死者が眠る場所のこと
お墓参りにいく。
お墓といっても、ここの土地では死人が僕の足の下で眠っている。
つまり、ちょっと前まで土葬だったからだ。
このお墓は石のお墓ではなく、
高さ80cmほど、太さ15cm角の木の杭に戒名が書いてあるだけの粗末なもの。
古いものになると腐って、高さが30cmほどまで低くなっている。
それぞれの家のお墓の区切りは河原の石を並べただけのそまつなもの。
たくさんの死人の上にしゃがんで、ご先祖さまのお墓の草むしり。
きれいな花が咲いている。
とても大きな桜の木はこれでもかといわんばかりに枝をのばす。
もうすぐ、夏だな。
日傘、寺の坊主の頭に光る汗、草と花と線香のにおい、お経、久しぶりにあういとこ、入道雲と青空と太陽。
お盆はいつもこんな感じ。
僕の下にはいったい何人の人が眠っているのだろう?
たくさんのいなくなった人がいて、
僕は土の上で呼吸する。
お墓参りグッズを入れた籐のかごを持って、帰りは自動販売機で冷たいマウンテン・デューを飲む。
川の生き物のこと
ようやく、家の横の川に蛍がちらほら。
しばらく川を見ていると、じんわり、と明滅する光。
ときおり浮遊。
白い犬の亡骸もバンビの亡骸も今ではすでに流され、
おそらくは琵琶湖あたりまで到達しているのではなかろうか。
時間が流れ、新しい生命体が小さな川の主人公である。
人間だけが、世界にうごめいているわけではないので、
もう少し謙虚に生きなければ、と考える。
バンドワゴンのこと
土曜日、大阪でライブ。
今回は撮影係りのブラジル人の帯同はなしで、代わりにDJの友達と、メンバーと三人で大阪へ。
途中寄り道して、ソフトクリームをぱくついた。
蒸し暑い日にはぴったりの食べ物だった。
早く到着したので、カフェでのんびり。
その町屋カフェで、別のメンバーがアサラトという楽器のワークショップ中でそれを見ていた。
友達が食べていたアイスクリームをもらう。
今回演奏させてもらうハコはとてもいい感じ。
壁が白でペイントされ、とても明るい雰囲気。
一番目の演奏で、
今回はとても演奏を楽しめた。
お客さんの雰囲気も楽しげで、僕達もとても楽しげ。
今回MCをしたのだけど、饒舌ではないので見事にすべる。
悲しくなる。
背中だけ写ってます。
個人的には緊張せずに、今まででいちばん楽しい演奏だった。
最後のバンドはとても楽しいバンド。
踊り狂う。
最初うしろにいたのに、いつの間にか一番前で踊る。
いい音楽には自然と体が反応してしまう。
楽しそうに演奏できるのって、とてもいい。
帰り道、メンバーみんなで高速のパーキングにて夜ごはん。
深夜12時。
別のワゴンが止まり、眠たそうな目をしたバンドマンがぞろぞろ降りてきた。
髪の長さから察して、ガレージロックバンドだろうか。
よく見る光景。
友達はバンドワゴンからモヒカンが降りてきたのを目撃してるし、
僕はすっぴんのビジュアル系が降りてくるのを目撃した。
昔、フェリー乗り場にて軽自動車から、おデブさんが4、5人降りてきたのを思い出した。
みんなでまずい高速パーキングご飯を、悪態をつきながらぱくぱく。
お口直しにこの日3つ目のアイスキャンディーバーをぺろぺろ、ぺろり。
お口の中にひろがる至福。
アイスクリームは冬に食べるのがおいしい、という定説がちょっとぐらついた日。
大きな雨粒は歓喜の音のこと
激しい雨、
体が包まれるようなそういう感覚が好きだ。
過労なのかなんなのかわからないけれど、
今週は生けるゾンビ。
折りしも、新聞で過労死についてのコラム連載があり、
それを思い出す。
ダラー・ブランドーというアフリカ出身のピアニストの作品を聴く。
ひさびさに魂の音楽を聴いた。
8曲だけど、すべて途切れることなく演奏が続く。
それは巨大な一曲。
それはひとつの生を奏でる。
たったひとつのピアノだけど、
ヨーロッパ系の上品な音ではなく、
それは岡本太郎さんを彷彿とさせる音。
アフリカの生命の音。
もしくは魂の音。
それは生命の起源を想起させる音。
まったくのむきだしで、演奏中、キース・ジャレットかそれ以上にダラーは呻き声をあげる。
椅子がギーギーかしむ音や、人々のざわつきの中で演奏ははじまる。
一定の低音の中に叩きつけるように高温がはいり、
その間隔が変わり、
不協和音が入り、
そして生命の爆発を感じさせるような歓喜の音。
なぜにこのような音を僕は知らなかったのだろう。
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アングラ?のこと
いつも、
月曜日が一番疲れている。
1週間が9日あって、
1日が27時間ぐらいあればいいと思う最近。
時間とか、1ヵ月とか、は概念なのかもしれないけれど、
世界のほとんどはその中で動いている。
その枠の中で。
日本にはチェーン店がいっぱい。
チェーン(鎖)だらけで街は包囲網が敷かれている。
できるだけいろいろな世界を見て、さわって、
枠内も枠外も、関係なく、
自由なこころもちでいられたらいい。
土曜日は大阪でライブ。
素敵なフライヤーが用意されてるみたい。
「かつてないアングラ界のクロスオーバー・ライブイベント」
僕達、いつからアングラ界に行ってるの?という疑問はさておき、
どんなイベントになるか今からドキドキワクワク。




