オープニングはいつものアダルティな「猫たちの夜」をWashboardやカズーを使いながらジャグバンド風に。「Mississippi Delta」(Bobby Gentry)は2曲目でしたよね。で、「Love The One You’re With」(Stephen Stills)と「Hot Legs」(Rod Stewart)は生スライドとタンバリンではじけまくって。
Linda Ronstadt風の「Heat Wave」もよかったし、もちろん「Shake Your Moneymaker」は"Smokin' Boogie"をぶっこんで!
「Rock ’N Roll Soul」~「ナオミの夢」「I Feel The Earth Move」「Golden Age of R&R」どれもカッコよかったし、いつもどおり素晴しい演奏だったはずだ。アンコールの「ロックン・ロール」の歌声ではぶっ飛びもしたがしかし、俺の頭に残ったのは2つのケツとベーアンの轟きだけなのだった。疲れた。街の、イベントの端の橋にまで追いやられても一生懸命やってくれたスーさんとドライブ from Ishinomaki、わたしはあなた達を決して忘れはしません。何言ってんだ、自分でもよくわからない。とにかく疲れて……。
やる気満々でした。とくに赤パンのおじさんはミックになりきってました。のでちょっと俺、笑っちゃいました。だってあまりにカッコ決め決めだもんで。ごめんなさい。と謝るのには根拠があって、ずっと見てるうちに慣れてきちゃったのね、そのキメキメのアクションに。それからは「Midnight Hour」「Carol」「Around & Around」「I Just Want to Make Love to You」etc...もう楽しいだけでした。楽しめるはずだったスーさんとドライブでぜんぜん楽しめなかったから、もうここで取り戻しますからね、俺たちは。そんな後ろ暗い理由もあるにはありました。でもそんな後ろ暗さを吹き飛ばすほどの熱気が、とり憑かれた様に弾きまくり続けるギター、静かに楽しんでいるのがわかる無表情なベース、単純なリズムに力感でファイトを叩きこむドラム、そして歌詞を全く間違えないヴォーカルからズバズバと感じられたからです。ありがとう、ザ・ディーラー、救い主、「Just My Imagination」最高、「Train Kept A Rollin’」悶絶、The Dealerステキ。俺は手を合わせた。いわきからわざわざありがとう。そしてだらだらと帰途についた。夫婦とも65歳ですからね、これ以上の無理は無理ですだ。
初めて見た時、RCとワンセットで電力で見せられた時はなんでRCが前座なんじゃいと思ったもんだが、そん時はまあYou May Dreamがヒットしてたんでしょうがなかった。RCはごく一部で雨上がりが聴かれだした頃でね。それからR&R Olympicで何回かシナロケは見たけど、いつもどこでもシーナはジャニスどころかカルメンマキにもなれない、高く低く様々に「作った声」で俺達をだまし続ける、実にけなげな「ニセモノ」だった。なのにどこから見てもいつも誠実に、ニセモノを極め続けた。それは間違いなくロックンロールの「ホンモノ」だった。