近鉄大阪線(その2・大和八木~伊勢中川) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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名張駅にて。特急用の汎用車両、22000系電車です。

  

今回は、私鉄で最長の路線網を持つ近鉄の、
名古屋や伊勢志摩へ向かう特急が頻繁に走る広域的なメイン路線である大阪線の第2回は、
奈良県から三重県へ。大和八木~伊勢中川を一気に紹介致します。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

路線名   区間・営業キロ   備考  
近畿日本鉄道:大阪線  大阪上本町~伊勢中川(108.9km)  (※1)  
(※1)直流1,500V電化。軌間1,435mm。      
  
  

今回紹介の区間  

区間   営業キロ   備考  
大和八木~伊勢中川  71.2km  全区間複線  
  
  
踏破達成時   1999年8月  
撮影時   2012年ほか  

  

  

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大和八木駅にて。大阪線は島式ホーム2面4線の構造です。地平にはほぼ直交する形で橿原線のホームがあります。
名阪甲特急(ノンストップ特急)の一部を除く全列車が停車します。
また、殆どの列車が大阪上本町・大阪難波方面へ直通します。京伊特急は新ノ口連絡線を通り橿原線へ直通します。

  
  

大和八木を発車すると高架から地平へと下り、左手に大和三山のひとつ、耳成山を見ながら住宅地を走ります。耳成(みみなし)を過ぎると橿原市から桜井市へと変わり、右手遠方にこちらも大和三山のひとつ、天香久を見ながら走ります。大福を過ぎると右側の少し歯なれた場所に桜井線が現れ、しばし並走します。そして築堤へ上がり、1958年に廃止となった大和鉄道線の廃線跡を跨ぐと桜井に到着します。
桜井を発車すると桜井線をアンダーパスし、地平に下り市街地や住宅地の中を東進します。南側に近鉄が開発した住宅地のある大和朝倉付近からは連続上り勾配で山岳区間へと入ります。この間、車窓左側の眺めは抜群です。西国三十三箇所第八番札所・長谷寺に近い長谷寺駅を過ぎるとさらに山深くなります。宇陀市へと入り、榛原トンネルを抜けると市街地へと入り、榛原(はいばら)に到着します。

  
  

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長谷寺~榛原にて。谷を見下ろしながら走ります。谷の反対側には棚田が広がっています。

  

榛原を発車すると山々と新興住宅地の混在した風景の中を走りますが、やがて山間部のローカル風景に変わります。国道165号線をオーバーパスすると室生口大野で、その後トンネルを抜けると淀川水系・宇陀川の深い谷を進みます。

  
  

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室生口大野~三本松にて。宇陀川の谷を見ながら高台を走ります。眺めは抜群です。

  

三本松を過ぎて国道165号と宇陀川をオーバーパスすると奈良県から三重県名張市へと変わり、宇陀川を2度渡ると山間部を脱し、上野盆地の田園風景の中を走るようになり、赤目四十八滝から流れる滝川を渡ると赤目口に着きます。その後もしばらく田園地帯を走りますが、市街地へと入り、国道165号をオーバーパスして名張川を渡ると名張市の中心駅かつ運転上の拠点駅である名張駅に到着します。

  
  

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名張駅にて2009年1月撮影。島式ホーム2面4線を持ち、乙特急以下は全て停車する拠点駅です。
日中の特急以外の列車は、榛原~榊原温泉口間各駅停車の急行がメインとなります。
また、伊勢中川へ毎時1本ずつ普通電車が運転されています。

  

名張駅を発車すると留置線を見ながら住宅地を走りますが、やがて田園地帯へと戻ります。そして丘陵へと入ると桔梗が丘に到着します。

  
  

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名張~桔梗が丘にて。田園地帯を走りますが、遠方の道路沿いには郊外型店舗が多数立地しています。

  

桔梗が丘を発車後は丘陵地に近鉄が開発した大規模なニュータウン・桔梗が丘住宅地の中を走ります。そして住宅地が途切れてしばらくすると別の住宅地が現れ、美旗に着きます。美旗を発車後は田園地帯を走り、伊賀市へと入ると丘陵地帯を進みます。そして周囲が開けてくると伊賀神戸に到着します。伊賀神戸駅は伊賀鉄道伊賀線(旧・近鉄伊賀線)との乗換駅です。

  

伊賀神戸を発車すると伊賀鉄道伊賀線が左へ分かれ、その後は丘陵地を走ります。そして平地へ出て左側に留置線を見ると青山町に着きます。大阪上本町方からの多くの列車が当駅止まりとなっています。
青山町を発車すると周囲に山々が迫る田園風景の中を走ります。伊賀上津を過ぎると山岳区間へと入り、長短3つのトンネルをくぐります。そして国道165号をオーバーパスし、青山川の深い谷を走ると西青山に着きます。西青山を過ぎると近鉄最長の新青山トンネル(全長5,652m)へと入り、布引山地・青山峠を一気に越えます。新青山トンネルは1975年に完成した比較的新しい複線トンネルですが、それ以前は北側に青山トンネルなどいくつかの単線トンネルで青山峠を越えていて輸送上のネックとなっていましたが、1971年に発生した総谷トンネル内での列車衝突事故も一つの契機となり新青山トンネルが建設されました。
そして新青山トンネル内で津市(旧・白山町)へと変わり、トンネルを出ると島式ホーム2面4線の東青山に着きます。

  
  

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東青山駅付近にて。深い山間部を走ります。この区間は1975年開通の新線区間です(旧線は廃止)。

  

東青山を発車後も2つのトンネルで山岳地帯を通過し、やがて平地に出ると築堤を走り、榊原温泉口に到着します。古くからの歴史ある温泉・榊原温泉へは三重交通バスで15分ほどです。

  
  

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榊原温泉口駅付近にて。この辺りは山間部のローカル風景を眺めながら走ります。

  

榊原温泉口を発車すると再び山間部を走り、しばらくすると住宅地に出て大三(おおみつ)に着きます。その後は国道165号をオーバーパスして丘陵地帯を一直線に走ります。トンネルを抜けて左へカーブして、伊勢石橋を過ぎると雲出川(くもずがわ)を渡り、南側の丘陵と北側の田園との境目を走ります。住宅地へと入り、JR名松線の一志駅に近い川合高岡駅を過ぎると田園地帯の中を走ります。そして伊勢自動車道をアンダーパスし、松阪市へと入りしばらく走ると名阪特急が通る中川短絡線が左へと分岐します。その後すぐに中村川を渡り、住宅地へと入って左側から名古屋線が合流すると終点の伊勢中川に到着します。

  
  

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伊勢中川駅にて。
ホーム5面6線の構造で、両側の扉を開けて停車中の列車を横断して隣のホームへ昇降なしで移動することも可能です。
伊勢中川駅は松阪市(旧・嬉野町)にあり、駅前が再開発されて来ているとはいえ、近鉄の本線級の路線の終着駅としては少々寂しいです。
尚、大半の列車が山田線と直通運転しています。また、当駅でスイッチバックして名古屋方面へ直通する列車も僅かながら存在します。

  

  

乗り鉄の注意点   

大阪線では特急の運転本数が多く、概ね名阪甲特急と名阪乙特急が毎時各1本、阪伊乙特急が毎時2本運転されています。また、京都と伊勢志摩を結ぶ京伊特急も4往復運転されています。
運賃のみで乗車可能な電車は、データイムの大和八木駅基準で1時間当たり急行(榛原~榊原温泉口間各駅停車)が3本、区間準急(高安伊東各駅停車)が3本運転されていますが、区間準急は榛原止まり、急行は名張行、青山町行、宇治山田行が各1本ずつの運転です。そして名張・東青山~伊勢中川間の普通列車が毎時各1往復ずつ運転されています。
また、ラッシュ時には大阪上本町~伊勢方面を結ぶ快速急行も運転されています。

  

尚、伊勢中川まで走破する急行・快速急行にはトイレ付きの車両が連結されています(一部例外あり)。

  

快速急行以下の車両の大半がロングシート車ですが、長距離列車を中心に3扉転換クロスシート車である5200系や、ロングシートとクロスシートの両方に転換可能なL/Cカーの各系列も使用されています。

  

急行での大和八木~伊勢中川の所要時間は1時間15分前後で、阪伊特急(53分前後)と種別相応の差があります。
(※)名阪特急は伊勢中川駅には停車しません。要注意!       

  

  

のりかえ(2012年記事投稿時点)   

乗換駅   乗換路線  
大和八木駅   近畿日本鉄道:大阪線(大阪上本町方面)橿原線、<新ノ口連絡線>  
桜井駅   JR西日本:桜井線  
名張駅   (※1)JR東海:名松線 (伊勢奥津駅まで三重交通バス・奥津線で70~80分)  
伊賀神戸駅   伊賀鉄道:伊賀線  
川合高岡駅   近畿日本鉄道:<中川短絡線>。JR東海:名松線 (一志駅まで徒歩3分)  
伊勢中川駅   近畿日本鉄道:山田線(直通運転)名古屋線  
(※1)名松線の家城~伊勢奥津はバス代行輸送中〈2012年8月現在〉。     

  

(参考:Wikipedia)