今では滅多に聞かない英語基本表現 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルから帰国しました。
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そして、溜まりに溜まったネタを記事にして更新していきます。

なおヘッダー画像は新潟県長岡市にて2020年11月に撮影。

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最近のケニア生活とはほとんど関係ない話を唐突に書きますが、ふと記事にしてみようと思いました。

私が中学生の時に習った英語の基本表現で、大人になって実際に英語を使う場面で、まず聞かない表現を2つ思い出したのです。



1.How do you do? 「はじめまして」

学校では中1の最初の頃に出て来た表現だと思うのですが、聞かないなあ……。

人と初めて会った時の挨拶は、大抵、

Nice to meet you. 「お会いできて嬉しいです」

ですね。もう少し砕けた言い方だと、

Nice to see you. (同上)

あたりでしょうか。いきなり

How are you? 「お元気ですか?」

もありだと思います。少なくとも、How do you do? を映画ではなく実生活で聞いたのは、この30年くらいの間に1回か2回でしょうか。



2.I beg your pardon? 「もう一度言っていただけますか?」

中学生の時に受けた英検3級の面接でも、面接官の言っていることが聞き取れなかったらこの表現を使うようにと教本か何かに書いてあったような気がします。かつては私もこの短縮表現の Pardon? を使っていたこともありますし、スペイン語で ¿Perdón? は普通に聞く表現だと思います。でも、実際、Pardon? と人が言っているのは、ほとんど聞きません。

Once more, please. 「もう一回お願いします」は、意味は通じますが、いかにも英会話に慣れていない人の言い方でしょう。

ではどう言うか。圧倒的によく聞くのが、

Come again? 「もう一回(言ってくれる)?」

ですね。これを最もよく聞きます。丁寧に言うなら、Please come again. とか、Could you come again? でしょうが、それほどは聞きませんし、単に Come again? と言うだけでも、軽いトーンで言うなら「もう一回言え」というような命令調には聞こえません。「何ですか?」という程度のニュアンスです。

 

(翌日追記:手元の辞書によると、これはイギリス英語の口語表現だそうです(『ジーニアス』:英略式、『リーダーズ』:口、『ロングマン現代英英』:SPOKEN PHRASE)。あるサイトによると、come にスラング的な意味があるので、それに please とか could you といった丁寧語を付けるのはぎこちない (awkward) とのことで、外国人は Say again や Could you please repeat that for me? と言った方がいいと書いてありました。まあ、気軽な会話なら Come again? で全然OKでしょうし、私はアメリカ留学中に教授たちが Come again? としょっちゅう言っていたのを聞いて耳にこびりついているんですがね)

 

あと、私は、

Sorry? 「すいません」

もよく使います。文脈とイントネーションからして、「ごめんなさい」と間違われることはありません。



今の中学英語の教科書には How do you do? とか I beg your pardon? と言った表現は残っているのでしょうか。昔の映画では言っていたりしますし、外交官なら今でも使うかもしれませんが、いかに丁寧だからといって、実生活で滅多に耳にしないような表現を英語学習の初期に習うのもいかがなものかと思いますが……。

少なくとも、私の学校で使っていた中1の英語の教科書(*)は、Hello everyone. This is Judy. This is Tony.(←だったかな?)と下の名前で呼んで、気軽な調子で始まっていたのだから、もしこのような場面で How do you do? とか I beg your pardon? とか言うとすれば、少なくとも今なら不自然でしょう。日本語に直せば、「みなさんこんにちは。こちらはジュディ。こちらはトニー」で始まって、「お初にお目にかかります」と言っているようなものだし、「すいませんが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか?」と言っているようなものです。

違和感ありますよね?

……えっ、Come again? って?



(*)ネットで調べたら、中教出版の「NEW EVERYDAY ENGLISH」という教科書でした。あるサイトによると、この出版社は2004年に倒産したようです。

(写真は今のコンパウンドの、私の住んでいるのとは違う2階建ての棟の屋上から撮った眺め。隣が野原になっていて、なかなかの見晴らしです。しばしば牛が草を食んでいたり、近くに乗馬クラブがあるので馬が通ったりしますし、夕方などサッカーをしている若者たちをよく見かけます。現行のコロナ対策政府措置ではスポーツ禁止なんですけどね。巣ごもりモードの現在ですが、気分転換と目の休養のために、時々はこの屋上に上がりたいものです。塀や金網のフェンスに囲まれたコンパウンドの敷地内ですので、安全上の問題もないですし)