域には奴奈川姫を祀る神社が多いです
社殿は寛政10年(1798)の改築です
中に納められている奴奈川姫神像は槍の一木造りで、平安後期の作風を伝えているとされます(県の文化財)
社殿前に古風なこま犬(文政8年・1825)が置かれています
境内 山門
・祭神
奴奈川神社の祭神については諸説あり、
・奴奈川姫命、八千矛神(明治16年・神社明細帳)
・大己貴命、沼川比寶命
(越後国頸城郡延喜式内十三座神社博記)
・大己貴命(天津神社蔵鰐口銘)
社務所 無人
・奴奈川彦命、奴奈川姫命(天津神社記録)
・沼河姫命(神名帳考證)
・沼川比寶命(越後国式内神社甲考證)
・奴奈川彦命、奴奈川姫命、黒媛命(越後風土記節解)
現在は奴奈川姫命と八千矛命を祀ります
*
奴奈川神社は、天津神社の一角にこじんまりとあるのが意外でした
大きな茅葺の社殿は天津神社のものだったんですね
社務所 GWでも人気はない
天津神社の境内は広く、他にも元社務所のような木造の建物や、随神門のようなものや、境内社や石祠も色々あります
やはりそれだけ聖地としても歴史が長いからでしょうね
境内社 苔むした鳥居も素敵
奴奈川神社の社殿は、茅葺の大きな社殿の後ろに本殿のように控えめにあり、ゴリラのようなこま犬が個性的です
どちらにしても、糸魚川地区は、昔から統治者が女性の方だったような感じですね
石祠群 歴史ありそうなものを集積
ヒスイによる祭祀があるので、巫女のような女性が重要な役割を果たしていたから、糸魚川地区は中央の神様とは別の女神を祀っているのが独特ですね
日本でもほぼここだけでしか採れないヒスイを神格化したものが奴奈川姫と言われており、市内の能生地区にある川がちょうど日本を西と東に分ける大断層「中央地溝帯・大地溝帯」の糸静線上で、フォッサマグナが通っています(フォッサマグナ・ミュージアムもあります)
その川の谷で、大地の圧力の関係で緑色凝灰岩・ヒスイが採れるので、奴奈川姫の生まれ故郷とされています
古代の女神と大地の断層が関係があるのがダイナミックですよね(昔は断層なんてわからなかったはずなのにな)
奴奈川姫と大国主命の結婚は、ヒスイを通して出雲との密な関係を表したものとされています
境内 山車が入っている倉庫かな
市内から見える黒姫山も、「姫」だけに女神の名前ですしね(「姫川」もある)
それにしても奴奈川彦命という男神もいたようですね
かえってひっそりとしている感じが、古代の雰囲気を感じますね
古代・女神・神話好きの方にもオススメです♪
*神社のデータは「にいがた神社探訪」より