前回の続きになります。

 

遣唐使は、中国での滞在期間中に一体何をしているのでしょうか

 

という面白い問いを考える、というものでした。

 

 

今回も、

 

大津透『日本古代史を学ぶ』岩波書店2009年

 

を参考に、この高度な質問に対する解答を考えます。

 

 

 

遣唐使の行動①

 

皇帝に謁見(えっけん)し、貢物(みつぎもの)を献上する。

 

 

日本の特産品を献上すると、唐の皇帝からお返しの品をいただくことになります。

 

 

読者の皆様は、正倉院をご存知ですか

 

正倉院は、奈良時代の寺院や役所が所有する倉庫のことです。

 

東大寺正倉院が最も有名です☺

 

 

この東大寺正倉院にある宝物は、聖武天皇(しょうむてんのう)の死後、光明皇后(こうみょうこうごう)が、聖武天皇の遺愛(いあい:死者が生前大切にしていたもの)の品を東大寺の大仏に奉った(たてまつった)ものです。

 

 

東大寺正倉院には、当時の最高の技術で作られた工芸品が収められています。

 

これは、中国皇帝からいただいたものです。

 

遣唐使によって献上された品のお返しなのです。

 

 

遣唐使の行動②

 

留学生・留学僧の受け入れ、仏教寺院の見学の申請を行う。

 

当時、の国内や長安の市内を外国人が自由に行動することは禁止されていました😲

 

観光旅行が目的では、国内を見学する許可が下りず、の盛んな文化を学ぶことができませんでしたので、

 

孔子の廟堂(びょうどう:霊をまつってある場所のこと)や仏教寺院の礼拝を理由に、

 

の文化を積極的に吸収したのでした。

 

 

遣唐使の行動③

 

買い物をする。

 

えっ😲❢❢❢❓❓

 

驚かれた読者の方々も多いと存じます。

 

 

意外かも知れませんが、

 

遣唐使は、中国皇帝に買い物の許可申請をおこなっています。

 

そして、から持ち出しが禁止されている品(輸出禁制品)以外という条件つきで、買い物が許可されています。

 

 

何を買ったのでしょうか😄

 

気になりませんか❓❓

 

 

第一は、「書物」だったそうです。

 

書物を大量に買い込み、船に積み込んで帰国しました🚢

 

この書物から唐の文化を学ぶことで、日本国の基盤を形成していったのです。

 

 

 

大学受験レベルをはるかに超える問いでしたが、いかがだったでしょうか。

 

受験参考書などには絶対に書かれていない内容です。

 

ですが!

 

このような問いを考えることで、思考が深まると思います。

 

高校生のみならず、小学生中学生にも、難しくて楽しい「知的刺激」が必要です。


 

歴史は、「知的刺激」にあふれています。