1/3では、「世界中で日本だけが抱える補欠問題」の実態をお伝えしました。
↓
日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《1/3》
この補欠問題が、世界との差にどのように関係するのか。
2/3はそれがメインです。
正しくは
この補欠問題が世界との差に影響するのではなく
「補欠問題に起因する実戦不足」が世界との差に直結しています。
簡単にいえば、サッカーを始めて1カ月で公式戦に出れる環境。
これこそが日本サッカーのレベルを大きくあげる一歩となるのです。
試合を、多くの人がやることによるメリットは非常に多いです。
そのメリットは、選手の育成・強化だけに止まりません。
プロ選手ではない選手層や一般の方そして普及にも影響が大きいのです。
むしろそちらの方が影響が大きいでしょうか。
もちろん結果、選手のレベルアップにも循環していきます。
それでは試合経験数の充実に伴うメリットを見ていきましょう
【非プロ選手層の主なメリット】
・ファンのレベルアップ
多くの試合経験を積んだことにより、その選手がファンになった時には、非常に目の肥えたファンが多くなる。
・ファンのレベルアップに伴う国内リーグへの波及
目の肥えたファンが、経験の元プロの試合を厳しくみることができ、国内リーグ全体のレベルが上がっていく。
・普及への影響
試合経験を積んだことにより、サッカーの面白さをより理解し、多くの人に伝えやすくなる。
・指導者のレベルアップ
経験を元に、その経験を生かした指導が出来る様になり、指導者のレベルが上がりやすくなる。(しかも大勢)
・サッカーという競技の浸透
試合経験を多くつんだ人が、すばやく多く増えることによって、今の日本でいう野球のような国全体でサッカーをよく知っている状況が生まれる。
・審判のレベルアップ
試合経験を多く積んだ経験者が、審判になる数も相対的に増え審判のレベルが全カテゴリーで上がる。
・実力の低い人や初心者へのモチベーションアップ
どんなに下手な人でも、公式戦という晴れの舞台が用意されているので、よりサッカーが楽しく打ちこめる。
主にこの点が上げられます。
サッカー経験者は、一番サッカーファンになる可能性が高いわけですし
実力に関係なく大事にしなければなりません。
そういう方にサッカーを楽しく感じてもらえるよう、試合の機会を与えることは
実は一番効率的な人気獲得策・普及につながります。。
次に、プロ選手や代表選手層への影響を見ていきましょう。
これは、メリットではなく逆に日本サッカーが常に言われている課題を重ねてみれば一目瞭然です。
日本サッカーのよく言われる課題はこの問題に密接に関係しています。
【プロ選手層のメリットを課題から読み解く】
◆国際試合で内容が悪くても勝ちきるというのが少なく、内容が良くても逆転負けというのがある
↓
試合経験が少ないのでゲームコントロール・試合巧者と言う面が不足している
◆日本人の技術は高いが、相手がいたり、試合になると急に活用できなくなる(多くの外国人指導者がそう答える)
↓
試合経験が少ないので、技術を実戦で試して今後の糧にする機会が少なく、上手く活用できない。
◆スタミナの数値などは、世界的に見ても高いのにスタミナ負けをする
↓
試合経験が少ないので有効なスタミナの使い方(オシムさん曰く考えて走る)が上手くなく、結果スタミナ負けする
◆日本人は組織力(主に連携)はあるが、突出した個の能力が育っていない。
↓
個の能力は、練習はもちろん、実戦で鍛錬し、自信をつけてこそ磨かれるもので育ちにくい。
組織力は練習でも一定のレベルまで到達可能。
◆日本人は海外に身体能力・フィジカルで負けると、非常に厳しくなる。
が海外を見れば身体能力で負けていても他の分野で上回って、勝つ選手が多い。
↓
試合経験が少ないので、フィジカルが高い相手にはどう対応するかという経験値が足りない。
事実ドイツで優勝メンバーになった長谷部は単なる慣れによって対応可能と明言。
また実戦で必要なフィジカルは、多くの実戦で経験してこそ普段の練習に生かされる。
◆FWに決定力がない・スーパーストライカーが出てこない
↓
FWは練習はもちろん、試合で多くの守備陣を相手にすることによって、
よりゴールへの感覚や自信とFWとしての責任を持つものである。
ゴールへの感覚は常に試合と練習で磨くものであり、試合経験が少ない日本の環境では、育ちにくい。
とこのような感じです。
見事に常に言われる課題がこの問題と直結しているかが分かるかと思います。
練習の試合形式の練習と対外試合の大きな違いは
よく知らない予測不能の対戦相手であるかどうか、ということです。
それによって、得られるものは普段の練習ではなかなか得られません。
そこではサッカーに最も必要な瞬時の状況判断能力が、養われます。
またポジションで考えれば、どのポジションも経験は必要ですが
特にGKは経験が最重要とされるポジションですから、楢崎ですら3年でやっと試合に出ている日本の環境では
経験を積み重ねるのが難しく、優秀なGKができにくいです。
1人しか出れないポジションなため、この日本の補欠問題による影響が一番大きいポジションといえるでしょう。
日本は、下手ならば試合にでれません。
ですが、海外ならば、下手でも誰でも、試合はできます。
この差は、最も重大で致命的な差を生んでいるということを今回少しでもわかっていただければなと思います。
どうも日本は、プロも含め控えに非常に厳しすぎます。。
サッカーは誰もが試合をして楽しむことこそが、サッカーの魅力の原点だと思います。
スポーツ全般もそうですね。
その魅力の原点を見つめなおさないと、
サッカーを多くの人が試合で楽しんでる日本以外の世界とは
差があって当たり前です。
次回3つに分けた記事の最後で3/3となりますが
そこでは、「日本でも動き始めている補欠解消の動きとこの問題をどう解決すべきか」
ということについて書きます。
↓次回記事
>日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《3/3》 <
今回の話は、日本はバルサを超えられる というブログの日本サッカー界の根本的な問題 というエントリーが
きっかけとなっています。
その後何人かの海外でコーチをやっておられる方のブログでも同じ主張がされていました。
実はこの前にフランス・欧州は補欠がいないというのは聞いたことがあったんですが
このエントリーは、非常に考えさせられました。
その後いろいろと情報が入ってきて、期間が空き満を持して今回のエントリーを書くことになりました(笑)
日本サッカーがなぜ世界との差があるのか。
それはいろいろ言われていますが、これを解決しないことには始まりません。
逆説でいえば、これさえできれば日本サッカーは間違いなくワンランクアップする。
これが実現すれば、世界トップクラスにはなる。そんなことが実はあるのです。
それができれば、育成の下手さも、指導者のレベルも、審判のレベルも、ファンのレベルも、選手のレベルも
個の能力の育成も、勝負強い選手の育成も、フィジカルも、FWの決定力までも
今より格段にレベルアップするでしょう。
それは「あなたが、試合(公式戦)に出られる環境」です。
日本でスポーツ・部活動を経験された方ならわかるはずです。
控え・補欠だった経験がみなさんありますよね。
当然ながらそれだと試合に出られない。
部活3年目でやっと試合に出れる、こういう方が非常に多いと思います。
育成年代以外では、社会人などは自らチームを選ぶので、そこまで補欠だという問題は多くありませんが。
しかし、それは「日本だけ」だというのをご存知でしたか?
日本サッカーだけが、抱える致命的な欠点。
それは、『控え・補欠の異常な多さ』です。
日本サッカーの控えの割合は、確かなデータソースがないので、正確な数字はわかりませんが
おそらく、約70%~約80%ぐらいだろうと思われます。
部活の3年間で、基本的に試合に出る選手は、3年生。チームによって編成は様々でしょうが
そう考えると、単純計算で大体試合に出ているのは3分の1=約33~34%
つまりその他約66~67%は、控えで試合経験がない人ばかり。
さらに選手の数が多い強豪校となれば、ベンチにも入れないのは普通ですので、さらに控えの%は増加するでしょう。
ですので、日本の控えの割合70%~80%というのはそこまで外れていないと思われます。
ちなみに、セルジオ越後さんによれば、日本は控え人口が8割だと発言していました。
一方、サッカー強豪国である例えばスペインの場合1チームの人数は大体18人ぐらいで最大でも20人超ぐらいのようです。
それ以上だと2チームに分けるそうです。
つまり、スペインには部活はないのでクラブですがクラブに、
30人以上いれば、15人で2チームに分けこの2チームが、公式戦に参加します。
結果、多くの選手の試合出場のチャンスを得られ、多くの実戦を通して成長していくようです。
ちなみに、スペインは、控え人口が約20%~約25%だそうです。
日本70%スペイン20%。控えの割合がこんなに違うわけです。
日本でも練習試合などで実戦経験が、あると思われるかもしれませんが
スペインは、練習試合+公式戦リーグにBチーム(2軍)・Cチーム(3軍)・・が試合に出ているわけです。
さらにトーナメント主体の日本とは違いリーグ戦主体なので、チームが弱小でも
ある一定の試合数が確保されているということになります。
また怪我やコンディションなど1年間無事にメンバーを固定できるわけは当然ないので、
その中のさらに控えの人でも、途中出場も含めれば実戦の機会はやってきます。
つまり、日本のように2年・3年どころか、1年間一度も試合に出られないということすらないのです。
そして、FIFAの統計で登録選手人口を見てみますと
日本はサッカー人口が、104万5150人。 スペインは65万3190人となっています。
一般の社会人のデータも入ってるので、あくまで参考データに過ぎませんが
こちらのデータを参考に、試合に出ている人の人口(非控え人口)を比較しますと
(日本は30%・スペインは80%で計算)
試合に出てプレーしている選手の人口比較
※日本 約31万人
※スペイン 約52万人
となります。もうお分かりだと思います。
日本は競技人口において約40万人もの差があるスペインに対して
肝心の実際にプレーしている非控え人口では逆に約20万人も差をつけられ逆転されているわけです。
先ほども言ったように、社会人のデータが入ってるので、正確なデータではないんですが
非控え人口では、日本の方が少ないのは事実のようです。
結論から言って、これがそのまま日本と世界との差に直結しています。
競技人口を他国と比べて、「日本はもっと強くていいんじゃないか?」と思うことがあると思います。
他のスポーツでも同じようなことが言われていますが。
実際日本は競技人口でみれば十分世界のトップレベルです。(世界で8位ぐらい)
競技人口の割にという話の要因としては、実はこういう環境の違いがあるわけです。
◇競技人口とその国の強さにはやはり関係があります。
※話が脱線するので、それについての詳しい説明は記事本文最後の※欄に書きました。
スペインだけの話をしていたので世界の話をしますと
欧州は年齢別+チーム数で分けているところが多く、多くの人がサッカーを試合を通して親しめます。
さらにリーグ戦で平日に練習→週末の試合という文化が定着しています。
南米の場合は、地元クラブチームが下部組織に資金を投入しておりそこで、細かくチームを分けて強化をしていたり
そのほか無数に草サッカーチームが存在するので、そこで試合経験を積んだりしています。
そこで名を売れば地元のプロクラブチーム下部組織にスカウトもしくはテスト合格というルートがあります。
南米においては、非登録選手層であっても試合経験は養われやすい環境です。
貧困国では、こういう形が多いみたいです。
このように
日本のような補欠制度は、当たり前ではありません。
誰もが試合に参加できることが日本以外では当たり前なのです。
実力不足の選手への扱いは↓の様に違います。
日本
実力の劣るもの=試合に参加できない
世界
実力の劣るもの=レベルの低い試合に参加を強いられる
実力がないから、全く試合に参加できないというのはおかしな話で。
試合に参加するのはサッカーをする者に当然保証されるべき権利だともいえるでしょう。
長いので今回はこの辺にします。
今回はいかに、日本は世界と「あなたが試合に参加する環境」において違うかについて説明しましたが。
次回は肝心の、「なぜこの補欠問題が、世界との差に関係するのか」を説明します。
↓次回記事
>日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《2/3》 <
※競技人口と強さについて
競技人口で、その国の強さがすぐに決まるわけではありませんが
影響がないというわけでは当然ありませんし、むしろ影響は少なからずあります。
実際にW杯優勝経験国で、100万人以下の競技人口(登録人口)はアルゼンチンとウルグアイだけです。
アルゼンチンは、登録人口こそ少ないんですが、非登録プレイヤー人口も合わせたて総競技人口では、
登録人口114万であるオランダよりも多いです。これは本文の例スペインも同じです(ソースはFIFA発表公式データ)
南米には独自のストリートサッカー文化があります。
ウルグアイは、こういってはなんですが優勝したのは大分昔ですし
今ウルグアイが強豪国の一角だと思ってる方は非常に少ないでしょう。
このように、世界で一番人気のあるスポーツであるサッカーのW杯で
優勝するような強豪国ではかならず、世界トップレベルの競技人口を持ち合わせています。
ですが競技人口が多いと、強豪国になれるかというと全くそうではありません。
アメリカや南アフリカそして日本が競技人口では、世界トップクラスではあるが強豪国ではないように。
それ+環境や国としてのサッカーへの本気度があってこそ、その競技人口の利点は生かされます。
サッカーでは、どこの国でもサッカーが一番人気であることが多くどこも本気なので
それ以外の差として、競技人口と環境が差を分けるわけです。
この3国でみれば、アメリカは本気度が足りず、南アフリカは環境と本気度、日本は環境と本気度に問題があります。
それにアメリカは競技人口が多いといっても、五輪から見る世界各国のスポーツ事情 でも説明しましたが
部活はシーズン制でかけ持ちが当たり前なので、その中で足腰が鍛えられるサッカーは非常に人気があるという側面があると思います。
つまりオフシーズンにサッカーをやってる人が多いのではないかと。
他にも年齢が子供に偏っていたり、女子では世界最強国ですから。
五輪が終了しました。
今回は、結構盛り上がりましたね。
さて、その間各国のスポーツ事情もいろいろ知ることができたのですが
その結果サッカー界にも、大変参考になる各国のスポーツ事情・育成システムを紹介したいと思います。
(といっても当然全世界の国のが分かったわけではありません)
まず大きく分けて、世界には3つの方式があります。
国家直轄スーパーエリート育成型 クラブチーム型 部活型
国家直轄スーパーエリート育成型
代表なのは、「中国」「韓国」です。
中国
アテネ五輪で金メダル獲得数がアメリカに迫るほど獲得し北京五輪では世界1位になりました。
その前からも、金メダル上位国の常連です。
中国の場合スポーツをする方は、国専属のスカウトマンが公園で遊んでいる子供の足の筋肉や動きを見て
スカウトをしてスーパーエリート養成施設(体育学校)に入れて、適性に合わせて英才教育をするそうです。
他のルートは知りませんがテストとかあるんでしょうか。
才能のある選手を、選びぬいて集中投資、国家直轄で徹底教育します。
すべては、金メダルを取るために。
ただ、この方式のためスポーツをやれるのはごく一部の層というのが実情で、
一般レベルでのスポーツの普及には疑問を感じます。
韓国
近年急速にメダル数を増やしている国。競技人口からすれば驚くべき成果をあげています。
一つの学校で、一つの部活だけ(スポーツ指定校)を持ち、学校ごとに集中してその競技に特化しています。
それにより、人気によって一つの競技に過度に人材を集中させず、分散し幅広い競技で強化を行えます。
また、部活をやっている人は授業の時間を削ってでも、練習をしています。
その上で、中高(大)の進学時に全国大会で好成績を収めていなければ
入部を認めない=スポーツを続けることも許されないという厳しい競争下におかれます。
そのため、小→中→高の間に選手人数は強制的に絞り込まれ、高校の部活数が非常に少なくなります。
その為韓国で部活をやってた人はといえば、皆かなりのレベルの人だと言うことになります。
これで幅広いスポーツを徹底強化でき、五輪での金メダルの多さにつながっています。
競技人数が少ないのに、強いのはこのためです。
ただ、こちらも中国と同じく一般層へのスポーツへの普及はなされていません。
続いてクラブチーム型
世界で最も主流な方式といいますか、むしろ他の方式が特殊であるといったほうがいいかもしれません。
ドイツ
金メダル数も、常に上位に位置する国
サッカーにおける強豪国の中では、五輪金メダル数が毎回一番多い国。
世界最大の競技人口のサッカーと、全競技の強化を両立している、理想的なスポーツ大国。
部活はなく、学校終了後それぞれのスポーツクラブチームに通います。
地域総合スポーツクラブが、多くのスポーツを抱え込んでおり、そこでスポーツ同士の交流もあります。
生涯スポーツも盛んで、一般の人にとってスポーツは非常に身近な存在。
欧州の他の国も、ドイツのように大小の差はあれど総合スポーツクラブや各独立型スポーツクラブが核を担っています。
豪州
こちらも世界有数のスポーツ大国です。
人口2000万人でありながら、常に五輪金メダル数上位に位置します。
お得意は、マリンスポーツですが。あらゆる競技でメダルが届かないまでも、平均してどれも高いレベルです。
豪州は、部活がなく放課後地元のスポーツクラブチームに行くという方式です。
スポーツの専門家が多数いて全スポーツに共通するフィジカルコーチなど優秀な人材がいてどのスポーツも
抜群の育成環境です。
国民全体も大のスポーツ好きで、週2回以上スポーツをする人は国民の大半です。
また、年間平均10種目はやるというほど、スポーツ全体の幅が広いです。
部活型
代表的なのは、「日本」そして「アメリカ」です。(韓国は前述で)
アメリカ
世界最大のスポーツ大国として知られるアメリカ。
ほとんどの競技で強豪国であり、五輪の金メダル数は常に1位を争います。
大きな特徴として、部活はシーズン制で、オフシーズンは部活は活動休止(禁止)だということが挙げられます。
つまりアメリカで、高校まで部活を1年間ずっとやるというのは不可能だということです。
その為、部活掛け持ちは当たり前で多くのスポーツを体感し、幅広い競技に人材がいくチャンスを作りだしています。
そして、部活の人数には制限があり、去年在籍してても関係なく一年ごとに入部テストがあります。(それで退部になる人も)
人気のある部活ほど競争は厳しいです。また学業成績次第で退部になったりします。
大学にはそこまでの実力者じゃなくてもスポーツ特待生になれるチャンスがあり、大学のスポーツ環境の充実度は非常に素晴らしいです。
部活のオフシーズンは、他の部活をやったり、地元のクラブチームに入ったりでそのほかの期間を過ごしています。
入部テストに受かるためそのスポーツのクラブチームに入る人もいますね。
また、各地で初心者用のスポーツ体験講座が頻繁に行われています。(値段も安く、参加しやすい)
スポーツコーチも優秀な方が多く、底辺を支えています。
同じく強化普及とも両立させているドイツとは、また違った方法で成功しています。
日本
そして、日本です。金メダル数でみれば80年代から一気に衰退し、20世紀末までそれは続きましたが
21世紀にはいって急速に世界の上位へ復活してきた珍しい国。
この国では、学校が総合スポーツクラブの役割を果たしており、学校の部活こそスポーツ育成の核でした。
しかし、アメリカと違い部活の代わりにクラブチームのような底辺を支えるものがほとんどなく、
むしろクラブチームはそのスポーツのエキスパートが通うような場所。(例:テニス・水泳など)
部活のため、普及という観点からでも簡単にスタートでき。一見普及の点はいいように見えますが
この国には一つ他の国にはない、大きな欠点があります。
それは「補欠」です。日本では、試合に参加できる層は一部で、試合に出場するのは、その部活・チームの能力の高い選手だけでます。
(海外では、すべての選手が試合に出れるように整備されています。1チーム(部活)に限度なく何人でも在籍ではなく。サッカーならば、15~22人おきに1チーム。それ以上は所属人数ではなくチームを増やすということにして
日本で言う部活の2軍3軍・・の選手が、公式戦に1軍とは別に参加できると考えてください。
例えばスペインのサッカーの場合はどんなに下手な人でも最低年間5試合は、公式戦にでれるそうです。)
以上のように、日本とは全く違う方式で各国はスポーツを強化・普及させています。
国家直轄スーパーエリート育成型は国威発揚のため強化は素晴らしいですが、普及にはついては優先度が低いです。
中国では卓球は一般層で普及しているそうですが。
クラブチーム型は、世界標準型ともいうべきごく普通の制度ですね。
総合か各独立型かという違いはありますが。世界は大体これです。
部活とは違い、クラブチームのため指導者は専門家です。
そして部活型、アメリカは部活を中心としてクラブチーム合体型ともいうべきでしょうか。
指導者のレベルも非常に高いです。
そして日本、紹介しましたが、試合を楽しめるのは一部の実力者のみで中国や韓国と同じく、スポーツを一般レベルで親しまれているかは疑問が付きます。
部活の人数を制限するアメリカですら、2軍戦はあるそうです。
それでも出れない層(弱小部の控え)のためのイベント大会もあるそうです。
日本で競技人口は各スポーツで多いですが、その割には強くない(特に団体競技)のはこのためだとも考えられるでしょう。
逆に日本だけのこの欠点を解決すれば、もっと強化・普及がなされるかもしれません。
追記
※補欠に関する問題をまとめた記事
ここ最近は、珍しく頻繁に更新してます(汗)
今度はまたずっと更新しないかもしれませんが・・・
今は書きたいという気分になるので更新します。
ワールドカップをJリーグ側の視点から楽しむ方法があります。
それは、Jリーグ所属選手がワールドカップでどれだけ活躍するかです。
過去J所属選手がW杯登録メンバーになった人数は↓の通り
94アメリカW杯 日本代表 0人 他国代表 4人 合計 4人
(J所属選手が史上初めてW杯に出場&初の優勝メンバー輩出)
【韓国】 1人
MF ノ・ジョンユン(広島)
【ブラジル】 2人
DF ロナウダン(清水)
MF レオナルド(鹿島)
【アルゼンチン】 1人
メディナベージョ(横浜M)
日本代表はW杯に出場できず、他国代表選手のみがJ代表として出場。
J所属選手初出場の大会で、J所属選手のいるブラジル代表が優勝という嬉しい結果に。
J所属選手から優勝メンバーが出たのは、この大会が唯一である。
98フランスW杯 日本代表 22人 他国代表 8人 合計 30人
(大会史上・J所属選手最多登録)
【ブラジル】 2人
MF サンパイオ(横浜フリューゲルス)
MF ドゥンガ(磐田)
【カメルーン】 1人
FW エムボマ(G大阪)
【韓国】 3人
FWキム・ドフン(神戸)
MFハ・ソッチュ(C大阪)
DFホン・ミョンボ(平塚)
【ユーゴスラビア】 2人
MFストイコビッチ(名古屋)
MFペトロビッチ(浦和)
日本代表メンバー一覧 ←をクリック
後にも先にもこの大会の登録メンバー数が最多。
他国代表数・日本代表数・合計数すべてで歴代ナンバーワン。
2002日韓W杯 日本代表 19人 他国代表 6人 合計 25人
【スロベニア】 1人
DFミリノビッチ (市原)
【韓国】 5人
MFユ・サンチョル(柏)
FWチェ・ヨンス(市原)
MFユン・ジョンファン(C大阪)
FWファン・ソンホン(柏)
MFパクチソン(京都)
日本代表メンバー一覧 ←をクリック
2006ドイツW杯 日本代表 17人 他国代表 2人 合計 19人
【韓国】 2人
DFキム ジンギュ(磐田)
FWチョ・ジェジン(清水)
日本代表メンバー一覧 ←をクリック
史上初めて、J所属選手が決勝Tに出場できなかった大会。
とこのように、J所属選手は他国代表も必ず大会に出場しています。
特に94年大会は、初輩出&優勝メンバーを輩出した記念すべき大会です。
その後98年をピークに日本代表数・他国代表数ともに減少しています。
そして2006年ついに、決勝TにJ所属選手は誰も出場できませんでした。
しかし、来年のワールドカップは98年のW杯の他国代表輩出数に迫りそうです。
2010年ワールドカップ登録メンバーになりそうな他国代表候補
※追記 2010/01/13 2010/01/18再更新 2010/02/05再々更新
【豪州】
FW ケネディ (名古屋)
代表監督から全幅の信頼を得ている模様で、選出は濃厚とみられる。↓を参照
http://jeremy.footballjapan.jp/2009/10/post-d599.html
J新加入・確定
DF マシュー・スピラノビッチ(浦和)
ニュルンベルクからやってきた長身CB
ただ、豪州代表常連ではないようで、選出可能性は不明。
豪州代表監督がJ行きを進めたという情報もあり、その場合はW杯メンバーになるかは活躍次第か。
DF マーク・ミリガン(千葉)
中国の上海からJ2千葉へ移籍。
こちらは代表の常連で、W杯メンバーは濃厚か?気になるのは移籍先がJ2であること。
【韓国】
FW イ・グノ(磐田)
主力選手として活躍中。ワールドカップまでは磐田にいるそうで、J所属選手としての選出は濃厚。
DF イ・ジョンス(鹿島)
継続的に招集されており、選出は濃厚。
DF・FW キム・クナン(横浜M)
193cmの長身若手FW。アジア最終予選に1度招集された→今年最初の招集メンバーに入る
DF パク・チュホ(磐田)
今年初めて招集メンバーに選ばれた。非常に素質のある選手で活躍次第で滑り込みのW杯選出もありうる。
J新加入・確定
DF カク・テヒ(京都)
去年最後に招集されて、その前にも招集経験があるが。常連ではない。W杯メンバー当落線上か?
DF イ・カンジン(磐田)
昨年2度招集された。そのときには欧州組も招集されており、W杯メンバーの可能性はありうるが、果たして?
MF キム・ボギョン(大分)
セレッソ大阪に加入し、即大分にレンタル移籍となった。U20W杯でも活躍。
プロ経験はなく、今年日本でプロデビューとなるが、既に東アジア選手権メンバーとなっている。
その他、U○○など現役・元代表選手有望な若手選手数名の選出の可能性が残されており
今後の活躍次第で彼らも選出される可能性もあります。選出メンバー数は現時点では不明。
【北朝鮮】
FW チョン・テセ(川崎)
日本で育った北朝鮮代表エース。選出は濃厚とみられる。
MF リャン・ヨンギ(仙台)
同じく日本育ち。仙台J1昇格で代表復帰を狙う。チョンテセが推薦しているが果たして?
FW キム・ソンヨン(京都)
父親は北朝鮮元代表。今年2月に行われるアジアチャレンジカップメンバー選出された。
J新加入・確定
MF アン・ヨンハ(大宮)
新潟・名古屋でプレーした選手。06予選の日本対北朝鮮戦で一躍有名に。
主力で呼ばれ続けているようで、W杯メンバーは濃厚か。
その他、J元所属選手として、コートジボワール代表にドゥンビア、ブラジル代表にフッキもあるかもしれません。
W杯のアジア枠の4カ国代表すべてにJリーガーが登録されることになりそうです。
さあ、98年の他国代表数を超えられるかどうか?
W杯に何人のJリーガーが登録されるか、こういうところも注目してみてください。