2024年9月7日㈯
まず私が語らねばならぬのはKIKUCHIKAORUくんの真面目さであろう。
仙台人なんだからたまに街に出た時、しかも夫婦そろって街に出るなんて5年ぶりっすよ、ってんで牛タン。俺たちよく考えてみれば実は5年どころじゃない、ほぼ10年ぶりに牛タンをいただきました。けれどそこには私が語るべき何物もありませんでした。理由は10年前によく食べていた軽食の肉片の小型化によります。かつてはプヨプヨもっちりと私たちの口中に香ばしさを放ちまくったあのお方がもうそこにはいなかった。まるでサラミだ、あんなもんは。もう牛タンとさえ呼べない。どんな誰が仙台に来たってあれだけは、あの店のあの定食だけは食わせられない。わたしたちは涙しました。もう仙台に俺たちの食える牛タンはない、あと500円は上乗せしないと、もう、ない。となりで俺たちより高い定食食ってた若いの、お前ら大正解だったぞ。たぶん。
そんな俺の耳に素直に入ってきたのが菊池(?)君の「After The Gold Rush」でした。そして「Heart Of Gold」でした。とどめの「Desperado」でした。
おっさんかな、と思ってパンフで確認したらなんと木口(?)くんは大学1年生との記載。
世の中捨てたもんじゃない!絶対に捨てられない世の中が世の中にはある!そう言い切らせてくれるKIKUCHIKAORUくん!がんばれ!もっとやれ!やってくれ!ハープもロバート・ジョンソンももっとやってくれ!いいぞ菊知!やれ規矩智!そう願わずにはいられないクリスロード常陽銀行仙台支店前のIZUMISAWANORIYASUなのであった!
そして私たちは歩きに歩きました。途中ローソンでビールを買い、インド人のマハリシくんに、「10円足りないよ」とせがまれ、いえ、まっとうな抗議を受けて素直にもう10円、いえ、実際には16円でしたので20円をトレイにのせ、西公園市民プール前へ向かいましたとさ。疲れた。そこで語らねばらなぬのは我らが愛する本日のメインイヴェント、スーさんとドライブのライブ風景です。
しかしどうでしょう、愛し続けて5年くらい、通い続けておんなじくらい、そしてコロナ禍を5年、ってことはennのコンサートには種々の訳ありで行けないけど、一応10年ハマりっきりの彼らのライブをどんな曲をやったか程度のことしか私の脳みそには刻まれなかったのです。そして残ったのはステージの真ん前で揺れ踊る二人の女のケツ風景だけなのだ。
写真は実際に撮れた写真から二人のうしろ姿をなるべく排したものである。
「Rock ’N Roll Soul」~「ナオミの夢」「I Feel The Earth Move」「Golden Age of R&R」どれもカッコよかったし、いつもどおり素晴しい演奏だったはずだ。アンコールの「ロックン・ロール」の歌声ではぶっ飛びもしたがしかし、俺の頭に残ったのは2つのケツとベーアンの轟きだけなのだった。疲れた。街の、イベントの端の橋にまで追いやられても一生懸命やってくれたスーさんとドライブ from Ishinomaki、わたしはあなた達を決して忘れはしません。何言ってんだ、自分でもよくわからない。とにかく疲れて……。
だからわたしたち夫婦は階段を昇った、青葉城へと続く大橋のたもとから源吾茶屋が桜の木に囲まれる西公園へと。そして迷った。俺が迷えば妻は怒りだします。どっちさ行きたいのッ!と。あ~~~~づがれだ!と。騒ぎます。暴れます。けれどジャズフェスです。誰が騒ごうが、暴れようが耳にビタッとくる音楽にたどり着かねば何の意味もないのです。しかし西公園は歩けど歩けど深い闇でした。広い森でした。しょうがない、歩き死ぬわけにもまいりません。すわりました、椎名林檎の歌を歌い続けるオバチャンのステージの前に。なぜならその人たちの次に出てくるのがパンフレットに「ストーンズのやっていた曲を中心にやりま~す」というコメントを載せていたからです。The Dealerでした。
やる気満々でした。とくに赤パンのおじさんはミックになりきってました。のでちょっと俺、笑っちゃいました。だってあまりにカッコ決め決めだもんで。ごめんなさい。と謝るのには根拠があって、ずっと見てるうちに慣れてきちゃったのね、そのキメキメのアクションに。それからは「Midnight Hour」「Carol」「Around & Around」「I Just Want to Make Love to You」etc...もう楽しいだけでした。楽しめるはずだったスーさんとドライブでぜんぜん楽しめなかったから、もうここで取り戻しますからね、俺たちは。そんな後ろ暗い理由もあるにはありました。でもそんな後ろ暗さを吹き飛ばすほどの熱気が、とり憑かれた様に弾きまくり続けるギター、静かに楽しんでいるのがわかる無表情なベース、単純なリズムに力感でファイトを叩きこむドラム、そして歌詞を全く間違えないヴォーカルからズバズバと感じられたからです。ありがとう、ザ・ディーラー、救い主、「Just My Imagination」最高、「Train Kept A Rollin’」悶絶、The Dealerステキ。俺は手を合わせた。いわきからわざわざありがとう。そしてだらだらと帰途についた。夫婦とも65歳ですからね、これ以上の無理は無理ですだ。
期待通りだった2日目に続く。
↓上記のみなさんが見られるサイト
(21) Nobuhiko Sato - YouTube (スーさんとドライブを撮り続けている「妖精さん」のYouTube)
ザ・ディーラーズ いわき街なかコンサート2023 2023年10月08日 (youtube.com)