仙台の国分町というところに一軒のロック喫茶がありました。いえ、今でもしっかりあるのですが、わたしが通っていた頃、行けば必ずいたマスターが今ではあまり店にいることがなくなったようなので、わたしにとっては、すいません、ありました、ということになります。
Peterpanーーこれがそのお店の名前です。みんなにはピーパンと呼ばれていましたが、どんな言葉も略して呼ぶのが苦手なわたしにとってはずっとピーターパンです。
そんなピーターパンにとって、というかマスターにとって、わたしはあまりいい客とは言えませんでした。コピーで作った見た目も中身もペラペラのミニコミ誌を置いてもらっているというだけでも十分に邪魔くさい存在なのに、アメリカの土着的音楽を愛してやまないマスターの好みを十分にわかっていながら、私のリクエストするアルバムといったら、
the doorsの『まぼろしの世界』
The Stoogesの『Fun House』
ほとんど毎回、この2枚だったからです。
当時ピーターパンで頻繁にかかっていたSteve Winwoodの『Arc of A Diver』、今ではその価値もわかるようになった私です。お元気ですか、長崎さん。