どれがインチキでどれがホンモノかなんてロックで言ったらキリがねえよ。だってほらニッポンレット―から西にスパッとひとっ飛びの地で起きためんたいなんとやら。それもどのバンドが始まりかなんてオラ知らんが、まあサンハウスでいいでしょう。そっからシナロケ、ロッカーズ、ルースターズ、えっとえっとえっとせとらってことで、何が言いたいかはそろそろバレてきたね。そう。サンハウスのLemon TeaはYardbirdsのTrain Kept A-Rollin’、でシナロケのオマエガホシイはStoogesの1970、ロッカーズもルースターズもチャックベリーやらジョニーサンダーズやらをまんま自分たちの曲にしちゃって、それでおれたちをノラせたって事実の積み重ねで、言っちまえばそれをやってノセラレるかどうかだけが真実の核だったわけだ。
だから。
シーナは最後までホンモノだった。
初めて見た時、RCとワンセットで電力で見せられた時はなんでRCが前座なんじゃいと思ったもんだが、そん時はまあYou May Dreamがヒットしてたんでしょうがなかった。RCはごく一部で雨上がりが聴かれだした頃でね。それからR&R Olympicで何回かシナロケは見たけど、いつもどこでもシーナはジャニスどころかカルメンマキにもなれない、高く低く様々に「作った声」で俺達をだまし続ける、実にけなげな「ニセモノ」だった。なのにどこから見てもいつも誠実に、ニセモノを極め続けた。それは間違いなくロックンロールの「ホンモノ」だった。